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「足りないのは愛情ではなくスキルだ」という子育ての名言 … 二宮翁夜話から思い出したこと

子育てを始めた頃、育児書をけっこう読みました。
その中の、どの育児書だったのかは忘れたのですが、今でも覚えているのがこの言葉。
「足りないのは愛情ではない、スキルなのだ」

・愛情を表現するのも技術がいる

「子供には、愛情を注いでやればいい」
という人がいますが、どんなふうに注ぐのかが実は大事。いくら愛情を注ごうにも、こぼれていたら意味がない。

その本に載っていた(と思う)例の1つが、子供の帰宅が遅い時。
心配して待っていた親が、帰ってきた子供に向かって
「こんなに遅くまで、何やってたの!」
と怒鳴りつけます。

親の行動の元になっているのは愛情です。でも子供から見るとただ不機嫌な親に怒鳴られただけで、愛情は伝わってない。

もし第一声が、
「心配してたよ!」
だったら、あとが同じ「こんなに遅くまで何やってたの!」でも、伝わり方が全く違いますよね。

・自然のままで上手くいくわけがない

で、どうしてこんな話を思い出したかと言うと、二宮翁夜話です。
尊徳は天の道と人の道を、厳密に区別します。
天の道 … 人が手を加えなくても運行される自然法則
人の道 … 人間が作った、努力しないとすぐに破綻する規則

で、道徳や人間関係は人が作った人の道に当たります。
人の道については

言語も同じく、思ふまゝに言葉を発する時は忽(タチマチ)争を生ずる也

二宮翁夜話 巻の一 四節

作為の道は怠れば廃る、然るに其(その)人作の道を誤(アヤマツ)て、天理自然の道と思ふが故に、願ふ事成らず思ふ事叶はず、終(ツヒ)に我世は憂世なりなどゝいふに至る

二宮翁夜話 巻の一 五節

親子関係だろうが、夫婦関係だろうが、自然に上手くいくと思ってはいけないということだな、と思った時に、先程の話を思い出したというわけ。

ただ、二宮尊徳自身は、最初の奥さんと離婚しています。そういう体験も含めて語っているのかもしれない。

・でも、スキルは学ぶことができる

幸い、スキルは気がついた時に学ぶことができます。学んだ分だけ、確実に身につくもの。

個人的には、対人スキルを学ぶ上で、一番役に立ったと思った本がこれ。

・自分を主語にして語る「わたしメッセージ」
・話を聞く傾聴の技法「能動的な聞き方」
・両方の意見を活かす交渉「勝負なし法」

の3つを軸にして、親子関係、人間関係を作ってゆく方法です。

実際のところ、子供や奥さんとの関係の中で、本から学んだスキルは、すごく役立ちました。読む前もそれほど悪くはなかったのですが、さらに右肩上がりに良くなっていった感じ。

この本の他にも、いまはいろんな本が出ています。

なんであれ、自然のままでは伝わりにくい愛情を、伝えやすくする方法は持っていたほうがいいです。
親子間でも夫婦間でも、それ以外でも。

八起堂治療院ホームページ


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