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頑是
2022年5月16日 17:59
瓦斯燈を模す街灯に雪刺さる冬晴れのスマホに映る指紋かな冬天の聳ゆるものはみな寂し我捨てし母いじめては三日咳春浅し祖母妖けて出てまだ叱るぽかぽかや口ほどに凧上がらない栗の樹の冬盆栽の如く斬る恋猫の強情っ張りや本閉じる新酒古酒まっすぐ帰れるわけがない立春や道まっすぐにまっすぐに
2022年5月15日 00:27
煮大根ひとは顎から年を食ふ鳥渡るだれ悲しまぬ恋もあり ※羅(うすもの)や人悲します恋をして(鈴木真砂女)の本句取り。県境尾根に木立のまばらなる温泉(ゆ)の猿のどこがおかしや雪信濃初氷雪一片をのせて割れケータイを咥へる鰓の夜寒かな節分や平和は願うものですが節分や非戦はそうと決めるもの眼鏡宝石時計鉄砲店に雪豪雪の町は原野となるごとし
2022年5月10日 01:24
月夜みち薄荷の如き冷気かな 榾の火や背を辿りつつ夢枕氷り滝動く輩はわれのみぞ冬山のこだま順々に子となりぬ水温む昔のひとはやたら死ぬ
2022年5月7日 02:32
望楼や地より降りくる細雪涸滝の落ちるものなしひとの声いきものとみて突き返す海鼠かな振り向かずゆけ立春のふくらはぎ
2022年5月2日 01:10
癩人と言ひ争へば陽が溜まるハンセンの俳人村越化石へのオマージュ。元の句は、癩人の相争へり枯木に日 20年以上前、目も鼻も耳もないハンセン病の詩人桜井哲夫をドキュメンタリーに残そうと、草津温泉の療養所に通い詰めたことがあります。結局、自治会の反対にあい、写し取ることはできなかった(その企画者兼監督は、ゴールデン街の最古参「わらじ」の主人。もう亡くなって、お店も閉じましたが、私の師のひとり
2022年5月1日 23:42
カードゲーム『俳聖』出版記念2018年2月1〜2日寒月蝕終えて朧の地に生きて冬日向きものの中にきみを容れ太き薪の火を頬張りて世を問ひつ虎落笛どこからどこに線引くや疎まれてやっと一息節替わり氷柱下腿たたまれしカマドウマ逆さまに曲がる膝あり冬の虫冬ごもり海星のごとき手の人と薪くべて世情を問はぬ爪の先凍てるみち芭蕉憎みし烏が歩く