濵野 優貴 / Hamano Masaki

公立高校教員(地理歴史科・公民科) / プロジェクト型学習 / 探究する学び / 修士…

濵野 優貴 / Hamano Masaki

公立高校教員(地理歴史科・公民科) / プロジェクト型学習 / 探究する学び / 修士(教育学) / ロイロ認定ティーチャー / Canva

マガジン

最近の記事

could be anything #7

職場の大人たちとの人間関係、職場の方針がことごとく合わず、過労と相まって、うつ病で倒れ、休職中の高校教員です。 関係のある前回の投稿はこちら。 そして、その後、抜粋ですが、管理職あてに以下の文面を含むメールを送りました👇 --- 突然倒れたのではなく、前々から何度も助けを求めていたのに無視されてきた結果です。 ここに至るまでその点の反省や謝罪は、管理職側から全くありませんでした。今後も同じような犠牲者を生み続けるのでしょう。 ひたすら「いつまで休むか決めてほしい」「

    • could be anything #6 都会型と田舎型・ゲノッセンシャフト・これからの学校

      都会型の生活と、田舎型の生活とがあると思う。実際の都会と田舎をそのまま言っているのではなく、象徴として。 ドイツの哲学者テンニースがゲゼルシャフトとゲマインシャフトと呼んだそれ、ヘーゲルがテーゼとしての家族、アンチテーゼとしての市民社会のアウフヘーベンによって人倫としての国家が成り立つと言ったそれ。 都会型: 個人、大きな人口、特定の目的や利害、契約、機能体、商業的、人為形成的、競争的、テキパキ、開放的、消費・工業生産、冷たい、洗練されている、新しい、分離、他者への無関心

      • could be anything #5 文化祭

        今日、勤め先の学校の文化祭があったので、担任をしていたクラスの発表を見に行ってきました。 この学年は、各クラスがオリジナルの振り付けや衣装で、ソーラン節を踊るのが恒例。それぞれの団のカラーに合わせてテーマを決め、振り付けや衣装、隊形移動などを工夫して臨みます。 終了後の挨拶のときには汗だくで肩で息をする生徒もたくさんいて、どれだけの思いでそこに臨んできたのかが伝わってきた気がしました。アイデアを出し合ったり、掛け声を揃えたり、本番当日に至るまでに色んな努力があったのだろうなと

        • could be anything #4 県立高校を見学

          1つ前の投稿休職してから1か月が経ちました。 近況報告を色々と。 ①滋賀県立伊香高等学校の見学滋賀県の高校で最北端に位置する伊香高校。来年度から新学科「森の探究科」を設置されます。 少人数クラスを強みにして、体験重視、教科書にとらわれない教育に取り組むとのことです。 2年生の地域文化コースと自然環境コースの授業を見学させていただきました。 特に、地域文化コース(来年度から地域デザインコースに)のフィールドワークが面白かったです。 「森の探究科」もゲストを多数招いて、手

        マガジン

        • could be anything(日記)
          7本
        • High Tech Highの実践事例集
          2本
        • 歴史教育を考える
          2本
        • 歴史とは何か
          5本

        記事

          could be anything #3 レッチリのライブで感じた、自由の美しさ

          Facebookで、自分の病状のことを公表してから、たくさんの方にご連絡をいただいています。ありがとうございます。 Zoomで人生相談をしたり、食事をしながらお話をしたりする中で、今後の進路も少しずつ見えてきました。朝のめまいや倦怠感、日中の眠気がずっと続いていますが、それでも状況は良くなってきているように思います。 同時に、知らないだけで実は同じように、うつ病や適応障害を患った経験のある人が周りにたくさんいるということも分かりました。 日本では現在、100万人以上の人がう

          could be anything #3 レッチリのライブで感じた、自由の美しさ

          could be anything #2 なぜ公立の教員になったのか

          前回  2023年度は1年生のクラス担任をしていました。HR通信を書くのが好きで、通算113号発行したのですが、そのなかで、「なぜ教員になったのか?」について2号にわたって書いたことがあります。久しぶりに読み返してみて、自分が目指してきたことを再認識しました。今回は、自己紹介がてら、それを転載します。 なぜ教員になったのか?をめぐる雑文 先月は、面談やその他の場面で、「なぜ教員になったのか?」と訊かれることが最近時々ありました。そこで、今日はそのことについて書こうと思いま

          could be anything #2 なぜ公立の教員になったのか

          could be anything #1

          日記みたいに色々と書き綴ってみることにします。 僕は、ある県の県立高校で教員をしています。 しかし、ある病気を患って、いま(2024年5月)は休職しています。今のところ、休職は7月末までの予定です。 僕が患った病気は、うつ病です。 正式に診断が下りたのは、今年の4月のはじめ。 といっても、お医者さん曰く「もっと前からそうだっただろう」とのこと。 少なくとも「これは病院に行かないといけない」と自分が自覚して、受診を予約したのが今年の1月。予約がいっぱいで、診断が下りるまでに

          【歴史総合】知識構成型ジグソー法の授業づくり① / 私の授業の作り方

          「知識構成型ジグソー法とはなんぞや?」については、既に様々なところで話されていますから、ここでは、私自身の授業づくりの手順をお話しします。 具体的な知識構成型ジグソー法の授業例1つ実践例を挙げておきます。 以下は歴史総合の単元「フランス革命の影響と国民意識の芽生え」の授業「「国民意識(ナショナリズム)」の芽生えと広がりは、どのような成果と課題を生んだだろうか?」です。有料サービスの山川二宮ICTライブラリ、高大連携歴史教育研究会の教材共有サイトに掲載されている教材を一部引用

          【歴史総合】知識構成型ジグソー法の授業づくり① / 私の授業の作り方

          【歴史総合】知識構成型ジグソー法の授業づくり② / エキスパート資料を作るときに気を付けていること①「史資料の読み解きを重視する」 / 科学的探求学習との違いと共通点

          ここでは「知識構成型ジグソー法とはなんぞや?」という点は、他の方の解説に譲るとして、私が知識構成型ジグソー法(以下、KCJ)の授業を作るうえで、気を付けていることをまとめます。 1 エキスパート資料を作るときに気を付けていること①「史資料の読み解きを重視する」私は教員が講義をしているのを文字起こししたみたいな、出典のないオリジナルな文章をKCJのエキスパート資料の題材にするのは、しないようにしています。史資料の読み解きがミソだと思うからです。 実際のKCJの授業 以下は

          【歴史総合】知識構成型ジグソー法の授業づくり② / エキスパート資料を作るときに気を付けていること①「史資料の読み解きを重視する」 / 科学的探求学習との違いと共通点

          【質問箱への回答】歴史総合の授業づくり 資料集めの方法、教育学の用語、日本史専門教員

          質問箱への回答が文字数を大幅に超えたので、こちらに回答します。 ご質問ありがとうございます。教育実習頑張ってください。 1点目:資料を集める時に参考になさっている本などはありますか? →KCJの授業づくりでは、私は次のことを意識しています。 ①キャッチーなMQ ②比較的読み解きやすいエキスパート資料 ③倫理観、価値観を問い、正解が1つに定まらない切実な議論 ①に関しては、新書、テレビ番組、大学時代の講義で印象に残っているネタなどを活用しています。 新書は、講談社現代新書

          【質問箱への回答】歴史総合の授業づくり 資料集めの方法、教育学の用語、日本史専門教員

          教育と洗脳はどう違うか?

          最初に2点。①そもそも、教育にしても洗脳にしても、人間が名付けた分類に過ぎないので、明確に「こう違う」という答えはありません。 ②よって、この問いの答えは決して1つではありません。あくまでも持論、私の感想であって、論理矛盾なり例外なりあるかもしれません。 Twitterの投稿。どんな意見があるのか気になったのと、自分があとでこれについてまとめようと忘れないためのメモとして、試しにツイートしました。すると、たくさんの興味深い考えを聞くことができました。リプライや引用RTをご覧

          教育と洗脳はどう違うか?

          意見の異なる人との対話、合意形成は必要か?

          私は、公立高校で地理歴史・公民科を担当している教員です。以前は、私立の大学系列の中学校で働いていました。この記事のテーマは「意見の異なる人との対話、合意形成は必要か?」です。 結論的には、「要らないと私は思う。でも、意見の異なる人との合意形成を重視しなければ万事うまくいくとは限らないし、それなりに大変。それでも私は、合意形成を重視するよりは良いと思っている」といったことです。それを長く書いています。 1 意見の違う人との対話に疲れた ちょっと前までは、話しかけられたら、受

          意見の異なる人との対話、合意形成は必要か?

          高校で古文・漢文が必修じゃなくなる?! デマを垂れ流す謎の人物のこと

          1 Twitterで話題になったあるツイート2022年9月24日(土)、こんなツイートが少し話題になった。削除されるかもしれないので、引用もしておこう。 このツイート皆さんはどう思っただろうか? 「古典の学習をやめるなんて、けしからん!」「役に立たないものはなくすなんて、文化が貧相になる!」という意見、「実際、古典は使わないし要らないと思う」「それも時代の流れ」という意見、いろいろあるだろう。 実際こんなリプライがこのツイートには届いている。 しかしながら、実はなんとこの

          高校で古文・漢文が必修じゃなくなる?! デマを垂れ流す謎の人物のこと

          プロジェクト型学習の事例#2 飛行物体を作る。デザイン思考プロセス。

          アメリカ合衆国のチャータースクールHigh Tech Highのwebサイトに掲載されている実践事例を整理するnoteです。 A Fight With Gravity(重力との戦い)物理学,数学,芸術 高校 (9-12) 内容 生徒は、凧、気球、その他の自作の飛行物体を使用して、物理実験を行い、記録する。 クラフトマンシップを育成する。実験・観察を通して理解した、地球の引力について文書化・言語化する。 ①最初の 4 週間 - 凧 2 人チームで、凧とノートを受け取

          プロジェクト型学習の事例#2 飛行物体を作る。デザイン思考プロセス。

          プロジェクト型学習の事例#1 環境問題をテーマにしたSF映画製作。しかも外国語で!

          アメリカ合衆国のチャータースクールHigh Tech Hgihのwebサイトに掲載されている実践事例を整理するnoteです。 自分のメモを兼ねて公開します。 ¿Dónde Está el Niño?(エルニーニョはどこだ?)人文科学,数学,科学,世界の言語 11年生(高2) 内容 エルニーニョや異常気象などの自然現象を研究し、SFのショートフィルムを作る。スペイン語と英語のバイリンガル映画にする。 サンディエゴ ラティーノ フィルム フェストの「ユース ショート ナラ

          プロジェクト型学習の事例#1 環境問題をテーマにしたSF映画製作。しかも外国語で!

          探究的な学び・PBL(プロジェクト型学習)の教材共有の仕組みを作りたい

          このnoteを投稿したのは、次のような仕組みを作りたいからです。自分用のメモも兼ねて公開します。 校種や教科・科目を問わない探究的な学び・PBL(プロジェクト型学習)の教材共有システムを作りたい。 背景は「探究的な学び」の設計が教員・学校に求められること。様々な探究的な学びの実践事例を集約し、ヒントを得る。 LINEオープンチャットやFacebookのグループ、Twitterのコミュニティでユーザーを募る。参加者にリンクを共有し、投稿や閲覧ができるようにする。 自由に

          探究的な学び・PBL(プロジェクト型学習)の教材共有の仕組みを作りたい