ネットの波に揉まれるより、お守りの本を開こう
誰にでも、お守りのような本があると思う。
心が疲れたとき、迷うとき、私が決まって読み返す本は「繊細さんの幸せリスト」だ。
内容は繊細さん、いわゆるHSPという敏感な性質を持つ人に向けたもの。
HSPは何事も深く感じ取る。
0か100かで判断してしまう「白黒思考」や、無関係なことでも自分のことと勘違いしてしまう「自己関連付け」といった、厄介な考え方のクセもいくつかある。
反面、ちいさな幸せや喜びを見つけるのが上手で、芸術や音楽、自然などを存分に味わい心の糧にできる。
例えば私なら、ファイナルファンタジー5のエンディングを見たり、宇多田ヒカルの「花束を君に」を聴いたりすると、いつも胸がいっぱいになり涙が溢れてくる。
HSPおよび繊細さん向けの情報は、どちらかというと前者の困りごとへのアドバイスが多い。
HSPの当事者が不安をあおる発信をしているケースもあり、そういった類の内容は正直感心しない。
一方で、「繊細さんの幸せリスト」は特性を生かし、プラスの感情を味わう、あるいは強張った気持ちをほぐしてくれる、終始読んでいて心地の良い内容でまとまっている。
先週の夫の長期不在があってか、見えないストレスが蓄積しSNSを最低限しか開かなかった。
noteのタイムラインを見るだけでも酔う感じがして、書きたいことも書けずにいる。
「幸せリスト」で、読み返すたび決まって心に働きかけてくれる部分がある。
表現する時間そのものの幸せ。
そのひとつが、自分がいいものを「いい」と語ることだろう。
本書では、効率や生産性、役に立つ、いいねといった「成果主義」を一旦脇に置き、自分がいいと感じたことを大切にすると温かな幸せを得られると説く。
最近いいと感じたことは、なんだろうか。
息子がハートの折り紙いっぱいに書いてくれた手紙。
夫がお土産に買ってきてくれた、ホタルガラスの揃いのブレスレット。
白いネイル。
大河ドラマ「光る君へ」のききょう(清少納言)の立ち振る舞い。
たまに寄るカフェの、苦味がきいていてコントラストの美しいアイスカフェオレ。
今回はただ並べるだけにした。
いつも掘り下げなくても構わない。
いいものを、いいと感じられる心があるだけでいいのだ。
現代は相変わらず情報の洪水だ。
私も情報を放流する側だし、ときには人の意見に耳を傾けることも大切だけれど、本当に必要なものだけを摂取したい。
ネットの波に揉まれて溺れるくらいなら、お守りになってくれる本を開こう。
そこには自分と本、一対一の世界が広がっている。
※ヘッダー画像はみんなのフォトギャラリーからお借りしました。ありがとうございます。
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