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ココ
2020年5月21日 11:02
「塩の街」有川浩 角川文庫有川浩のデビュー作にして最高傑作ある日突然、人も、待ちも全てが塩に変わっていってしまう世界。なぜ塩化してしまうのか、どうすればこの状況を止めることができるのか。人々が諦めと絶望しか感じなくなるなか、秋庭は大切な人のために立ち上がる。最後はきっと、誰かを思う気持ちが強くしてくれるんだなと感じる作品。ラブストーリーというわくに収まらない、人間の物語
2020年5月21日 10:53
「海の底」有川浩 角川文庫海上自衛隊基地と米軍の基地が一緒にある横須賀に、巨大な赤い甲殻類が海から上がってきた。そいつらはなんと、人間を食べている!!なんとも現実離れしているように聞こえるこの設定でも、有川浩の手にかかれば、現実味を帯びてしまうのだから恐ろしい。赤い甲殻類の正体は?人間はこの生物に勝つことができるのか?ハラハラドキドキするなかに、人間の感情が丁寧に描かれて
2020年5月14日 15:08
「空の中」 有川浩 角川文庫高度2万メートルに住んでいた未確認生物と、人間が出会ってしまうことから始まるこの物語。生きているもの同士が共存していくための過程は、長く険しく、そして切ない!!でもだからこそ、生きている、生きていられることへの暖かさを感じる。軽い語り口や、SF要素のなかに描かれる人間模様に、思わず涙がチョチョぎれる💧 そんな作品。塩の街・海の底と並ぶ、
2020年5月6日 11:42
ラブソファに、ひとり石田衣良 角川文庫男と女は何をもって相手を好きになるのか。好きになるとはどういうことなのか。大人になればなるほどわからなくなる。だって、うまくいくと確信していた恋さえ、儚く散っていくことを知ってしまうから。そしてその寂しさや虚しさを怖いと感じてしまうから。でも、やっぱり恋って幸福だ。大人に送る恋の応援本
2020年5月6日 11:37
海と毒薬遠藤周作 角川文庫戦争中に実際に行われていた、生きたままの人間を使った人体実験。そこに参加した医師や看護婦の苦悩を綴った作品。なにをかくそう、私の曾祖父も七三一部隊でペスト菌の実験を行っていた一人。最後は自らもペスト菌に侵され、満州で亡くなった。その会ったこともない曾祖父を思うと、怖くて読めなかった。しかし今回、意を決して読んでみた。戦争という混乱や恐怖が、人にも