運動を理論で考える理由 ~理論は人よりも先に行く
ここしばらく、身体の動きを物理学や脳の情報処理で考える記事を投稿しています。武術もスポーツも本来は実践するものですが、理論も面白くて無視できません。
・身体は結局、物理現象
名人の伝説には神業的なものがあります。
そんなことできるのか? と思うような現象も、身体が動いている限りは物理現象。物理で説明できるはず。
単純なパワーとスピードだけではなく、脳と神経のコントロールによって、可能性が広がります。
・脳と神経、二つの論点
脳や神経の働きで楽しそうなテーマは2つ。
1つは、身体各部の効率の良い動き。
人体では運動の支点となる関節は移動しますし、手足など各部分の慣性や、相対速度の変化もあります。最適な運動は、多数の運動を包括する複雑なものになるはずです(コンピュータシミュレーションに期待したい!)。
もう1つは、感覚側の要素。
名人技には、受ける側の錯覚や反射、予測のズレなどを利用したとしか思えない技があります。こうした技も、脳や神経の働きだと思うと興味深いですね。
・理論は行けないところまで行ってくれる
実際にブラックホールに入った人はいませんが、ブラックホールに近づくとどんな現象が起きるかは、理論物理学の計算で突き止められていますね。
理論で考えるメリットは「自分ができないことまで考えられる」こと。
スポーツや武術の分野でも、同じだと思います。身体能力が高くなくても、理論によってある程度の推測はできて、向上のヒントを得られるのです。
そんなわけで今後も、こうした理論の話をしてゆくつもりです。興味のある方はお付き合いください。
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