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CVを高める10の手口を解説!手口5 不安を先回りして安心を提示する「先回り約束」

こんにちは!博報堂プロダクツ コピーライターのNamiokaです。

「ことばのUXラボ」では、UXライティングの研究としてさまざまな企業・サービスのWEBコンテンツをチェック。気になる事例を持ち寄って、日々議論を重ねています。

今回は、「誰でも使える!CVを高める10の手口」シリーズの5回目。
10の手口もいよいよ折り返し地点までやってきました。
今回は、不安を先回りして安心を提示する「先回り約束」をご紹介します!

今回の登場人物
Takatani(ベテランコピーライター)・Namioka(出張ばかりのコピーライター)・Shirane(新しめのコピーライター)の3人でお届けします!


「先回り約束」ってなに?

例えば、はじめて会員登録するサイト、はじめて使うECサイト。
読み進めるにあたっていろんな疑問がわきませんか。
会員登録は必要なの?送料はかかるの?日時指定はできるの…?

ユーザーのモヤモヤをそのままにして話を進めると、
小さな不安や疑問が障壁となって離脱につながってしまいます。

そんな時に、ユーザーの気持ちを先回りして
「まぁまぁ落ち着いて…会員登録は不要だよ、送料は無料だよ、日時も指定できるんだよ」と安心できる事実をそっと教えてあげる。
そんな優しさと気遣いのUXライティングを、私たちは「先回り約束」と名付けています。

離脱も防ぎCVを高める二刀流の「先回り約束」。ぜひ、チェックしてみてください。

不安を先回りして安心を示す

Takatani:先回り約束のマイクロコピーをよく見かけるのは、会員登録が必要な時だよね。

Shirane:この前見て印象的だったのが、家電を販売しているこのECサイトです。

Shirane:ユーザーが気になる送料・お届け日・返品対応などの「先回り約束」はもちろん、このECサイトでは「送料無料、最短で翌日に『非接触で』お届けします」と書いてあるんです。

Namioka:このサイト「先回り約束」のオンパレードですね!コロナ禍では、宅配の置き配ニーズも高まりましたもんね。コロナ禍の不安をケアする、今の時代らしい先回り約束ですね。

Takatani:「先回り約束」は、ユーザーが不安に思っている次の行動を具体的に約束することで、選択のハードルを下げるテクニック。一般的には値段や期限を約束することが多いけれど、おもしろい事例だね。

Namioka:こういったECサイトの場合、クレジットカードや個人情報の入力をした後に、「あ、送料は別途かかるんだ…」とわかることもありますよね。最初に書いてあることで、他サイトと比べて選ばれやすくなるメリットもありそうです。

Takatani:僕が最近いいなと思ったのは、お問い合わせフォームにあったこの一言かな。

Takatani:「内容確認後、担当より通常2〜4営業日以内にご連絡いたします」と書いてあるんだよね。誰からいつ返信がくるのか書いてあって具体的で親切だなと思って。

Shirane:ユーザーの余計な心配を減らし、安心して質問が送れるようになっていますね。

Takatani:そうそう。返答にかかるまでの期間が書いてあるので、急ぎであれば電話など別の手段での連絡に切り替えることもできるし。

Namioka:お問い合わせフォームに「数日経っても連絡がこない場合、直接お店にお問い合わせください」と書いてある例はよく見ますが、数日の捉え方は人によって様々ですもんね。さりげないけどまさに「先回り約束」ですね。

離脱を防ぎCVの後押しもする

Namioka:私が気になったのは音楽のサブスクのこのサイトです。

Namioka:音楽サブスクサービスをまずは3ヶ月は無料で試せるのですが、「いつでもキャンセル可能です」って書いてあるんです。

Takatani:あ〜!気が利くニクいマイクロコピーだね!

Shirane:お試し期間は無料だと思ったら、何ヶ月間は辞められない…なんて縛りがあると不安ですもんね。このマイクロコピーは離脱を防ぐというより、登録を後押ししてCVを高める役割もありそうです。

Namioka:それに申し込み画面に進むと「無料体験終了〇日前にご連絡します」というマイクロコピーが表示されるんです。ズボラな私は「無料期間終了に気づかず、有料プランに移行されてしまうのでは…」という不安があったのですが、この至れり尽せりな先回り約束が決め手となって、入会しました。

Takatani:そういう人多そうだね。それに今まで学んだマイクロコピーも使われているね!

Shirane:「クレジットカードなしで登録可能」は手口4で学んだ「いらずの法則」ですよね。

Takatani:マイクロコピーは組み合わせて使うことで効果が高まるからね。

Namioka:離脱を防ぎ、CVを高める「先回り約束」。使いこなせば効果的ですが、相手が求めている情報が何なのかを察知して、相手の望む行動を示すのは難しそうです。

Takatani:例えばユーザーが離脱しやすいポイントを分析して、どこを不安に思っているかを想定して「先回り約束」のマイクロコピーを添えることなら、すぐ始められそうだね。


今回の手口「先回り約束」はいかがでしたか?
企業としては思いも寄らないことが、
ユーザーにとっては離脱してしまう不安の種になっているかもしれません。
あらかじめ「不安の種」を消していくことで、CVの効果はきっと高まります。
さっそく今日から「先回り約束」を取り入れてみてくださいね!

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