見出し画像

再録ハコボレ落語研究会『世別レ心中』稽古場こぼれ噺〜その⑤

おまくら

ええ、どうも、本日もご愛読願います。
4月になりました。街の桜は早くも散り始め緑色が差し込んで。
暖かい日差しと、半袖に羽織で過ごせる気候。何かが始まる気がする、何かを始めてやろうと気分が高まる。そんなワクワクする、でも少し寂しいような、一年の中で最も好きな四月の始めの日が「嘘をついてもいい日」なんて誰が考えたんだ。
嘘をついていいのは午前中だけ〜とか訳のわからんルール、そんなこと言ってるけれど、あんたら今までついた「嘘の傑作選」を集めたら、みんな短編小説くらい作れるじゃないのかい?
 地元の人に「芝居なんて嘘つきみたいなもんやろ」って言われたことを覚えています。「脚本なんて、無いことをあるように書くんだから嘘じゃん」なんて心ないことを言ってきたアイツも覚えてるからな。

なんて嘘を書いてみる。著しく心象を悪くしたところで、実は「嘘というのが嘘」かも知れない。本当に言われてるかも知れないし、そうじゃないかも知れない。
親父の本棚に「上手な嘘のつき方」みたいな心理学を名乗った本があったな。これは本当。本当のことに少し嘘を混ぜると両者が信じるみたい。とか。ほんとなのかね。そんな、嘘、本当なんてのは人間だけのもの。と思ったけど、動物だって死んだふりもするし、嘘は生きるために必要と割り切るほうがいいんじゃない?

え?今日まくら長くないかい前田さん。
稽古のことを考えるの疲れてない前田さん。いいえ。大丈夫。
今日の稽古も純度は高かった。それでは今日は少しだけ。

本番直前の俳優の脳内整理

 上のタイトルで俳優の木村聡太に前田の稽古場で起きた事を聞いてもらっている。結果、稽古場で納得した部分が、木村氏を通して腑に落ちた部分がある。
 それは、今日の稽古で脚本の一部を削るかどうか(この場面は必要かどうか)の議論を30〜40分くらいかけて対話した。対話を重ねることにより、北川さんの意図はわかるが、それでも私はそのシーンが必要な気がしていて、それがなぜかを伝えて、北川さんから別の角度から「無い方がいい理由」を紐解いてもらって、を繰り返した。かなり抽象的になっているので、詳しくは今日の木村聡太氏と喋った内容が、インスタライブのアーカイブに残っているので、是非、聞いて欲しい。

今日はそのような熱い議論を交わした稽古でございやした。
さて、残り一週間。明日は通し稽古を予定しております◎
明日も頑張ろう。本番までじっくりと作っていきます。
前回とはかなり違う、研ぎ澄まされた作品に仕上げていきますので、
劇場に観にきていただけると嬉しいです!!

公演詳細

再録ハコボレ落語研究会
『世別レ心中』
古典落語「鰍沢」から繋がる物語。

◎日時
4月8日(木) 18:00
4月9日(金) 15:00/18:00
4月10日(土) 11:00/15:00/18:00
4月11日(日) 11:00/15:00

◎会場
花まる学習会王子小劇場
東京都北区王子1-14-4 地下1F

◎チケット料金
前売:2000円
当日:2500円
あさハコ:1500円 ※11:00の回のみ

◎上演時間
約60分

-----作品内容-----

◎作・演出・出演
前田隆成

◎古典落語「鰍沢」のあらすじ
旅人は身延山に参詣へ向かう道中、吹雪に見舞われた。遠くに灯りを見つけ尋ねてみると、美しいが喉元に傷のある「お熊」と名のる女が現れた。見覚えがある彼女は元、吉原の花魁で旅人も一夜を明かした過去がある。羽振りの良い旅人に、お熊はそっと卵酒を差し出した。雪山のあばら屋から鰍沢へ駆ける、一夜の物語。

◎演劇「世別レ心中」のあらすじ
旅人は激流を下る際に、本当にご利益があって助かったのか。お気楽なニンゲンの言い伝えに嫌気がさすモノがいた。彼らの村に伝わる「鰍沢」の伝承とは話は少し違う、旅人との関わり。ケモノの九太はあの夜目にした真実と森に伝わる呪いについて語り出す。

今日もここまで読んでくれてありがとうございます。

何か一言でもメッセージをいただけますと今後の励みになりますので、なにか慈悲でも、、頼みます・・・・ばたり。

ハコボレ 前田隆成


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?