営業畑10年!非デザイナーの商品開発部新任マネージャーが考える、ものづくりで大切にしたいこと
こんにちは。Hamee広報担当の高倉です!
突然ですが、皆さんはHameeで1年間にどのくらいの製品がリリースされているかご存知でしょうか?
その数はなんとSKUで約1,000個にも上ります!
「iFace(アイフェイス)」などのスマホケースをはじめ、充電器、スマホリング、ストラップ、スマホスタンド、お財布などなど、Hameeではカテゴリーもブランドも多種多様な商品をものすごいスピードで日々開発し、リリースしています。(ゆえに、プレスリリースの配信数はすさまじい(笑))
その中枢を担うのが、商品の企画・デザイン・開発を担当する部署「商品開発部」。今回は、商品開発部のお仕事をご紹介するとともに、入社から10年間営業畑一筋だったにも関わらず、今年5月から同部署のマネージャーに就任した中田 雅之さんにこれからの意気込みを取材しました!
PROFILE:中田 雅之(なかだ・まさゆき)
2011年新卒でHameeに入社。約10年営業部所属を経て、2020年より商品開発部署に異動し、2021年5月より同部署マネージャーに就任。
9歳より野球をはじめ、小学生時代に所属していたチームで「チーム年間最多犠打記録」を樹立。野球を始め3年経たずで「送る」大切さを実感する。
走るのが得意ではないが、歳の節目でフルマラソンを完走。(20歳でホノルルマラソン、30歳で湘南国際マラソンに参加)
「iFace」は文化の壁を超えて、韓国と共同開発
――商品開発部ではどんな仕事をしているんですか?
中田:PD(Product Design)チーム、MD(Merchandiser)チームの2チーム体制で、PDチームではiFace、salisty、AndMesh、Hameeプロダクト(その他のオリジナルブランド)、これらの製品デザインや企画開発を行っています。一方、MDチームは他社商品の仕入れ・発注・システムへの商品登録、製造委託先開拓などを担当しています。
2021年5月からは、上記ブランドごとに部署横断型チームを組んでいて、商品開発部メンバーも主にそちらの軸で業務をしています。ブランドごとの年間販売計画をもとに商品の企画開発から販売までを進めます。所属ブランドチームごとに動きが異なるので、同じ部署ながらも全員業務内容が違います。
―商品の企画から販売するまでの流れを教えてください。
中田:商品によって異なりますが、例えば「iFace」の一部商品に関しては、韓国の子会社「Hamee Global Inc.」と共同して商品開発を進めています。韓国側と企画書をもとに必要な商品の機能や素材、どの機種向けに展開するかをディスカッションした上で、日本のiFaceブランドチームとともに、販売時期やプロモーション方法などを詰めていきます。
▲世界累計販売数2000万個(2020年12月末時点)のiFace
例えば、新生活向けに手帳型スマホケースを売る場合、2月ないしは1月にモノが必要です。なので、それまでに在庫をHameeの倉庫に入れる必要があります。その1ヵ月前にはネットショップの予約注文、卸の営業も開始しなければいけないので、12月頭にはプレスリリースなどで情報解禁するスケジュール感です。
なので、基本は発売日から逆算して2~3カ月前くらいには量産スタートしないと間に合わないです。そんな感じで逆算で考えていくパターンが多いですね。
ー韓国と日本だと、文化も違うし連携が大変そうですね。
中田:やっぱり文化の違いはありますね。例えば、日本ではスマホケースにストラップホールを付けるのは珍しくないですが、韓国ではそれが当たり前ではない。他にも、韓国でベストなパッケージサイズを考えてくれたとしても、日本の店頭に並べてみると他商品と比べて大きさが浮いてしまったり、ECでのメール便発送に対応できなかったりといったケースがあります。
連携を進める中で意見の相違はありますが、最近はiFaceブランドチームが中心になって国内の展開を考えてくれるようになったことで、韓国との連携も徐々にいい形になってきています。
野球少年が出会った「ものづくりの面白さ」
―中田さんご自身の経歴について、教えてください。
中田:私は2011年4月にHameeに入社して、セールスマーケティング部(主に卸を担当する営業部署)で東急ハンズさん、キデイランドさんなどを担当し、約10年間営業をさせてもらいました。そして昨年商品開発部に異動し、今年5月から同部署のマネージャーに就任しました。
ー営業と商品開発だと、業務内容も考え方も全く違うと思うんですが、戸惑いはなかったですか?
中田:なかったですね。というのも、もともと、モノづくりには興味があって、いつかモノづくりに携わる仕事をしたいと思っていたんです。
きっかけは高校生の頃。毎日、野球しかしていない野球少年だったんですが、同級生の知り合いにあるスポーツメーカーの商品開発の方がいて、「今度うちのメーカーで新たに野球のスパイクを作るから、モニターをやってくれないか」と言われたんです。
一定期間そのスパイクを使用した後、フィードバックのために、ホテルのディナーに招かれました。向こうは担当の方、現地のデザイナーさん(アメリカ人)、通訳の方がいて、対してこっちは一人。制服に下はアンダーシャツっていう、全然その場に似つかわしくない出で立ちでした(笑)。
単純に商品の使用感などを伝えるだけだと思っていたんですが、デザイナーの方がスパイクと全然関係ない、スポーツカーや日本刀などの写真をパッパっと一枚一枚見せながら、「これのイメージってどう?」「何が連想される?」って質問してくるんです。
それに答えていくと、最後にスパイクの写真が出てきて、「ここの部分にスポーツカーのこういう要素を取り入れているんだよね」と、説明を始めてくれて。
その時に「モノ作りってこんなふうに考えているんだ」って感銘を受けたんですよね。そこから、いつかはモノづくりに携わる仕事をしたいと漠然と考えるようになりました。
なので、それに近い仕事ができている今の商品開発部は新鮮で楽しいですね。入社して10年経ち、今期はなにか新しいことに挑戦したいという思いも強かったので。
ーなるほど。でも、入社当時は営業だったんですよね?最初から商品開発部希望ではなかったんですか?
中田:モノを作るにはまず商品を売らないとって考えていたんです。ましてや自分はデザイナーでもない、絵を描いたりといったセンスもまるっきりないので、その分誰よりも商品のことを深く詳しく知って、将来的にそういった知識や経験をモノづくりに生かしていけたらいいなと思っていました。
入社当時は、小田原の本屋さん、上野のおもちゃ屋さん、箱根大涌谷のお土産屋さんなど、場所も種類もいろいろなお店を担当していました。近隣の店舗への商談時には本社で朝礼だけ出て、終わったと同時に車に商品を詰め込んで、お店に納品・陳列して、次の注文をとってっていう営業もしていました。
その時からすごい意識していたことは、他社商品をよく見ること。陳列している時に他社の売れている製品があると、やっぱり気になって。「なんで売れているんだろう?」って感じたら、店舗のスタッフさんに聞いたりしてましたね。
実際にどういう人たちが買っているのかも教えてもらえるので、そういった情報を次の営業機会に活かしたり、Hameeにないものであれば当時の商品開発担当のメンバーに、取扱い検討の提案や仕入れ担当のメンバーに仕入れ検討の提案をしていました。
他社商品を見る習慣は今も全く変わらないですね。気になれば自分で買っちゃいますし。そこは面倒がられるくらい、商品開発部のメンバーにも「他社商品を見てほしい」と伝えています。
ーそのほかに、今も役立っている営業の経験ってありますか?
中田:お客様と近い距離で仕事ができたことですね。営業をやっていると、取引先の方はもちろん、買ってくれるお客さんの生の声を聞くことができます。それに、実際にお客さんが商品を手に取ってくれているシーンを見ることもあります。
今でこそ、HameeでもiFaceなどのブランドごとにファンの方とのオンラインミーティングを開催するなど、お客様との接点は増えていますが、当時はお客様との接点というと、商品の仕様に対するお問い合わせが多かった。
その点、商品に興味を持ってくれた方や購入される方を間近で見る経験をしてきたので、商品開発においても、最終的にお客様にモノを届けるイメージがしやすいですし、今も生きている部分かなと思います。
ーデザインやモノづくり経験がない中でのマネージャー業務は大変な部分も多いと思うんですが、いかがですか?
中田:大変というよりは、メンバーからまだまだ営業だなって思われている部分は大いにあるかもしれません(笑)。どうしても営業的な視点での話は多くしてしまうので。ただそういった経験や目線があるからこそサポートできる部分も多いように感じていて。その一例として、今年6月に3Dプリンターを導入しました。
一時期、3Dツールに詳しい韓国メンバーが講師になって、商品開発部向けに使い方のレクチャーをしてくれていたんです。それで本機を導入する方針は決まっていたものの、肝心の導入時期などは一切決まってなくて。実践できないのであれば早く導入した方がいいと考えて、マネージャーに就任後、早々に営業経験を活かして上の人たちに交渉してすぐ導入してもらいました(笑)。今は商品開発のサンプル製作などに活用しています。
▲3Dプリンターを使用する商品開発部メンバー
あとは、例えば、この商品の原価をもう少し安くできたらなぁとか商品調達前での課題はたくさんあるのですが、まだあまりできていませんね。
マネージャーとしては最低限、他社に負けない環境を整えて、メンバーに提供してあげたいなと思っています。Hameeの商品づくりの中心である彼らが存分にクリエイティブ力を発揮できるようにあらゆるサポートをしていきたいですね。
「なぜそれをHameeが作るのか?」を常に考える
ー商品づくり部署として、意識していることがあれば教えてください。
中田:新しい商品を企画・開発検討するとき、「なぜそれをHameeが作るのか?」の問いに対して「こういう理由があるからこそ、Hameeとして今開発したいんだ」と、ブレない回答をしっかり持つことが大切だと思っています。世の中にありとあらゆる商品があふれている中、その軸がないと、リリースしたとしても中途半端に終わってしまうし、埋もれてしまう。
それに、今となっては画期的なiPhoneケースを考えるのはとっても難しいと思います。そもそもiPhone自体が画期的で便利なものなので、それを超える何かって言われたら、正直全然考えられません。
でも、使う人たちにとって、「これあったら便利だよね」「この柄オシャレだよね」のプラス要素がちょっとでもあったり、世の中で連想されていないものが作れたら、それは面白いモノづくりができたってことかなと思います。
ー今後の展望を聞かせてください。
中田:iFaceに比べて、他ブランドはまだまだ発展途上段階で、できていないことの方が多いです。少しでも多くの良質な商品をリリースし、より多くの方にご購入いただける状態をつくっていくことが重要かなと思っています。難しいことですが、コマース事業部全体の売上を伸ばす上で、商品開発部もただモノを作るだけではなくてどうやって売っていくのかも含めて、考えていきたいです。
そして繰り返しになりますが、新しい商品を作るときには、いま世の中でどういうものが必要されているかを常に考え、その中でも本当にHameeとして、そのブランドとしてやることなのか。今まで以上に全体最適で考えていきたいと思います。
そのためにも、商品開発部メンバーが100%のパフォーマンスを発揮できる環境を整えて、部署としても、自分も含めて個としてもどんどん進化成長していきたいですね。
ー中田さん、今日はありがとうございました。
おわりに
商品づくりにおいて「その商品をなぜHameeが作るのか?」を常に考え続けることが大事だと話す中田さん。
広報としても、開発メンバーの熱い想いをきっちりキャッチし、商品の魅力を最大限皆さんにお届けできるよう、頑張っていかなければと思いました。
iFace、salisty、AndMesh、Hameeプロダクトと、皆さんのライフスタイルを少しでも便利に楽しく、豊かにできるような商品を今後もどんどん開発していきますので、ご期待ください!
また商品開発部の新しい仲間も随時募集しています!Hameeの商品づくりにご興味がある方、ぜひご連絡ください!
同じ商品開発部の新卒社員が書いたnoteもぜひチェックしてみてください。
執筆者PROFILE:高倉 裕直(たかくら・ひろなお)
広報・会社イベント担当。 静岡の片田舎で夫婦二人のんびり暮らし。ペットのコザクラインコちゃんと音楽が大好き。最近はNetflixの韓国ドラマにドハマり。「地獄が呼んでいる」のシーズン2が待ち遠しい。