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このマガジンは、福岡市中央区在住の現役看護師が、飲食店昼から飲もう、日替わりおかずと楽しいお酒「博多okatteふじコ」を開業、開業後の記録です。素人の私が、福岡市のグルメタウン“薬院”で店を開業。新しいことにわくわくドキドキ、でも真面目に。そんな記録です。

それは12月12日夕方一本の電話から始まった。当店ご利用のお客様の勤め先で同僚の方がコロナ発症され、社内で検査をすることになった。やってみたら陽性が出てしまったというお話。お客様は県外からの出張の方で短期間に数度とご利用して頂いていたので、その報告を聞いて直ぐに、自身とお客様へ曝露、伝播が生じていないかを考えた。とり急ぎ私とお客様が接触することを防ぐため、店は閉めることにした。

空気感染、空気中の影響は48時間と言われているので、週明けにお店を開けようかと考えた。翌日他県の保健所からすぐ問合せの連絡があり、私を「酒類を提供しているので濃厚接触者扱いに準ずる」と言う。マスクや換気、ディスタンスは確保していたものの、保健所の説明によれば「15分以上酒ありで会話している」ということが理由として大きいようだった。そして潜伏期間中の営業停止を指示された。

翌日福岡の保健所からの連絡を待ったがしばらく連絡はなく、相談窓口に事情を話すと、「営業停止」という拘束力は無く、濃厚接触者の概念や扱いについても自治体によっていささか異なるというから驚いた。営業停止を指示してきた保健所の地域はコロナが激化している地域で、取り決めが厳しくなっているのではないか、と言うのだ。コロナ禍に創業した私はそこを踏まえて設計や環境を整えてきたし、医療者としての知識もあった。でも創業時の「概念」はもう無く(やっている前提でと言った方が良いか)「酒類提供の場での会話」が最優先事項になっていた。声が大きくなり、飛沫を飛ばすから、ということは医療者としては理解できた。でも店としては、お酒を飲んだらアウト、喋らないサービスが良いと言われると、それはもはや店じゃない、ということになる。

さーどうする???

・営業停止の必要性はないが、自分も潜伏期にある

・当該お客様と同時期に利用されたお客様にも、同様の潜伏リスクがある

・持ち込みのコロナウィルスは無症状者の存在で常に在る

・福岡市のその時点の陽性率は5.5%、100人中5人ということ

・でもそれはあくまで検査出来た人(何らかの自覚がある人)から出た

  数字で、無症状者はもっと居るということ


悩ませられるのが、コロナウィルスについては、どうしようもない、ということ。ちょっと考えれば解って頂けると思いますが、ウィルスはゼロに出来ない、共存しかない、という事実。最大限に努力しても防げないことがあるという事実。感染リスクを限りなく減らしたいのであれば、健康的な生活で独りで暮らし、家から出ない、交流しない、ということに尽きる。


出来ますか?

話が反れてきたので戻しますが、コロナについてはそれぞれ立場、立ち位置があって、その人その人の価値観がある。その人にとって「大切」と思われることを中心に行動されている。それで良いと思う。

私にとって大切なこと、それは支えてくれるお客様。

お店を開けてもいいのかもしれない。

でも、もしかしたらがあるかもしれない。

生じてしまったことが、お客様へ影響なく、また元気で会えるように。

潜伏期間の間は店を閉め、私も検査をして、安全安心で再オープンしよう。

最後に、もう一つ私はどうすれば良いのだろうと、迷うことがあった。当店は、地域密着型を目指していること、年齢層が高いお客様が多いことから、「Goto トラベル」を申請しなかった。遠回しに、県外者を避ける(減らす)ためにそうしていた。

“お客様の日常に寄り添う”

これが、わたしの想い。

県外の人はダメなのか?移動が多いお客様にリスクがあるのは医療者としては解る。だからと言って避けることは拒否、差別では?医療従事者をコロナの当初、遠ざけるようなことが強くみられていたけれど、それと同じではないだろうか。

コロナ対策については現状、お互いの注意しか方法はなく、健康状態を客様自身で判断して来店して頂くしかない。無症状の人には手立てがない。

また同じようなことが起こるかもしれない。

でも、自分が想う店造りをやっていこう。

誠実に。

お客様の日常に寄り添う、ために。

2020年コロナ禍に開業した看護師です。ワクワクが止まりません。Withコロナはまだ続きますが、継続していけますように応援お待ちしております。