アディショナル・タイム⑦
「セツナ、いま君は何をしようとした?」
新谷の前で憤慨しているアト。睥睨する彼女の目は、燃え盛る炎すら凍てつくような、そんな冷たさだった。先ほどまで沙良の部屋にいたはずだが、景色が変わっている。だが、新谷には見覚えのある風景でもあった。そう、ここは初めてアトと出会った、あの空間。遥か彼方まで、純白に包まれた、あの広大な空間だ。
「えっと……。俺は……本当のことを打ち明けようとして……」
「……あのな、真実を伝えたところで、彼女に信じてもらえると思うか?」
「それは……」