無形文化財や人類の生の営みを映像制作する


無形文化財や人類の生の営みを映像制作する上で、学芸員や先住民族教育、文化人類学、生物多様性への関心が高まっている人たちにおすすめのミニシアターを紹介します。このミニシアターでは、実践的な映像作りを通じて、生態系や文化について深く学ぶことができます。映像化の背景には、私たちの生命活動や文化、集団の愛着や自己形成が関わっており、その伝承や環境保全のために映像アーカイブ化が重要です。映像制作に携わる人にはフィールドワークの重要性も説明します。共同で作品を作ることで、文化や社会について深く理解し伝えることができます。そのためにはフィールドワークを通じて事実を明らかにし、共同制作を行うことが必要です。映像制作に興味がある人や、学芸員の資格を目指す人にとって、このミニシアターは学びの場となるでしょう。また、国際的な視点を持つことも大切であり、モーン文化団体との交流や協力を通じて、より深い理解と共同制作が実現することを目指しています。



1. 無形文化財や人類の営みを映像制作するミニシアターへの訪れ2. 文化的アイデンティティとは何か?- 人々の成長と愛着の形成3. 映像アーカイブ化の必要性とは?- 次世代の自己形成と環境保全のために4. フィールドワークとは何か?- 共同でアーカイブ作品を制作する社会的な芸術活動

私は学芸員、先住民族教育、文化人類学そして生物多様性の実践をもっと深く学ぶために、これらを専門的に扱うミニシアターへよくかよっている。

映像化の背景

私たちは、大きな宇宙の計らいによって生きており、生態系の一部である。私たちの生命活動も生態系の営みである。そして生まれた集団の中でぞだち自己形成をしていく。これらはの集団の生の営み方は文化と呼ばれている。人々は文化や集団に愛着を持って成長していく。この文化、集団の愛着によって自己形成された自己存在を文化的アイデンティティという。人類はこのアイデンティティおよび文化を伝承しようとする。この伝承は他の高等な知能をもつ動物と比べて言葉、言葉によって生成される概念を用いられており複雑である。この生が営まなれている人々の感情、人情は次世代の愛着、自己形成へと繋がっていく。しかしこの生の営み:文化を実践する人々がいなくなったあと、残るものは映像、展示資料といったメディアやモノである。景観、人情といったコトそのものは残らない。このため、次世代の自己存在の形成や環境保全のためにも映像アーカイブ化が必要である。

また制作する側はフィールドワークを行なっていることを心得なければならない。製作者は遊びでyoutuberをやっているのではなく、自分の違った集団に飛び込みその集団に溶け込んで事実を明らかにし伝え、あるいは自分の所属する集団の文化であっても自らが違う集団に自らの文化を伝えなければならない。フィールドワークとは共有の人類学であり、社会を動かす芸術活動である。具体的には当事者と共同でアーカイブ化制作をしなければならない。共同で作品を作るとは「竹のことは竹に聞け 松のことは松に聞け」というように自らが無我、空つまり主客分離ではなくその場にある事実に自らが溶け込み、真実を伝えていくのである。
かつてタイのズリン県の象使いである古老が語る開発と生態系破壊を取材したことがある。また沖縄の読谷村にある幼稚園で行われる琉球語の教育現場を撮影したことがある。とりわけ私は幼い時に琉球語を独習していたためカタコトであるが、現場でつかった。園内で大勢の園児に「外人」「what?
」とイジメられた。その時は沖縄が嫌いになった。しかし映像を編集していくと、戦時中に通訳をしていた幼稚園の理事長のひ孫が私に琉球語を教えてくれたり、イジメから守ってくれていたのをしった。沖縄では少数民族である多くの家庭が1970年代まで行われていた児童が琉球語を学校で話す「方言札」をかけられて体罰が行われ、琉球語の愛着とヒトの記憶はその時の感情によって歪められ、本当のことが見えなくなってしまった。「慶良間見しげ睫毛見らんど(慶良間島は見えてもまつ毛は見えない)」とその理事長から教わったけど、カメラワークは自らの歪な主観を「正見」へ導いてくれる。

都内の映像人類学専門の映画館


この映画は文化人類学及び無形文化財に関する映像資料を専門とする映画館がある。2014年『映像人類学:人類学の新たな実践』が出版され、日本の映像人類学史が紹介されており、このポレポレ東中野が高く評価されている。一階の併設している飲食店にECフィルム(エンサイクロペディア・シネマトグラフィカ)が上映されている。このフィルムは百科事典の映像アーカイブ化プロジェクトであり1952年から1990年までドイツが撮影、収蔵していた。ベルリンの壁崩壊以降、このフィルムの各研究機関が閉鎖され、フィルムのコピーが下中記念財団に収蔵された。とくにこのフィルムのなかにある文化人類学および世界の無形文化財に関する映像はこの財団の外部で活用されてきた。世田谷区三軒茶屋のキャロットタワーで企画展として上映および上映内容に関する学者、職人を招いてワークショップが行われていた。またこの無形文化財に関するフィルム映像は、先に述べた通りポレポレ東中野の飲食店で常設展示されている。東京都内で映像人類学を主に扱う映画館は新宿のK'sシネマそしてポレポレ東中野である。これらの映画館は、文化人類学、無形文化財を定期的に上映しているが、他にも社会問題を扱ったドキュメンタリーも上映している。
前者のK'sシネマでは年末に国際映像人類学映画祭が行われている。7月から10月ごろの間に映像作品の応募が募集されている。主な受賞作品は海外の少数民族・先住民や日本国内でどのように無形文化財が活用されているかを描いたものが多い。

今作っている映像作品


私は学芸員資格が終わりタイ留学に漕ぎ着けるまで、モーン族(Mon)の窯を粘土の製粉から始めて手製レンガで窯をつくっている。北千住にある両親のクリニックの一角を工房に改装し無形文化である窯業技術の保存を研究している。この制作過程をInstagramで随時、投稿している。昨日、5年かかって600k以上の粘土を製粉し終えたところである。本当は3ヶ月で終わるはずがコロナ及び手伝い人を装った美大生(油画科)のチンピラに邪魔され、かつ近世の製粉技術を現代の生活様式にすり合わせるのに苦労した。
私の窯が小さな電気窯のため有機物が多いい木節粘土のレンガを焼くといずれかは故障してしまう。そこで両親や福島釉薬を定年退職した大学の先輩と相談してイッテコイ窯(トレインキルン)をニギリクレと呼ばれる手製レンガで作ることになった。このイッテコイ窯でモーンのレンガを焼くことにした。この窯はモーンの窯より燃費がいいので、いつかクレット島や戦災で苦しむミャンマーの古老に紹介したい。
 先々月に蕎麦屋の電動石臼を買わなかったためぎっくり腰になり、ニギリクレの型詰が中途半端であった。電動臼を使い始めて全粘土の礫の製粉が早く全て終わった。現在30丁のニギリクレを作り終え、父が計算したところのこり20から30丁の2丁レンガ(長方形のレンガをレンガの長辺にに二つ連結した企画)がまだ作っていない。土練には二人以上いないといけない。粉に耐火剤である籾殻、シャモット、砂、できればアルミニウムを混ぜてタライにシーツを敷き、このシーツに耐火材を混ぜた粘土の粉と水を入れる。シーツを被せて踏んづける。相方がシーツの両端を握り、力学の「ベクトル作用」で力を合成させて粘土をひっくり返す。まるで餅つきである。「なーに やちまったなー」とは叫ばないけど、コトがモノになるのは面白い。
その後は網走監獄の作業がまっている。かつて刑罰として行われていた手製レンガの型詰めである。今回は工業用万力を購入し、プレスでより頑丈なものを作る。
 仮に30丁とするならば推定150キロ、市販のゴミ袋に納めた12,5kの粘度が12袋である。私のInstagramにある映像に出てくる漬物桶3樽がそれぞれ12リットル程度である。3樽を1日で土練した場合、ざっくりと4日かかる。両親が手伝える日が週に2日なので、概算で残り二週間で完成する。ただしシャモットとアルミニウムを使い切ってしまったので、砂と籾殻で作ることになり日本史において初期のニギリクレと同等の品質になる。この品質だと、使用に伴う経年劣化したときは製粉してシャモットとして再利用が可能である。
幸い30丁で済んだため10リットル4万円のパン練り機を買わずに済んだ。耐火剤がおおいいと普通の土練機は故障しやすく、福島釉薬の先輩に言われてこの家電がリーズナブルで安全だと勧めてくれた。モンの古典的なドリアン窯を作る段階になったらまた考えよう。

仲間募集

 しかし私は学芸員の見習い、モンの無形文化財保全の研究をしているゆえに当該国の人をリスペクトして先の映像人類学の制作のように一緒に作らないといけない。また私が障害者当事者ゆえに国策の障害者差別で留学奨学金ももらえず、かつ学芸員の見習いゆえに今後の博物館活動を見据えて賛同者をあつめないといけない。
 今回のイッテコイ窯が作り終えて同時に学芸員資格が修了したらモン族の窯を作る予定である。世田谷区の下北沢再開発プロジェクトの床面タイルのように参加者が固詰してレンガに名前を書いてもらおうかとかんがえている。
 一番重要なのはイッテコイ窯を両親と自力で作り終え実験でモーンの陶器(南蛮焼き締め)を安全に焼けた暁に、在日ミャンマーのモーン文化団体に窯と焼けた陶器を見せて説得して、クレット島ないしミャンマーから棟梁として陶工を呼ぶ必要がある。しかし過去のブログにも書いたが、ミャンマーの戦乱で民主主義、スーチーを掲げて少数民族の同化政策の懸念を背景に、戦乱による文化財保護より人道支援金をくれという在日ミャンマーの団体と私が揉めており、説得できるかが未知数である。学芸員の仕事とは博物館経営論という資格の必修科目でも教わるように、利害関係が発生しやすい。利害関係を乗り越えるには学芸員自身が合意形成できる信念、博物館経営の理念を持ち、仲間である市民と行動していくことである。ビルマ語ができる助っ人を求む。



以上、私は映像制作と無形文化財保全についての学びを共有しました。映像は、人類の営みや文化を次世代に伝える重要なメディアです。また、フィールドワークや共同制作の重要性もご理解いただけたことと思います。大切な文化を守るためにも、映像アーカイブ化の取り組みが求められています。これからも様々な記事やnoteを通じて、さまざまな知識と刺激を提供していきますので、ぜひ引き続きご覧ください。

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