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~ハムスターぐらし~ 【前半】 野良猫🐱がいない風景は幸せか? 私的どシロウトな地域猫活動🐈

私の住んでいる最寄り駅から3駅行った駅近くの、古い商店街の路地裏にあるパーキング付近。
以前から 私はそこに数匹の猫たちが住みついてることを知っていて、いつも気になっていた。
そこで猫を見かけては頭をナデナデしようと近づくが、当前ながらすぐ逃げられ、その後ろ姿を、気をつけてね …頑張ってね…と、役にも立たない言葉で見送るしかできなかった。(むしろ、ただ猫に迷惑)

しかし、先週ついに私は初めて、猫餌と水を持って、その場所に来ていた。夜だったからなのか、餌を持ってのを知ってか、猫もゆったり歩いて、私が手を伸ばすとやってきてくれた。
その日は3匹いて、どの子もきちんとサクラ猫だった。
そして、手から直接餌を食べてくれるのには驚いたが、 やはり撫でようとすると身体をかわして後方へ去っていく。
そばに寄ってこない子もいたので、使い捨てのお皿に餌を入れて そのパーキングの角の方に置いておく。

その商店街の路地裏には、昭和的な雰囲気満載のキャバレーやスナックが数件ほど並ぶ場所である。
猫たちは夜のルーティンをわきまえてるようで、夜になれば、そこの店の呼び込みのスタッフ達から餌をもらえているらしく、無造作に猫皿がわりの容器が店脇に置いてあり、カリカリも入っていた。
そして、一服している店のオジサンの隣に丸くなり、ちょこんと鎮座している猫も見かけた。
なるほど、可愛がられてる様子だね。
私は安心したので、手元にまだ残っている猫餌をそのオジサンに、よければこちらを適当にあげてもらえますか?…と伝えたところ、オジサンは嬉しそうにありがとうね、と受け取ってくれた。

さて、そんなこんなで翌日の午前中、私はたまたま同じ駅に行く用ついでに、 昨日置いてきた使い捨ての皿を回収すべきとそのパーキングに寄る。
そう、私は他人のパーキング敷地内にゴミになる物を放置してきた訳であり、そしてその中で勝手にノラ猫の餌やりをするなんて、注意・勧告の対象であろう。
だが、この猫たちがこのパーキング内に住みついてることは周知であり、今のところパーキングのオーナーさんや町内からのクレームなしで、餌やりが暗黙に許されているからこそ、彼らは生存できているのだ。

昨日の餌と水を置いてきた場所に行き確認すると、両方とも皿が空になっていたので、 食べてくれて良かったと思いながら、ゴミを回収した。
せっかくだから、もう1回だけ、近くの道端へそっとゴハンを置いてゆき、夕方にもう一度寄ろうと思い立ち、近くのコンビニで猫餌と水と使い捨ての皿を買った。

しかし、今回はうまくいかなかった。
私の様子を電線の上から見ていただろうカラスが、私が餌を置いて立ち去った途端 、その方にまっしぐらに飛んで行ったのを見ることに。
あわてて引き返すと、カラスは悪びれもなく、器用に餌皿をつついている!
近くに昨日の猫たちもいるのを見つけが、餌を食べようにも、カラスがいて近づけないよね。
この場で追加の餌をあげても二の舞、逆に猫達が カラスにつつかれ怪我をする可能性があったり、かえって私が猫たちを危険な目にあわせてしまう。

私はガッカリしたのと 、昼間ここで猫たちに餌をあげるのは難しいと理解した。…と、同時に、私は考えた。
私のようにいきなりやってきて『餌やりさん』デビューするのは、この地域猫らが商店街の人達と保たれてる関係性、距離感、秩序あるパターンを乱してしまい、猫たちにも近隣の方々にも迷惑でしかない。
この均衡を変えずに保つために、私は来るなら夜の時間帯にすべきであり、またもっと言うなら、ノラ猫たちが懐いて飼い主がわりに世話してくれている、このキャバレーやスナックのオジサンたちに、私が餌を購入して渡す方がずっと良いのではないか?

その翌週のこと。
夫とたまたま入った居酒屋のママから、実は私も、この裏のお店のマスターも、この近くのお寺さんも、地域猫たちの世話をしてるのですよ…という話を聞くことができ、私は先週のこともあったので、いたく感激していた。
ああ、猫たちは見守られ愛されているんだね…良かった(´;ω;`)

私はそのママに、キャバレーのオジサンらに餌を渡したいことを相談したら、ママは「たぶん喜んで貰ってくれると思いますよ」と言ってくれた。
なので、私はそのオジサンたちと、このお店にも、猫餌をたまに持ってこようと決めて、その数日後は餌入れ容器も買って、そのふたつの店へ猫の餌をお渡しすることが出来た。
私は自分も猫達を保護してあげたい気持ちでいっぱいなのだが、今は事情がありお家にお迎えが出来ないから、せめてこれくらいはしたい。
むしろ、自分の地域の猫ちゃんらに貢献する機会が少しでも出来たので、それを嬉しく思った。

しかし一方で、その時にママからはこんな話もきいていた。
将来的には、この周辺の空き地をオーナーさんが改装して利用してゆく予定があるらしく、その場合は周辺に住んでいる地域猫たちは、県がいったん捕獲して、愛護センターや猫保護団体さんで引き取るという出ているらしい。
実施までの予定としては、あと数ヶ月位ではないかという。

この地区は『殺処分0』を掲げていて、それは素晴らしい。
だから、猫達はきちんと安全な場所へ保護され、嵐の日も雨露もしのげて、エサも十分もらえて、ケガや病気の治療も受けられるのは、良いことには間違いない。
そして、生涯の住処を見つけ、優しい飼い主さんと幸せな家猫になれるチャンスがあるのだ。
…だけど、私は何とも言えない気分になっていた。

余談になるが、私は今年マルタや青島に行き、現地でそれぞれの環境の中にゆったりと暮らす地域猫らを見て来た。
大抵のノラ猫たちはそれまで、広い地域の好きな場所でその日その日を、好きな仲間と遊びながら気ままに過ごし、時には厳しい外の環境や命の危険もありながら、何とか『餌やりさん』などボランティアのヘルプの元に食料を得ながら、束縛なくのびのびと生きていた。(もちろん、TNRされた猫たちだった。)
そんな生活を満喫している猫たちもいて、これからも家猫より、そうした猫生を生きてゆきたい子もいると思う。(子猫とか、全てのノラがそうではない。)

その慣れ親しんだ土地や環境から離れ、人間と一緒の生活を受け入れながら、しっかり管理された安全・安心な環境へ置かれ、残りの生涯を過ごす。一方ノラのままだと、老いたり動けなくなった時に十分にケアされることなく、通常は延命措置もとられないで、そのまま外で死んでゆく。どちらの運命が良いのか、人間のように猫自身一匹ずつに、自分の意思で選択できるようならば本当に良いのだが。

私自身も、猫の保護活動は今後ももっと盛んになって欲しいと願っているし、恵まれない不幸な猫達への支援の必要性は高いと感じていて、これからもそんな活動へ協力し続けてゆきたいのには、変わりはない。
だから、この点について今はまだ、どっちがいいのかどっちが正解かなんて、結論など到底出せない。私がまだまだ勉強不足だから、これからこういった活動の中において、そのうち納得できるような答えを見つけていくのかもしれないと思う。

ただ思うこと…いつか街中から野良猫が一匹もいなくなったことを想像すると、それは何だか物悲しい気分にさせられる。
そんなことを思うのは所詮、屋根の上に猫がいた頃を懐かしむような昭和世代の幻想を抱いている、私だけかもしれないけれど。






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