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「性暴力を許さない」性被害のその後を生きる

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性被害当事者として発信をします。 わたしは、被害後に発信をしている、被害女性の言葉に救われました。そんな言葉を、いま苦しんでいるだれかに送ることができるかは、わかりません。でも、…
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#詩のようなもの

音のない雨(6)

音のない雨(6)

こんな夜には、
何も視たくない。
何も訊きたくない。
何も云いたくない。
何も感じたくない。
何も考えたくない。
何もかもが無意味に思える、
こんな夜には。

こんな夜には、
笑いたくない。
泣きたくない。
食べたくない。
飲みたくない。
眠りたくない。
心も体も怒りに支配されている、
こんな夜には。

明日は来るのだろうか。
明日には何か変わるのだろうか。
人々はなぜ、
明日が来ることを当然だと

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詩「わたしは白猫」

詩「わたしは白猫」

わたしは涙に色があると知っている
わたしの涙は墨のように真っ黒だ
ときに粘度を帯びていて
頬を裂きつつ流れ落ちる

けれど誰かの涙の色は判らない
涙は確かに見えているのに色は判らない
涙としてしか見えない

それでも
わたしのものより絶対的に
奇麗な色だろうことは
承知している

或いは
純粋、葛藤、孤独、挫折
逃げる、生きる、守る、忘れる
歩む、転ぶ、立ち上がり支えられ
抗う、見ない、選ばない、

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散文「メンヘラ女からの手紙」

散文「メンヘラ女からの手紙」

性被害を受けて
被害者の看板を上げたの
わたしはきっと酷いことをされた
PTSDにもなった
だからきっとこんなにツライんだって

でもときに
それは言い訳なのかなあ?
そう考えるときがある
本当になかなか乗り越えられないの?
それとも乗り越えようとしないだけ?
被害者の立場にしがみついているだけなのかな?って

どうにもならない!って
本当にどうにもならないのかな?って
どうにもしたくないだけじゃ

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