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空の詩

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空を見上げる描写があるもの。或いは、星や天候が主人公のもの。
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記事一覧

窓の外でうるさいやつら

朝の6時。 窓の外で、スズメが鳴いている。 すぐ近くだ。たぶん、物干し竿にとまってるんだろ…

いぬはっか
3週間前
3

アジサイを目印に

「遅いなあ。」と呟く声がして、 そっちを見ると、アジサイが咲いていた。 「まだかなあ。」と…

いぬはっか
1か月前
2

1匹だけの鯉のぼり

鯉のぼりと聞くと、普通、何匹かいるもんだと思う。 大きいやつが上、小さいやつが下。 で、3…

いぬはっか
2か月前
5

桜ならまだ寝てるよ

「桜なら、まだ咲いてないよ。」 飛ばされそうになる帽子を押さえながら、 すれ違っていく風に…

いぬはっか
3か月前
7

落下マニア

「落石注意」の看板の通り、 目の前に石が落ちてきた。 ほんの小さな石だったけど、 こんなで…

いぬはっか
5か月前
2

夜泣きする夜をあやすそんな夜

風が強い。 まだ涙は出ていないけど、 泣く前だからこそ、一番機嫌が悪い時だ。 怒ったような…

いぬはっか
5か月前
4

隕石の日記『地球到着』

さっきまでは寒かった。 大気圏に入ったあたりから、 逆に、めちゃくちゃ暑くなった。 暑くなると、痩せていく。 石は汗をかかないし、 カロリーを消費したりもしないけど、 単純に、燃えて小さくなるからだ。 「しまいには消えちゃうかもな。これは。」 落ちていきながら、独り言が出てくる。 まあ、そうなったらその時だ。 あの世だとか、死後の世界だとかがあるなら、 自分もそこに行くのかな。 …石って、死ぬのかな? 他の石が死んだのも見たことないし、 自分も死んだことないから、知ら

雨がそんなに悪いのか

朝が寒い。 布団からなかなか出られない。そんな季節になった。 まだ、この寒さに身体も慣れな…

いぬはっか
8か月前
4

意図しない助かり

今日は良い天気だ。と、 さっきまでそう思っていた。 頭上を通りすぎていくカラスが、 「雨が…

いぬはっか
10か月前
6

太陽の頼み事

「花火が見たい。」と言い出した。 花火といえば夜にやるものだから、 太陽にしてみれば、珍し…

いぬはっか
11か月前
4

傘が最近ヒマらしい。

こんなすごい雨なのに。 なんで傘を持って出かけなかったんだ。 家の傘立てで立ちっぱなしの…

5

スマホショップ常連客

スマホが壊れた。 うっかり落とした先に小石があって、 そこへ画面のほうからぶつかったものだ…

6

空じゃなかった。空っぽい色ではある。

青い空に、白い雲。 それはいつも通りなんだけど、 どこか奇妙な空だった。 なんというか、青…

5

夜更かしする空

夜中にコンビニに出かけたら、 空が少しだけ青かった。 ちょっと夜が明けてたというのではなくて、 一か所だけ、穴が開いたみたいに青いのだ。 「変だね。夜なのに。」と空に向かって言うと、 「ちょっと今夜は眠れなくてね。」と空が言う。 まあ、そういうこともあるか。 自分もよくやることだ。夜中に出歩いてる今みたいに。 写真を撮ろうかとも思ったけど、 今の時代、こんなもの、画像編集でもすれば作れる。 そんなことより、小腹が空いた。 早くコンビニに行って、カップ麺でも買って来よう。