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【経営&マーケティング】お店のコンセプトと商品開発について

今回はお店のコンセプトと商品開発について書きたいと思います。
これから飲食店やテイクアウトのお店を出したいと考えている方、お店のリニューアルを考えている方に向けたnoteです。

初めましての方はよろしければこちらもご覧ください。

パティスリーを湯島天神の側で開店するにあたり、お店のコンセプトをオーナーシェフと話し合いました。
オーナーは職人ですがこれまで外資ホテルで散々プロモーションなどをやってきましたので、マーケティングの重要性がよくわかっています。

コンセプトを考えるにあたって真っ先に決めたことはお店の名前です。
店名はお店のブランドを告知する大看板です。

例えば、世界チャンピオンになった、TVにしょっちゅう出ている、なんて人がお店を開店するのであれば、ご自身の名前をつけたお店で良いと思います。
自分自身がブランドということですね。

当店のオーナーは国内コンクールでは数えきれないほど受賞していますが、そこまで有名じゃない(自分でもそう言ってました)ので、コンセプトに則った店名を考えました。

私たちのターゲットとなる顧客層は近隣の方、そして湯島天神に参拝に来られる方です。

最初は「神様の近く」であったり、「神様のお膝元」という名前が良いと思っていました。
フランス語で良い言い回しがあるかなとフランスに住む友人に相談したところ、フランス語で「de bonne augure」という言葉を教えてくれました。

縁起の良いという言葉で、フランスではとても良い意味で使われるというのです。

東京に住んでいるマカロンで有名なあのお店のフランス人シェフに「de bonne augure」ってお店の名前なんだけど、どうかな?と話したところ、
「すごい良い言葉!ステキだね〜!フランスでは今日はなんか良い日になるなぁ〜って時とかにもde bonne augureって言うよ!」とニコニコ教えてくれました。

これは使える!と確信。

語頭にパティスリーをつけて Patisseire de bonne augureにしました。
「縁起の良いパティスリー」です。

店名が「縁起の良い」で決定しましたので、提供商品のコンセプトも決まりです。
縁起の良い商品の開発をお願いしました。

お店は生菓子が約15種類、焼き菓子20種類、その他10種類というラインナップですが、全部が全部を縁起の良いスイーツにするのは流石に無理です。

私がこれだけは絶対作って欲しいと依頼したのは「ダルマ」です。
湯島天神は学問の神様を祀っていますので、合格祈願で多くの受験生が訪れます。
その方たちに縁起の良いスイーツを食べて欲しいと思い、合格ダルマをイメージした生菓子を依頼しました。

それとは別に、オンラインでも販売できる手土産的な名物の開発も依頼しました。
もちろん縁起の良いコンセプトで。

そこで誕生したのが「もなかマシュマロ」です。
梅の形のもなかの皮の中にマシュマロを流し込んで、マシュマロの中にフルーツソースを入れたお菓子ですが、これはオーナーシェフが金沢に行ってあちこち土産物屋を訪ね歩いて思いついた商品です。

写真は家庭画報.comより

もなかを梅の形にしたのは、お店のロゴも梅の形だからです。
湯島天神に梅園がありますが、もともと梅はどの花よりも一番先に花を咲かせる、春を告げる縁起の良い花として重宝されています。

湯島に来ていただくとわかるのですが、湯島エリアはロゴを梅にしている企業や施設、商店が多くあり、皆さん縁起の良い梅にあやかっています。

当店のロゴももちろん梅。
というわけでもなかマシュマロの形も梅になりました。

よろしければ開発ストーリーをHPに載せていますのでご覧ください。

どちらもとても良いスイーツで、早速多くのメディアに取り上げていただき当店の名物として定着しました。

お店のオープンが2022年10月でしたが、その年の年末は当店のもなかマシュマロをお歳暮やお年賀に買い求めるお客様で行列ができるほどでした。

また、もなかマシュマロはオンラインで販売し全国配送をしています。
おかげさまでオンラインの販売もすこぶる順調です。

このもなかマシュマロについては、オーナーシェフが試行錯誤して開発したわけですが、他にはない当店ならではの商品です。
もなか+マシュマロは意外とありそうでなかったんですね。

お店に名物(売りの商品)があることはとても重要なのですが、その名物が他店と被っていると何を根拠に名物なの?となります。

現代はSNSの発達により、様々なスイーツや商品が拡散され一般の方があっちの店、こっちの店と比較して簡単に評価できる時代です。

比較されても選んでもらえる、他より秀でた要素がないと名物にはなりません。

その中でオーナーシェフがどこにもない(比較しようがない)商品を開発してくれたことは、本当にありがたいことでこれこそ当店の名物にふさわしいと実感しています。

まだ世にないものを出すというのは非常に難しいですが、不可能ではないと思っています。(作ってないのに偉そうですが・・・)

最近はネオ和菓子のような新しい言葉も生まれていますので、当店のもなかマシュマロのように全く新しいスイーツがまだまだ生まれるのではとワクワクしています。

当店のコンセプトと名物はこんな感じで決まりました。
どなかの参考になれば幸いです。

次回はPRかマーケティングについて書けたらと思います。

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