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LA旅行記 5日目(聖地④)

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ハモサ・ビーチのホリデイ・イン

ビーチまで徒歩10分ぐらいのこのホテル、なんと駐車場も朝食も無料。朝食終了時間にギリギリすべり込んで軽く食べました。もう洋食に完全に飽きていて、ずっと吉野家の牛鮭定食のことを考えている。何でもいいから出汁っぽいものが食べたい。

この後フォーク折れた

今夜もここに連泊します。2泊で480ドル(66,700円ぐらい)。

ビーチまで散歩

昨日は着いたのが夕方で天気もあまり良くなかったので、今日もビーチまで散歩してみよう。完全にこの街の雰囲気が気に入っているわれわれ、昨日からことあるごとにダイヤモンド野澤輸出の口調で「アメリカの、カリフォルニアの、ロサンゼルスの、ハモサの、ビーチだろーっ!」って言っている笑

ビーチまでの道には一軒家やアパートが立ち並んでいて、家の前にはサボテンや多肉植物がきれいに植えられていて最高。途中で売りに出ている家があって、彼女は「うわ!この家買おう!」と言った勢いで思わず手に持っていたコーヒーをこぼしてしまって、ひとりで爆笑している。

北社長、でもお高いんでしょう?

「あのー今回これ、ハモサビーチのー小ぢんまりとした一軒家なんですけどー、このエリアっていうのが最近すごい人気でー、あの今回出てきたのがまっ1961年築でちょっと古いんですけどー、3ベッドルームでー、敷地の広さがこれ、370平米……あってー、ギリギリのお値段でぇ………これー、約2億4千……950万えぇ〜ん」

昨日見たら「契約中」になってた

帰国後、住所+saleで検索してみたら不動産サイトが出てきて、180万ドルを円換算したときのかなしみ。MEGA BIGを当てるしかない!このエリアの他の家もいくつか見てみたけど、ビーチの目の前だとMEGA当たっても買えない1000万ドル超えもちらほら。

ビーチにしばし座って海とカモメを眺めた。何か釜山で見たカルメギとまた違う種類な気がするな。昨夜は閉まっていたピアが遠くに見える。よーく見てみると「あれ、人が歩いてね?昼は開いてるんや」ってなって今日もピアまで行ってみることにしました。

ビーチと住宅の間の道を北に向かって歩く。途中、テラスでチルしていたおばあちゃんと目があったらまあドヤ顔がやばくて、いま考えたら10数億千万円の家に住んでいる人だったんだなあと納得。おーくせんまん、おーくせんまん…

ライトハウス、昨日はありがとう
このへんは壁画が多い

この絵の右上にトマス・ピンチョンの本「インヒアレント・ヴァイス」が描いてあった。読んでないけどLAが舞台の探偵風物語で、2014年にホアキン・フェニックス(ジョーカーの人)主演で映画化されたのを見て、めちゃ好きだった。そして挿入歌が昨日ライトハウスで盛り上がったサム・クックの「ワンダフル・ワールド」なんだよ!そんな偶然ある?Why so serious?

予告編でもフィーチャーされていて、最後の30秒ぐらいワンダフル・ワールドが流れます。

シーフード屋でランチ

ピアに行く前にビールでもしばこうか。ライトハウスの向かい側にあるプラヤ・ハモサ・オイスター・アンド・フィッシュという店に入ってみる。うちらの席の目の前ではバスケ大好きおじさん3人(たぶんみんな初対面)がシクサーズ対セルティックスを見て盛り上がっている。1人は膝にバスケットボールのタトゥーを入れていて、みんな「クールやなあ」と言っていた。

LAにはレイカーズファンがほんとに多くて、車にマグネットや旗がついているのをよく見る。NBAと野球は1度見に行ってみたいね。下の写真のおじさんに「君たちもしかして日本から来たの?」って話しかけられて、少しだけ八村の話をした。

今回の旅行で、日本人かと聞かれたのはこれが最初で最後だった。旅行者かとも1度も言われなかった。いろんな人がいすぎて、人種・ファッション・タトゥーなど含め、どんな人もただそこにいる1人の人間として扱うのがカリフォルニア流な気がする。中学高校の理不尽な校則が大嫌いだったのだけれど、ここで育ったらそのへんの苦悩はなかったかもしれないな。多様性。

バスケ大好きおじさんの1人
オイスター・ロックフェラー、フィッシュ・アンド・チップス
マザー2のサマーズにいそうな店員
料理がぶれていたのでもう1枚
店内には牡蠣と地図をモチーフにした絵がたくさん

ビールも料理もとてもおいしかった。フィッシュはやや赤みがかった謎の白身で、名前を聞いてみればよかった。ビール2杯と2品とチップで約80ドル(=11,098円)。いつか2億5千万円の家に住んで、毎日ランチに1万円使うんだ。

雨ガホトンド降ラヌ土地ノ
海ノソバノ家二住ミ
毎日昼食二1万円ヲ使フ
サフイフモノ二
ワタシハナリタイ

ハモサ二住ミタ匕 - ハモ沢ケンヂ
店の横の壁画

ハモサ・ピア

数軒隣の店のテラスではおじさんがライブをやっていて、Oasis(オエイシス)のワンダーウォールを歌っている。昨日、ライトハウスのシンガーもこの曲をやっていて、そのときだけはみんな盛り上がっていた気がするし、アメリカでは人気曲なのかな。

砂浜の幅エグい
太平洋の波エグい
ついに来ました

昨夜は入れなかったピアに入れました。ここで撮影されたLA LA LANDの名シーン、「シティ・オブ・スターズ」をかけながら先端まで歩きます。釣りをしている人もたくさん。


はい、おっぱっぴー!

これをずーっとまっすぐ行ったら日本にたどり着くのか?

世界最大の海はカリフォルニアのモントレーに始まる、もしくは、そこで終わる。

「太平洋ラジオ火事のこと」- リチャード・ブローティガン『芝生の復讐』より

果てしない水平線と印象派の絵のような空を見て、この一節をふと思い出します。ブローティガンは本当に心の底から好きな作家で、英語でも日本語でも繰り返し読んでいる。湘南と茨城の太平洋に行ったこともあるから始点と終点を完全制覇だな。オーシャン・パシフィック・ピース。

リチャード・ブローティガンが自分の頭に44マグナム弾をブチ込んで自殺した1984年9月16日はおれの生年月日で、最高の短編集「芝生の復讐」「アメリカの鱒釣り」含めほとんどの作品を翻訳しているのは大学の学部の大先輩であるらしい藤本和子さん。そんな偶然ある?I’m so serious.

かばさん、亡命する

さて、いったんホテルに戻りますか。行きはビーチ沿いを歩いてきたので、帰りは街よりの方を歩こう。途中で緑がいっぱいの遊歩道的なところがあらわれたのでそこを歩いていると、マリアン・ウィルソン・バタフライ・ガーデンに入りました。ちょうちょはいなかったけど、かわいい草花がたくさん。

マリアン・ウィルソン・バタフライ・ガーデン
かばさん最後の1枚

写真を撮ってホテルに帰っていたら、かばをさっきのベンチに置いてきてしまったことに気づいて、急いで戻った。その間約15分ぐらいだったのですが、もういなくなっていました。

忘れてきた自分にめっちゃへこんだけど、何かトイ・ストーリー的なことが起こったとしか思えなくて、この辺のお金持ちに拾われてたらいいなあと願うばかりです。君もハモサに住みたかったのか?

KIA Forumに戻る

ホテルで少し休んで、KIA Forumに向かいます。SUGA | AgustD LA公演3日目のチケットも勢いで買ってしまっていた彼女、今日はソロ参戦なので送っていった。20分ぐらいで着いて、ホテルにとんぼ帰り。

おれはマジックアワーのハモサ・ピアに行ってシティ・オブ・スターズしようと思ってたんだけど、あいにくの天気。常夏でいつも晴れていると思っていたLAは毎晩肌寒い。昨日彼女の友だちが「数年間住んでるけどこんなの初めて」って言ってたし、異常気象なのか。

諦めて仮眠した

ピアは諦め、1時間ぐらいごろごろして、30分ぐらいうとうとして、またフォーラムへ車を走らせた。到着して指定のピックアップスペースに車をとめ、アンコールの音漏れを少し聞いて、彼女が帰ってきました。今日の一大事件はHalseyがゲスト出演してSuga's Interludeを演奏したこと。

SUGAとHalsey

そして初日と逆サイドの席なのに、今日もピアノがこっち向きだったらしい!強運すぎるだろーっ!

「いつも私の方を向いて歌ってくれる♡」

ハモサの夜

セブンイレブンでおつまみなどを買って、ホテルに戻ってきた。夜のビールはクアーズにしてみました。そしておれはもうカップラーメン以外何も食べたくなかった。いつかモニュメント・バレーに行くときは日清カップヌードルを絶対に持っていくんだ。

クアーズ、ペパロニ、チーズとレーズン盛り合わせ的な
安定の農心

ずるずるっ!ああ、こんなに美味しいものがこの世の中にあったのか。むさぼり食って、ふだんはほとんど飲まないスープもけっこう飲んだ。チキヌルス!チキヌルス!(♪Chicken Noodle Soup by J-Hope)間違いなく、アメリカで食べた中でいちばんおいしいものはこれだった。アジア人であることからは逃げられないんだなあ。

あちこち旅してまわっても、自分自身から逃れることはできない。

アーネスト・ヘミングウェイ「陽はまた昇る」

6日目に続く

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