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それでも、私はずっとヨガで生きていく。|店舗経営者に聞いた「あれから一年。」vol.2 - COCOYOGA 吉田 なるさま

フィットネスクラブを中心としたリアル店舗の顧客管理、予約、決済システムを提供する「hacomono」。私たちは2021年3月19日にサービス開始より2周年を迎え、特設サイトを公開しました。

社会が新型コロナウイルスに覆われて1年あまり。特設サイトでは、リアル店舗を経営する方々の生の声をお届けしています。
https://anniv.hacomono.jp/
それぞれが直面した苦しさや、その中でこそ見つけられた気づき、起こした行動、これからの展望……。この連載では、サイト上で語りつくせなかった言葉をお届けしていきます。

第2回は、COCOYOGA 代表の吉田 なるさまです。

COCOYOGA
COCOYOGACOCOYOGA(ここヨガ)は用賀と溝の口にある少人数制ヨガスタジオ。「あたりまえの毎日に潜む奇跡に気づく」きっかけを与えられること願って、一人ひとりの身体の特性や状態に寄り添ったレッスンを行っています。
https://cocoyoga.jp/


撤退しても、私はきっとヨガを教える。そう気づけて腹をくくれた

―さまざまなタイミングで、難しい場面があったかと思います。中でもいちばん苦しさを感じたのはいつでしたか?
1回目の緊急事態宣言の時はまったく先が見えなかったので、ネガティブな方向にいろいろな選択肢が浮かんでいました。撤退するなら傷の浅いうちがいいんじゃないか。けれど、本当に撤退を決断できるのか。そんなふうに気持ちが行ったり来たりしていた去年の4〜6月あたりは、精神的にもいちばん追いつめられた時期でしたね。

―その期間は、数値的にもかなりのインパクトがありましたか?
打撃のもっとも大きかった月では、売り上げが昨年比で97%減になりまして。平均すると92〜3%減という時期が3ヵ月ほどありました。

―厳しい期間の中、スタジオを続けることができた原動力はどういったものでしたか?
撤退については、かなりリアルに考えていたんです。でも、実際に撤退したとしても、私はまたヨガを教えるだろうなぁと気づくことができたのが大きいですね。

従業員のヒアリングシートの中でも「ヨガ以外の仕事をするイメージが湧かない。生きていく意味みたいなものを、丸ごと失ってしまうような気がします」と書いてくれているメンバーもいて……。

どんな状況の中でも、きっとヨガを教え続ける。だったら自社で続けていこうよって、自分の中で腹をくくれました。

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売り上げよりも、信頼を保ち続けることを第一に考えた

―1回目の緊急事態宣言が明けてからは、業績は徐々に回復していきましたか?
うちの場合はありがたいことに、想定していたよりは早くV字を描いて回復をしてくれました。8〜10月あたりには戻ってきていた印象です。

―その要因はなんだったと思いますか?
なによりも意識していたのは、再開する日に向けて信頼を保ち続けることでしたね。私たちの売り上げが落ちることは気にせず、信頼のためならいっそ意識的に落としてしまっても良いとさえ思っていました。

たとえば、1回目の緊急事態宣言の時はスタジオを閉めていたので、休会していただくよう、こちらから積極的にお声がけをしていました。その理由に関しても、弊社の懐事情も含めてかなりオープンにご説明しましたね。

まずは「COCOYOGAに通っていてよかった」と既存の生徒さんが思ってくれること。そしてその評判が呼び水となって、新たな生徒さんがきてくださればいいなと考えていました。

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ストレスが多様化した今の社会だからこそ、私たちのサービスの真価が発揮される

―この1年で働き方や生活が大きく変わりましたが、それを受けてチャレンジしていきたいことはありますか?
「Uni(ユニ)」というオンラインで瞑想・ヨガを受けられるサービスを新しくはじめました。働く人に特化したものにしようとしていまして、それはまさに世の中の動きを受けた部分が大きいですね。

実はその前の4月にCOCOYOGAの生徒さん向けにオンラインサービスをはじめていて。その時は思うようにご利用いただけなかったんですね。

実際に利用していないのに会費だけかかるようなサービスにはしたくなかったんです。スタジオレッスンの下位互換にはならないようにすること。それでいてユーザーさんの金銭的な負担も減らせること。そんな方法はないかと考えた結果、少しサービスの立ち位置を変えて、Uniは企業の福利厚生としてご利用いただけるようなサービスにしていこうと決めました。

―最後に、今後の店舗運営に向けての宣言をお聞かせください。
もともと私たちは、ヨガを通して心が救われる経験を提供したいという思いで店舗を運営してきました。そしてこの1年でストレスが多様化してしまい、苦しさを感じている方がすごく増えたと思うんです。

そういった面で、私たちのサービスの真価が発揮される世の中になったことを強く感じています。しっかりと思いや価値を発信することで、それを必要としている人たちに届けていく。そんなスタジオ、ブランドづくりを目指していきたいと思っています。

―店舗経営者に聞いた「あれから一年。」―
vol.1 CLUB PILATES JAPAN 尾上 彰さま
vol.3 LP BASE 大塚 慶輔さま
vol.4 アンジェラックス 大杉 一真さま
vol.5 GRIT NATION 林 周一郎さま
vol.6 スポーツクラブNAS 中川 綾さま
vol.7 blue DANCE studio U-KIさま
vol.8 UMBER 荻山 麻衣子さま