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言葉優位な今だからこそ、対話が大切。

しばらくぶりの更新です。

まだ実質的に開校しているわけではないのですが、今後「しあわせをつくる知性」を育てるための、【国語スクール-kaname-】として活動するための準備をしていこうと思っています。

というわけで手始めにTwitterアカウントを開設してみました。前回の記事で目標設定したように、9月から1日1post、Twitterやnoteに国語に関する投稿をしていこうと思っています。できる限り続けていきたいと思いますので、どうぞ楽しみに見ていただけるとうれしいです!

kanameというのは「要」です。国語の力は人間の学力の「要」でもあります。また、その国語の力の「要」にある読解力を、「要」約を通してトレーニングしていく―【コクリエ国語メソッド】による学習を通してみなさんに国語の力を伸ばしていっていただきたいと思っています。

さて、そんな本日は、今だからこその対話の大切さを書いていこうと思います。これは、まさに「たった今からできるよむときくの筋トレ」です。

前回の記事でも自分の関わっている取り組みを通して対話の大切さをお伝えしましたが、今回はまた違った観点から対話の重要性について書こうと思います。

Covid-19の影響で、お仕事や学校がオンライン、リモートでのやりとりに変わった人がたくさんいると思います。私自身はもう3年ほど前からフルリモートで仕事をしています。子どもたちはおかげさまでまだ学校へ通えていますが、今後の状況によってはオンライン学習に切り替わっていく可能性は大いにあります。

小さな子どもたちはまだそこまで言葉優位ということを感じていない、むしろ学校での自由な発話が減って言語化の機会も減っているかと思います。ただ、中高生から大人は明らかに言葉、特にテキストを使ったコミュニケーションが増えているはずです。以前は仕事だと個人タスク、プライベートでのメールやLINE、またSNS上でのやりとりが主なテキストコミュニケーションだったかもしれませんが、今は社内でのコミュニケーションも基本的にチャットでのやりとりが増えています。

リアルなオフィスであれば、その人の佇まいや話し方、愛嬌といった、非言語的な要素が、言葉と共にその人ととなりを伝えてくれましたが、オンラインでのテキストベースのコミュニケーションではそうはいきません。言葉の使い方や言語化力、文章力が全てを決めてしまうといっても過言ではない状況です。

その結果、いかに相手に伝わる文章を書けるか、が仕事上重要なスキルの上位に入って来る時代になったと思います。また、インターネット上で誰でも個人で発信することが当たり前になった今の世の中には、膨大な量の情報が溢れかえっています。読む側、受けとる側に立った場合には、自分が本当に必要としている情報をいかにして探し出し、検討できるかが大切になってきます。

言葉だけがこれほど優位に立った時代は他になかったのではないかと思います。これまではいつでも身体や感覚が言葉と同時に伴っていましたが、今はその同時性が切り離され、言葉だけが先歩きすることも少なくありません。

文章を読み、要約トレーニングをして国語の力を鍛えると、たしかに言語化する力やわかりやすい文章を書く力を高めることはできます。ただ、その人が自分の中からどうやって言葉を紡ぐかについては、私はあくまで個人の体験や思考が基礎として欠かせないと考えています。

また、読解力もただ目の前にある文章を読み解くだけではなく、自分自身の体験も照らし合わせて読めるからこそ、その内容における重要なポイントが感覚的に理解できたりするものです。頭の中だけで本や何かの文章で読んだ言葉をパズルのように組み合わせるだけでは、相手に本当に伝わる言葉や説得力のある文章はなかなか生まれないと思います。

そこで大切なのが対話です。対話はお互いにその場で言葉を紡ぎ交わし合うことによって、自分の体験や感情の言語化にもつながりますし、相手の話していることをていねいに聴いて理解することにもなります。それが結果的に、テキストとしてのアウトプットスキルも高めてくれるのです。

夏休みに開催した読書感想文教室がまさにそうでした。お子さんが自分で読んだ本で気になったところを、親子の対話を通して言語化しながら作文へと落とし込んでいく。夏休みの宿題である読書感想文をきっかけに、どのような言葉や表現なら相手が理解できるかを親子で対話をしながらじっくり考える場が生まれたことに、自分自身も娘と参加しながらとても感動しました。

言葉、特にテキストになると一人で自分のペースで紡ぐこともできます。ところが対話となると適宜相手にペースを合わせたり、相手の文脈を読み取って話を返さないといけないこともあるため、時にはメンドクサイと感じることもあるでしょう。しかしこのメンドクサイと感じるやりとりこそが、あなたの「よむ」と「きく」の筋肉をしっかり鍛えてくれます。

対話がうまく運ぶポイントはお互いの相手への関心と質問する力です。自分の中であらかじめ準備したテキストをそのまま相手に読むのではなく、今目の前にいる相手に対して純粋に興味や関心をもって、相手が今どんなことを思い、何を感じているかを素直に質問として投げかける。それはつまり、相手を心から理解しようとする行為です。そして相手からの問いかけに、真剣に考えて返事をする。これは自分の中にある言葉を紡ぎ言語化するアクションです。

こういった対話という行為そのものが、自分自身の体験と思考を深めてくれるため、一周回って自分一人で本や文章を読むときや、誰か人の話を聴くときにも、独りよがりにならずに取り組むことができます。自分も周りも様々な言葉に取り囲まれているこんな状況だからこそ、言葉に振り回されるのを恐れて自分の内側に閉じこもることなく、ぜひ心を開いて誰かと対話する機会を大切にしていけるといいなと思います。

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