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心を込めて触ることの価値は、高まっていると気づけた。|店舗経営者に聞いた「あれから一年。」vol.4 - アンジェラックス 大杉 一真さま

フィットネスクラブを中心としたリアル店舗の顧客管理、予約、決済システムを提供する「hacomono」。私たちは2021年3月19日にサービス開始より2周年を迎え、特設サイトを公開しました。

社会が新型コロナウイルスに覆われて1年あまり。特設サイトでは、リアル店舗を経営する方々の生の声をお届けしています。
https://anniv.hacomono.jp/
それぞれが直面した苦しさや、その中でこそ見つけられた気づき、起こした行動、これからの展望……。この連載では、サイト上で語りつくせなかった言葉をお届けしていきます。

第4回は、アンジェラックス CHROの大杉 一真さまです。

アンジェラックス
アンジェラックスは、東京(表参道・恵比寿・渋谷・外苑前・新宿)、長野、松本、福岡天神に店舗を構えるスキンケアがドメインのエステティックサロン。ラグジュアリーな時間とプラクティカルな結果の両立が支持され、美容のライフパートナーとして、多くの女性の共感を集めています。
https://angelux.jp/


雇用も、会社の文化も守る。スタッフの想いと協力が、乗り越える原動力に

―この1年を振り返って、いちばん難しく感じたのはどういった部分でしょうか?
1回目の緊急事態宣言が出た時は、まだこの店がオープンして半年ほどで。これから会員をどんどん増やしていこうというタイミングで集客が減速してしまったことですね。表立って広告を出したりするような時期でもなかったので、手の打ちようがなかったという側面もあったのですが。

―休会、もしくは退会される方も多かったでしょうか?
遠方から足を運ばれる方は退会されることもありましたが、基本的には継続してくださる方が多かったです。落ち着いたらまた来られるようにと、休会プランを利用される方が多かったのはありがたかったですね。

―お店を続けることができた原動力はどういったものでしたか?
せっかく新しいチャレンジをしようと思い立ち上げたお店なので、ここで終わってしまうのはもったいない、経営者として守らなきゃいけないという責任感はありました。守るというのは雇用ももちろんですし、会社やお店の文化みたいなものも含めてですね。

さらに、スタッフが自分ごととしてとらえてくれて、積極的に協力をしてくれたことも大きかったです。このお店が2020年10月に1周年を迎える予定だったので、なんとしてもそのお祝いができるように頑張ろうとみんなが奮起してくれて。そういったあたたかな想いも、原動力になりました。

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お客様とのコミュニケーションにおける「余白」を演出していきたい

―お店を運営していくにあたり、いちばん注力されたのはどういった部分でしょうか?
従業員の士気を保つことでしたね。会社として今はどういう考えを持っていて、中長期的にはどうしていきたいかなど、しっかり想いを伝えてコミュニケーションをとることを意識していました。「この状況を一緒に乗り越えていきたいから、みんなで協力して、知恵を出し合って対策を考えよう」といったやりとりは、スタッフとの間でかなりしていましたね。

―リモートをはじめ、コミュニケーションのあり方が大きく変わりましたが、それを受けてチャレンジしていきたいことはありますか?
お客様とのコミュニケーションでの「余白」みたいなものを、どう演出していくかの問題意識は強く持っています。たとえば、以前であれば寒い時期にはお客様にホッカイロをお渡ししていました。そういったアナログだけど心があたたまるようなコミュニケーションって、今は難しくなってしまいましたよね。

デジタル化が進めば進むほど、コミュニケーションの効率はどんどん高まっていきます。だからこそ、効率とは異なる「余白」の部分をしっかり追求して、お客様とお店との新しい関係性をつくっていきたいです。

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この時代だからこそ、エステやスキンケアの価値は高まっていると気づけた

―将来、こんな体験をお客様に届けたいという展望はありますか?
エステって「美容マニアのためのお店」というイメージが、まだ根強く残っている気がします。たとえば、美容院には行くけれどエステには行かないという方って、すごく多いですよね。

僕たちは、ブランドの理念である「世界中にもっと美しく生きる人を」の実現を目指して、限られた女性だけではなく、多くの方々に来ていただけるようなお店づくりをしていきたいです。

―このような状況になってわかった、ポジティブな気づきはありますか?
リモートでのコミュニケーションが増えたことは、プラスの側面も多いと思います。その一方で、僕自身、リモートで小さな子どもに十分な愛情を伝えられるかというと、そこは難しいなと。だから、抱っこやギュッとするなど、スキンシップを通して直に愛情を伝えていくことの重要性にも気付いたんです。それはまさにエステやスキンケアの分野に通じる部分で。

今は、身体的なコミュニケーションが少なくなってしまっていると思います。だからこそ、私たちの提供できる人の肌を心を込めて触ることの価値は高まっている。そういったポジティブな気づきを得ることもできました。


―店舗経営者に聞いた「あれから一年。」―
vol.1 CLUB PILATES JAPAN 尾上 彰さま
vol.2 COCOYOGA 吉田 なるさま
vol.3 LP BASE 大塚 慶輔さま
vol.5 GRIT NATION 林 周一郎さま
vol.6 スポーツクラブNAS 中川 綾さま
vol.7 blue DANCE studio U-KIさま
vol.8 UMBER 荻山 麻衣子さま