映画のような巻き込まれ型小説

2007年5月7日に投稿したブログより。

間の悪い時に、間の悪い場所にいるフリーライターを主人公にしたシリーズ第4弾。

こういうシリーズものは途中から読み始めた人には、主人公とその周辺のメインキャラクターとの背景が説明されず、会話ひとつとってもピンとくるものが少ないかもしれませんが、物語が発しているメッセージは強烈なものがあります。

「世界中の人間がアメリカを憎んでいる」、というのが一貫したメッセージになっています。そしてその裏にある、今までアメリカの傲慢さが行ってきた蛮行の数々。極悪なはずのテロリストの主張が結構筋がとおっていたりします。

アメリカのある街中で、遺伝子操作されたエボラ熱のウィルスがバラ撒かれ、死者はわんさか、周囲はメチャメチャ。主人公はそして人類は、この最悪のテロリストとどのように対峙していくのか。

バラ撒かれるものがものだけに、読んでいて本当に息苦しくなったし、街を歩いていても呼吸がし辛くなる日々が続きました。

サリンのこととか考えちゃうと、結構職場周りとかも落ち着かなかったりして・・・。読み終わるまでの日常は何か気分的に圧迫感がありました。

そして決して主人公にとってもハッピーな展開にならないところが、このシリーズのリアルなところです。

でもまあ、ジャーナリストという設定とはいえ、こう何回も最大級の被害に遭うのはダイ・ハードとこれくらいじゃないかしら。

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