私が教師をやめるまで#9~#10
【第9話】不登校生徒への取り組み:想像以上に根深い問題に直面する 前編
私が担当するクラスには、不登校気味の生徒が3名いた。
そのうちの一人は当初、ものすごく元気ではあったが、いつしか不登校になり学校に来ることができなくなってしまった。
私は、この生徒を学校に戻すことができるよう、様々な取り組みを行った。
最初は生徒との面談。
次に保護者との打ち合わせだ。
不登校生徒が抱えている問題について詳しく把握しようとした。
しかしながら、生徒はなかなか口を開かない。
生徒が不登校になる原因は正直分からないことが多い。
家庭環境の問題や学校生活でのストレス、人間関係の悩みなど様々な要因がある。
私は、生徒が学校に戻るために、まずは信頼関係を築くことが大切だと考え、生徒とのコミュニケーションを深めるよう努めた。
その生徒と話をする中で、信頼関係の構築は進んでいったが、彼が抱える問題になると途端に会話が終わってしまう。
彼はなかなか学校に戻ることはできず。出席日数も危ぶまれてきた。
問題が深刻化していく中、私は自分自身の限界を感じ始めていた。
生徒が抱える問題は想像以上に根深く、私自身が解決することができない問題も多くあった。
同僚教員に関しても、正直他のクラスにかまっている余裕はない。
たいてい、クラスに1人は不登校気味の生徒は必ずいる。
「適切なサポート」が必要というが、学校には本当にそんな余裕はないのだ。
私自身はとにかく、その生徒と「会話する」こと以外できなかった。
私は、不登校生徒への取り組みは容易ではないことを痛感した。
【第10話】不登校生徒への取り組み:想像以上に根深い問題に直面する 後編
私は、不登校生徒に対する取り組みを続けながら、
「この問題が解決できるのか?」
と、ものすごく不安になった。
万が一、その生徒が学校をやめてしまったらどうなるのだろうか?
不登校生徒たちが抱える問題は、想像以上に根深く、本当に彼らを学校に戻すことは容易ではない。
青春ドラマとは比較にならないのだ。
学校外の支援もあてにならない。
保護者の方とも連携を取り、適切な支援をしたいところであったが、不登校生徒の保護者の方の共通点は「原因が分からない」だ。
不登校のスイッチは徐々にではなく、ある日突然入ることが多い。
よって、保護者の方も原因が分からない。
生徒が学校に戻ることができない状況が続く中、私は自分自身の役割や存在意義についての悩みを深めていった。
不登校生徒たちを支援することができず、自分自身が教育者としての役割を果たせていないと感じ、精神的に疲弊していた。
そして出席日数が足りなくなってくると、いよいよ「退学」の勧告が迫ってくる。
また、学校全体としても「面倒が見切れない」との判断になり、通信学校などを勧める場合が多い。
何度も言うが、学園ドラマのような展開は現実にはない。
教育カウンセラー
コーチング対話のレクチャー
専門窓口 …
等々あるが、そんなものは全く役に立たないことが多い。
1クラスに1人は存在する「不登校生徒または不登校生徒予備軍」への対応は生半可な覚悟では解決できないのだ。