![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/52980910/rectangle_large_type_2_c55638af360f50262863c5f068fa6edf.jpg?width=1200)
【さっき見たヘンなユメ】カタストロフィ
C級SF映画のセットのような安っぽい作りの未来都市で、私は逃げまどう群衆の中にいた。何から逃げているかわらかなかったが心底恐ろしい気分で、逃げないと死ぬということだけは確信していた。
ビルの中を抜けて、別のビルにつながる広い連絡通路に差しかかった時、天井を突き破って上空から金属のスフィンクスが二体姿をあらわした。
数百人あまりの人だかりにいたので、連絡通路を渡りきるまでに自分が襲われる確率は相当低いだろうと思っていたら、スフィンクスは二匹とも一直線にこちらに向かってきて、私は右胸を噛みつかれてしまう。
胸から脇腹にかけてぱっくりと傷口が開き、砕けた肋骨の隙間からむき出しになった肺や気管支に、金属コイルのような細長いスフィンクスの歯が何本も絡みついている。私は「ちょっと待ってくれ」と言いながらカバンから痛み止めを取り出して服用し、近くにあった鍵修理屋に逃げ込もうとした。
ところが唐突に大型ダンプトラックが水たまりの上を通過していき、ものすごい水しぶきがかかった勢いで、鍵屋のシャッターが閉まってしまう。
そこで私は目が覚めた。
©2021 halflung, all rights reserved.
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?