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理由がないと会えないということ

相手と関係性が近くなるにつれて、もっと相手のことが知りたくなる。

話したいことがたくさん増える。
相手は、それをどんな顔をして聞くのか、どんなふうに反応してくれるか、毎日毎日楽しみになる。

とある日。
互いの都合が合わず、なかなか会えない日が続いていた。

まだその頃、相手との関係性もそれほど近くなかったから、会う理由を考えないといけなかった。

ごはん食べた?一緒に食べよう。
あの映画みた?一緒にみよう。

二人の関係性

夜の短いひと時を一緒に過ごす理由なんて限られている。

ああ、理由がないと会えないのか。

これに気づいたとき、私は驚愕した。

一緒に過ごす理由。

人との距離はすぐには詰めることができない。
相手への関心がきっかけになって、相手が所属しているコミュニティに興味を持ち、触れる。

そして相手へのリスペクトが生まれ、もっと深く、たくさん相手のことを知りたくなるし、自分のことももっと知って欲しいと思う。

そんなプロセスを経て、お互いの距離は少しずつ近づいていく。

自分が変わることで見えるもの

関係性が近くなってくると、そのうち会うことに理由がいらなくなる。
ただ一言、今日は何時に終わるよ、とだけ連絡が来るようになる。

一見ぶっきらぼうな一言は、視点を変えると関係性の変化と捉えることができる。

会う理由を持たず、一緒に過ごすことが当たり前になる関係。

無理したり意識して作ってきたわけではない。
でもケンカしたり、甘えたり、そんな毎日の中で相手を理解することを諦めず、少しずつ作ってきた関係。

その結果、だんだん近づいていく距離。

日常の渦の中にいると、相手との関係性が変わっていることを意識するのが難しい。

いつのまにか二人の距離が離れたり、近づいていたり、役割が変わっていたり。

自分も相手も外界の価値観に触れ、どんどん変している。

前より少し変化した今の私は思う。

あのとき、会う理由を持っていなかったのではない。

会いたい。

理由としては十分なことに気付いていなかった。
私の「会いたい」が相手にとって会う理由になるかもしれないことに気づいていなかった。

やはり考えることで自分は変われるし、変えることができる。

そうすると見えなかったものが見えてくるのだ。

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