『働き方5.0』(新書版)からの学び
落合陽一さんの『働き方5.0』を読みました。
2016年に刊行された本の新書版です。
2020年の社会情勢の大きな変化に対しても、加筆がされています。
本書は、「人間がやるべきことは何か」という問いから始まります。
これは、ポストコロナ、ウィズコロナではより一層問われるものです。
結論としては、クリエイティブ・クラスという「システムにできないことで戦う土俵」に上がっている人になるということです。
システムにできないこととは、
適切な課題設定を社会に創造することです。
システムになくて、人間にあるもの、
それはモチベーションです。
社会をどうしたいとか、何を実現したいというモチベーションは人間の側にあります。
こうした課題を創造する、課題発見型の人が、「人間がやるべきこと」を担っていくと考えられます。
一方で、課題解決を得意としてきたホワイトカラーには厳しい展開が予測されます。
人材の価値が変化し、ホワイトカラーからクリエイティブ・クラスが価値を持つ時代に変わりつつあるからです。
noteを見ている人や投稿している人の割合はホワイトカラーが高めかなと感じますが、我々のようなホワイトカラーは真っ先に機械に代替されるとバッサリ言っています。
大手企業やホワイトカラーで搾取していた人が機械に変わるとブルーカラーの人たちはむしろ待遇が良くなるのではと述べられています。
プレットフォーマー(クリエイティブ・クラス)の持ち分はありますが、これまでのホワイトカラーがしていたオペレーションよりは明らかに人数を割く必要がなくなるので、実際に生み出している人の下に報酬が行き渡る仕組みです。
「クリエイティブ・クラス」になるか、「機械の下請け」になるか、
どちらかを選択するときがくるだろうということです。
落合さんが念押しされているのは、どちらが良いということではなくいずれ選択するときがくる、ということです。
では、クリエイティブ・クラスになる道を選んだ場合に何をすべきなのか?
本書では以下の能力が求められると述べています。
言語化する能力
論理力
思考体力
世界70億人を相手にすること
経済感覚
世界は人間が回しているという意識
専門性
中でも重要なのが、「専門性」で、
誰もが共有できるマニュアルのような「形式知」ではなく、誰も盗むことのできない「暗黙知」を持てと述べています。
自分がやろうとしている課題設定・問題解決についての、
以下の5つの問いを答えることができれば、クリエイティブ・クラスと言えるでしょう。
・それによって誰が幸せになるのか。
・なぜいま、その問題なのか。なぜ先人たちはそれができなかったのか。
・過去の何を受け継いでそのアイディアに到達したのか。
・どこにいけばそれができるのか。
・実現のためのスキルはほかの人が到達しにくいものか。
自分がやろうとしていることに常にこの問いを投げかけ、
時代にそぐわない努力をしないように気をつけないといけませんね。
〇やるべきことについて
経済学者・ケインズが1930年に予言した現代の労働時間は3時間でした。
テクノロジーの進歩や製造の進歩で1日3時間働けば十分な時代が来ると予言しています。
この予言の正否は別にして、とても示唆に富んだものに思います。
実際に本当にやるべきことは3時間分くらいしかないのかもしれません。
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