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薄楽詩集

40
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2023年3月の記事一覧

【詩】川辺のあざみ

【詩】川辺のあざみ

おれさ、じつは 気まぐれで できたらしいんだ
ねえ あんた それって 子どもほしくないってこと
それがさ 夕まぐれの子だってさ
あんたは 夕まぐれの気まぐれでできたってわけ
まあね 今のように さわさわ 川の音がしていたらしいよ
それで わたしを 川のようだっていったのね
野あざみが咲いていたんだって
見えないわ
日が少し濃く残っている あのあたり
見えないわ
五月の夕まぐれは気まぐれなんだ
いい

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【詩】二十歳のアネモネに

【詩】二十歳のアネモネに

二十歳の君を画いた
どうしたらいいのか わからないままに 生きて 話した
二十歳の君の裸を画いた
二十歳の君は自由のコルセットをはずし 
ぼくの赤い十字軍となった
ただそれだけだ

二十歳の君を画いた
互いの言葉にアンダラインを引き 理解し合えないまま 話した
二十歳の君の無垢を画いた
二十歳の君は月と語る露となり
東雲の空に消えていった
ただそれだけだ

翻訳不可能な川の両岸に ぼくらは 立ち

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【詩】わすれな草より

【詩】わすれな草より

すこし消してみた なにを

すこし消えた なにが

あなたとあたし でした

嫉妬してみました だれに 

あなたをすきなあたしに

あたしは だれですか 

あなたのうしろにいるあたしです

すこし消してみた なにを 恋を そうしたら

すこし点きましたわ なにが あい が

そう なんでも すこしずつが いいわ

わかれるのも すきになるのも

おたがい こわれないように しましょう

しっと

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