「足りないのは愛情ではなくスキルだ」という子育ての名言 … 二宮翁夜話から思い出したこと
子育てを始めた頃、育児書をけっこう読みました。
その中の、どの育児書だったのかは忘れたのですが、今でも覚えているのがこの言葉。
「足りないのは愛情ではない、スキルなのだ」
・愛情を表現するのも技術がいる
「子供には、愛情を注いでやればいい」
という人がいますが、どんなふうに注ぐのかが実は大事。いくら愛情を注ごうにも、こぼれていたら意味がない。
その本に載っていた(と思う)例の1つが、子供の帰宅が遅い時。
心配して待っていた親が、帰ってきた子供に向かって
「こんなに遅くまで、何やってたの!」
と怒鳴りつけます。
親の行動の元になっているのは愛情です。でも子供から見るとただ不機嫌な親に怒鳴られただけで、愛情は伝わってない。
もし第一声が、
「心配してたよ!」
だったら、あとが同じ「こんなに遅くまで何やってたの!」でも、伝わり方が全く違いますよね。
・自然のままで上手くいくわけがない
で、どうしてこんな話を思い出したかと言うと、二宮翁夜話です。
尊徳は天の道と人の道を、厳密に区別します。
天の道 … 人が手を加えなくても運行される自然法則
人の道 … 人間が作った、努力しないとすぐに破綻する規則
で、道徳や人間関係は人が作った人の道に当たります。
人の道については
親子関係だろうが、夫婦関係だろうが、自然に上手くいくと思ってはいけないということだな、と思った時に、先程の話を思い出したというわけ。
ただ、二宮尊徳自身は、最初の奥さんと離婚しています。そういう体験も含めて語っているのかもしれない。
・でも、スキルは学ぶことができる
幸い、スキルは気がついた時に学ぶことができます。学んだ分だけ、確実に身につくもの。
個人的には、対人スキルを学ぶ上で、一番役に立ったと思った本がこれ。
・自分を主語にして語る「わたしメッセージ」
・話を聞く傾聴の技法「能動的な聞き方」
・両方の意見を活かす交渉「勝負なし法」
の3つを軸にして、親子関係、人間関係を作ってゆく方法です。
実際のところ、子供や奥さんとの関係の中で、本から学んだスキルは、すごく役立ちました。読む前もそれほど悪くはなかったのですが、さらに右肩上がりに良くなっていった感じ。
この本の他にも、いまはいろんな本が出ています。
なんであれ、自然のままでは伝わりにくい愛情を、伝えやすくする方法は持っていたほうがいいです。
親子間でも夫婦間でも、それ以外でも。
八起堂治療院ホームページ
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