詩を書いてみた
note毎日更新は600日以上継続している。ネタがスパッと決まった日はいいが、時間に追われて“やっつけ”で書いたものをアップする日も多い。それでも「つくづく自分は文章を書くこと、読むことが楽しいんだな」と実感する。
しかし、「詩」だけは苦手である。
教科書で文字がスカスカの詩ページに遭遇すると、学びも楽しみも得られず、「一体、これをどうしろというのか?」と呆然。怒りすら覚えたものだ。長じてからも、谷川俊太郎や茨木のり子の作品に「お、なんだかちょっと面白いかも」と心に触れるものをぽつりぽつりと見つける程度。
業務で発行する紙媒体に詩を掲載しなければならない。詳細は明らかにできないが、発行部数は1万以上で、伝統媒体の題字も拝借する立派なものになる。販売することはなく、関係者への配布が目的だ。
さて、誰が書くのか?
オフィスの皆が尻込みするばかりで、〆切がどんどん迫ってくる。空白のまま発行するわけにはいかない。仕方がないので「じゃ、私が書きます」と手を挙げた。ホッとした同僚は異口同音に「どーぞ、どーぞ」。キミたちはダチョウ倶楽部か?
紙面構成は簡単な住所、氏名、年齢を載せる形だ。「なるほど、定年退職直前だし、この紙媒体に自分の“足跡”を残すのもいい思い出になるわい」と前向に考えることにした。
規定は「一行10文字、14行以内」という。いざつらつら書き始めてみると「10文字」はおそろしく短い。
「適当に改行すりゃあいい」というものでもないだろう。とにかく極限まで言葉を削ぎ落とす。やってみると、これは通常の文章執筆(noteだけでなく業務メールなどを含む)とはまった違う頭の使い方だ。下書きを推敲する作業にも近く、なかなか面白い。「ああ、俳句や短歌の愉しみもここにあるのだな」と気がついた。
まあ、だからといっていきなり俳句を趣味にしちゃうことは慎んでおく。これが大人の嗜みというものだ。
(23/3/1)
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