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誰かの言う幸せではなく、自分にとっての幸せを見つけられる人に。

2020年をもって、大企業の会社員であることを辞めた。

十数年間つみ上げてきた、大きな組織で働くという経歴はいったんリセットになる。

じゃあ2021年は何をやるのか?独立してからやることは決まってるのか?というと、なーんにも決まってない。

思えば、IT系大企業のキャリアを歩み始めたのは、新卒の就活で第一志望だった会社に入ってからだった。

就活を始めた当時は特定の業界に興味があったわけでもなく、「まだ働いたこともないのに、仕事でやりたいことなんて語れない」と思ってひたすらに、いろんな会社の先輩たちにOB訪問をした。

食品、銀行、保険、印刷、商社、コンサル、ベンチャー・・・いろんな業界の企業を片っ端から見て、応募して、面接を受けて。

その中で一番、自分が働くイメージが持てたのが、後に入社することになるIT系内資企業だった。

結局10年間はその会社で働き、2回の育休を取らせてもらって、たくさんの経験をさせてもらったわけだけど。

今思えば、大学3年で20代そこそこの若者に「どんな仕事がしたいか」なんて考えることができるのだろうか。

例えば学生起業ですでに社会を知っているようなケースであれば別だろうけど、私の場合は過干渉な親に育てられた一人っ子で、社会との接点は学生バイトくらいしかなかった。

最終的にIT系大企業への内定を決めたのも、就活でベンチャーの選考が進んだとき、親から止められたからだった。

「こんな小さな会社じゃ、どうなるかわからない。入社してすぐ会社がつぶれてしまったら、そこから先にどこで働けるかもわからないでしょ?安定した企業に勤めたほうがいいよ」

父親は大手メーカー勤務、母親は専業主婦のごく普通の家庭で育てられた一人娘の私は結局、大手企業の選考しか受けなくなった。大学のサークル仲間も、ほとんどが大手企業へと就職を決めた。

私の知る世界は、本当に狭かった。

小さい頃から勉強が得意だったこともあり、いわゆる優等生だった私は、よりよい成績をとること、よりよい学校に行くことがアイデンティティだった。文武両道でスポーツも頑張って、そこそこの戦績も出した。親も周りの大人も応援して、その結果に喜んでくれたから、それに応えたかった。期待に応えられる自分のことを、誇らしいとさえ思っていた。

その延長線上に大手企業への就職があったし、その先に結婚があり、出産と育児があり、ワーキングマザーとしてのキャリアアップがあった。

私に見えていた一本道は、かつて親や周囲の大人から見せられていた青写真の中に描かれていたものだったが、本当に自分の望むものではないと気付き始めたのは、息子を出産したときから。

「この子には幸せになってほしい。子どもに幸せになってほしいなら、まずは私が幸せにならなきゃ、何が幸せか教えてあげられないよね。」

そんな風に思ったら、見える世界が少しずつ変わっていった。

自分が信じていた世界が変わってしまうのは、時に苦しさも覚えたし、真っ暗闇の中にいる気持ちにさえなって、絶望したことだって何度もあった。

天が回ってると信じていたのに、実は足元にある地面が回ってるんだって気付かされた人たちは、こんな風に眩暈を感じたのかな。気付かなければよかったのにと、自分を呪って消えてしまいたくなったことも、数えきれないほどあった。

だけどこれまで思い込まされていたことや、大事だと抱え込んでいたものを一つずつ見直して、手放して。

気付けば今私の身の回りにある物は、実家から持ってきたものはほぼ何もないし(あるのはソウルメイトのぬいぐるみくらい笑)、大企業の会社員という肩書すら捨ててしまった。

子どものころから信じ込んだ一本道を外れた今は、肩の荷が下りてなんだかホッとしている。もちろん、将来への不安がないといえば嘘になるけど。自分を幸せにする、はじめの一歩を踏み出せた気がする。

会社員時代には平日9:00~18:00を仕事に費やしていたけれど、その時間でこうして自分と向き合い、noteを書くことができているんだから。

自分を変えたければ、まず環境を変えてしまうのが手っ取り早い。

今思えば、親も周りの大人たちもきっと、自分たちの考えうる最大限の幸せを提示してくれてたんだろう。

だけど一言でも「これは私にとっての幸せだけど、あなたにとっての幸せは何?」と、投げかけてくれたらよかったのに、と思う。

だから子どもたちには、自分の好きなことや嫌いなこと、得意なことや苦手なことを自分で見つけてほしいと思っている。その延長線上に、自分にとっての幸せがきっと見つかるはずだから。

中には勝手に見つけてくる子もいるんだろうけど、私の子どもたちはかつての私みたいに、誰かの言う幸せに身を委ねてしまう血も、多少なりとも流れているだろうから。

これからも私は自分の幸せを探し続けるし、子どもたちには自分の幸せを見つけられるように手助けをしていきたい。

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