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『岩倉アリア』作品紹介・レビュー(評価/感想)・インタビューまとめ。百合好きのみならず、“女と女の物語”を求めるすべての人のために


■はじめに

『岩倉アリア』はMAGES.が2024年6月27日に発売したNintendo Switch向けのノベルゲームです。

本作は、高度経済成長期である1966年の日本を舞台に、二人の少女の生き様と運命を描くサスペンス・ヒューマンドラマです。岩倉家の美しい屋敷で出会う主人公・壱子と『岩倉アリア』――彼女たちの絆を時に深め、時に壊す、大きな秘密や思惑――登場人物それぞれの複雑な心の動き、波乱の展開を追う濃厚なストーリーは、プレイヤーの心をも1966年の「あの夏」へ誘います。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000087.000046985.html

“リアルファンタジー・サスペンスADV”を銘打ち、その核を成す要素として、ふたりの女性のあいだに生まれる絆と、(決して美しいばかりではない)感情を描いた本作は、筆者を含む“女と女の物語”を求める多くのユーザーの心を捉え、高く評価されてきました。ゲームライターとして活動している筆者は素晴らしい作品に報いるべく、レビューの執筆や企画・シナリオを手掛けた午後ねむる氏へのインタビューなども行わせていただきました。

2024年も年末に差し掛かり、ネット上では少なくないユーザーが本作に対する想いを語っている様子が読めるようになってきています。しかし、「まだ足りない」とも思うのです。『岩倉アリア』はもっともっと広い客層に届きうる作品なのではないか? というのは、本作に心酔したユーザーならば、その多くが感じるところのはずです。“百合を超えた作品”みたいな物言いは決してすべきではありませんが、“女同士の関係を百合という枠組みに押し込められたくはない”人にこそ刺さるものが『岩倉アリア』にはあるはずだとも思うのです(筆者は百合が好きなのであまり説得力はないかもしれませんが……)。

そしてなにより、もっともっと多くの『岩倉アリア』を語る言葉が読みたい。まだ本作に与えられていない、けれど本作を語るのに相応しい語彙が『岩倉アリア』にはあるのではないかと感じてやまないのです。個人的な希望で言えば、フェミニズムの文脈から本作を評する文章はとくにこれから増えてほしいもののひとつです。

そのために、ゲームライターの立場を使って現状で出来ることはある程度終えた筆者に、いちファンとしていますぐ出来ることは“現時点での『岩倉アリア』を巡る言葉の集積”なのではないか? と思い立ったのがこの記事を作るに至った動機です。

すでに世に出ている素晴らしい“『岩倉アリア』を語る言葉”の数々を、各々が広大なネットの海からひとつひとつ拾い集める手間を取り除くこと。それがわずかでも本作にこれから触れるべき人を導き、本作に心を奪われた人を助け、まだ欠けている“『岩倉アリア』に与えられるべき言葉”を探るための手掛かりになれば……(あわよくば筆者が担当した記事(とくにインタビュー)がもっと読まれてほしいという下心も含みつつ……笑)。また、2024年時点ではNintendo Switch向けにしかリリースされていない本作が将来的にほかのプラットフォームへと移植され、より多くの人の手に渡るようになった場合の道標にもなれたとしたら、いっそう嬉しいです。

公開時点では、本作の基本的な概要が掴める紹介記事、ユーザー視点で『岩倉アリア』を論じているレビュー、そして開発スタッフ・キャストのインタビューの大きく分けて3つのジャンルの“『岩倉アリア』を巡る言葉”をまとめています。掲載する記事もジャンルも、これから増やしていくかもしれません。たとえば二次創作とか。「これも掲載してほしい」といった要望があれば、自薦他薦問わずコメント欄やTwitterアカウントへのリプライ・DMなどに寄せてもらえると助かります。

それから現時点では本作が深く刺さるであろう人へのいわゆる布教も兼ねた記事であるため、いったんレビューの掲載はポジティブ寄りな評価をしているものに限らせていただいていますので、その点もご了承ください。


■紹介記事

『岩倉アリア』情報まとめ(ゆりりかる)

ミステリーADV『岩倉アリア』公式が「百合ゲーですか?」の問いに回答。女性同士の(恋愛を含む)感情は大きなテーマのひとつ(ファミ通.com)

【ネタバレあり】『岩倉アリア』が百合ゲームかどうか気になっている人向けの記事(note)


■レビュー

私を救ってくれる物語(Amazonカスタマーレビュー)

『岩倉アリア』評価・レビュー|忌まわしき旧家を舞台にした耽美ガールズラブサスペンス【感想】PR(ゆりりかる)

[レビュー]存在と存在が結びつくことによる解放。百合ファンもノベルゲームファンも,今すぐ「岩倉アリア」に触れるべき(4Gamer)

[プレイレポ]美少女のお嬢様と奇妙な屋敷で過ごす夏。MAGES.の完全新作「岩倉アリア」は,フルボイスのリアルファンタジー・サスペンスADV(4Gamer)

【吉田輝和の絵日記】1960年代を舞台とした百合サスペンスADV『岩倉アリア』旧華族のお嬢様とその家に隠された謎を追う(Game Spark)

「岩倉アリア」レビュー:「マイ・ブロークン・マリコ」「夢の国から目覚めても」「お嬢さん」などに通じる、いま触れるべき女性同士の恋愛と連帯の物語(Gamer)

あの百合作品もすごい! 2024上半期(note)

『岩倉アリア』プレイ感想(note)

1966年、夏「岩倉アリア」(note)

リアルファンタジー・サスペンスADV『岩倉アリア』クリア感想(note)

『岩倉アリア』をプレイして、映画『お嬢さん』のような耽美な世界で、シスターフッドに浸る(はてなブログ)

【クリアレビュー】『岩倉アリア』これは私たちの物語 21世紀を照射する名作【ニンテンドースイッチ】(いちごうのゲームビート)


■インタビュー

妖艶な雰囲気のアドベンチャーゲーム『岩倉アリア』シナリオ担当午後ねむる氏が「女性をきちんと人間として描きたかった」と語る電ファミ独占インタビューを公開(電ファミニコゲーマー)

「岩倉アリア」午後ねむる氏インタビュー【前編】(ネタバレほぼなし):百合・シスターフッドで彩られた物語が、なぜMAGES.から生まれたのか?(Gamer)

「岩倉アリア」午後ねむる氏インタビュー【後編】(ネタバレあり):「“いっしょに罪を背負う”みたいな人生をふたりに歩ませるわけにはいかない」(Gamer)

テレビゲーム作者の声『岩倉アリア』(Joshin webショップ)

『岩倉アリア』キャストインタビュー(公式サイト)

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