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人間の脳は、物語を作り出すようにできている

小学校中学校には付きものの怪談。
NHK番組「ダークサイドミステリー」によると、学校の怪談は
「音楽室のベートーベンが笑う」
とか
「誰もいないのにピアノの音がする」
といった、単なる現象が語られるところから始まるそうです。上級生から下級生に伝えられてゆく間に、物語として完成してゆくのだとか。

・人間は意味が好き

人間の脳は、意味のないものが苦手。
理由がわからないと「どうして?」と聞きたくなりますし、覚えるのでも、意味があるものが覚えやすい(歴史年号の語呂合わせ!)。

「ピアノが鳴る」だけでは物足りなくて、死んでしまった生徒の話や、聞いてしまった人に不幸が起きる話が付け加えられたりします。
そうして一貫性のある物語になると、人の記憶に残りやすくなります。

・インターネットは口頭伝承?

こうした変化は口頭伝承で起こりやすく、文字になると固定化しやすくなります。とくに権威ある文書になると、そこで動かなくなる。

ギリシャ神話や日本神話も、成立段階では口頭伝承でした。
おそらく、最初は簡単な話だったのが、語られていくうちに物語として組み立てられてゆき、あれだけの複雑さを手に入れたのでしょう。

インターネットは、性質だけ見ると口頭伝承に似ています。
誰もが発信できる分だけ、公式の権威が通用しません。そのため、語り手の納得ゆくように物語が変化してゆきますね。
そうして発生するものの一つが陰謀論。ニュースが伝聞されてゆく間に、脳が納得するような物語が付け加えられていった結果なのでしょう。

全て記録に残っているのに、すごい速度で変化してゆく。
ネットというメディアは、面白くもあり面倒でもありますね。


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