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あらゆる人に、ピラティスの楽しさを伝えるために。|店舗経営者に聞いた「あれから一年。」vol.1 - CLUB PILATES JAPAN 尾上 彰さま


フィットネスクラブを中心としたリアル店舗の顧客管理、予約、決済システムを提供する「hacomono」。私たちは2021年3月19日にサービス開始より2周年を迎え、特設サイトを公開しました。

社会が新型コロナウイルスに覆われて1年あまり。特設サイトでは、リアル店舗を経営する方々の生の声をお届けしています。
https://anniv.hacomono.jp/
それぞれが直面した苦しさや、その中でこそ見つけられた気づき、起こした行動、これからの展望……。この連載では、サイト上で語りつくせなかった言葉をお届けしていきます。

第1回は、CLUB PILATES JAPAN 取締役/COOの尾上 彰さまです。

CLUB PILATES JAPAN
CLUB PILATES(クラブピラティス)は全米600店舗に展開する世界最大のピラティススタジオ。世界中で3,000人のインストラクターを採用し、毎年800万回以上のクラスを提供しています。
https://www.clubpilates.co.jp/


2ヵ月間、すべての会員に退会していただいた。正解がない中での大きな決断

ーこの1年、いろいろな側面で判断に迷われたかと思います。中でもいちばん難しく感じたのは、どういった部分でしょうか?
たとえば売り上げを第一に考えるのであれば、営業を続ける必要があります。でも、そのためにはスタッフに電車で出勤してもらわなければなりません。当時はひとつの判断に対してそれぞれメリットとデメリットがあり、天秤にかけながら選択をしなくてはならなかったため、迷いの連続でしたね。

―その中で、クラブピラティスさんはどのようなご決断をされましたか?
前回の緊急事態宣言の時は、当時の会員の皆さまに退会していただいたんです。僕たちも初めてのことだったので、今はなによりもお客様の健康を最優先にしようと。2ヵ月間完全にスタジオを閉めて、その間は1円もお金をいただきませんでした。

―そうした大きな決断の中、再開に向けての原動力はどういったものでしたか?
会員の皆さまのためにという思いはもちろんですが、なによりもスタッフの居場所を残すことを重要視していましたね。

スタジオを再開した後、人件費を減らすならクラスを削るのがいちばんだとも考えました。でも、そうすると受付のスタッフは働ける時間が短くなってしまいます。インストラクターも、うちで時間が空いたからといって、他のスタジオでレッスンができる状況ではありませんでした。雇用を守るために、シフトもクラスも極力そのままにするなど、とにかくその時できることをやっていました。

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再開後、会員数は30%に。それでもスタジオを続けることができた、会員からの励まし

―スタジオを閉めていた2ヵ月間は、どのような取り組みをしていましたか?
少しでもできることをと、オンラインレッスンにチャレンジしました。でも、このスタジオってやっぱり、マシンがあってこそなんです。マシンが使えないのであれば僕たちがやる意味はないと感じ、迷う時期が続きましたね。

―その後スタジオを再開されて、またゼロから会員を呼び込まれたのでしょうか?
再開後に会員の皆さまに連絡はしたのですが、やはりまだ慎重な判断をされる方が多かったですね。当時の会員様で、戻ってきていただけたのは30%ほどでした。ですがその分、そうした方々とのコミュニケーションは、より深くなったと感じています。

―会員の方々からいただいた言葉の中で、印象に残っているものはありますか?
「大変だったね」とか「今は辛いよね」とか、僕たちの気持ちに寄り添った声をたくさんいただいて、本当にありがたかったです。それに「開けてくれることがすごく嬉しい」と言っていただけると、やっぱりこちらも嬉しいですね。やっていてよかった、これで正しいんだと勇気をもらえました。

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ピラティスへのイメージを変え、ひとりでも多くの人に楽しさを伝えていく

―今回のコロナ禍に限らず、将来こんな体験をお客様に届けたいという展望はありますか?
ピラティスって、まだまだハイセンスな方がやるものだっていうイメージが抜けていなくて。でも、もともとリハビリテーションからはじまっているため、本当はあらゆる人に開かれたものです。

たとえばこのスタジオも、車椅子の方が通れるように段差がない設計になっています。老若男女すべての人が、明るく楽しい空間でピラティスをやる。それが当たり前になってくれたらと思います。

―最後に、今後の宣言をお聞かせください。
まずは安心してスタジオに来ていただきたいです。リスクを極限まで落とせるように、感染対策には本当に力を入れています。

また、日常生活においてコミュニケーションが希薄な状態が、まだまだ続いていくと思います。リモートワークで凝り固まった身体をピラティスで癒してもらいつつ、ここに来ることで家や職場とは違ったコミュニティをつくっていただけたらいいなと考えています。

―店舗経営者に聞いた「あれから一年。」―
vol.2 COCOYOGA 吉田 なるさま
vol.3 LP BASE 大塚 慶輔さま
vol.4 アンジェラックス 大杉 一真さま
vol.5 GRIT NATION 林 周一郎さま
vol.6 スポーツクラブNAS 中川 綾さま
vol.7 blue DANCE studio U-KIさま
vol.8 UMBER 荻山 麻衣子さま