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詩_1126_「不可視」

望遠鏡を覗いたら
月の表面はっきり見えた

隣で空を見上げてる
君の横顔は笑顔だった

望遠鏡を覗いても
月の裏側は見えなかった

隣で空を見上げてる
君の心は見えなかった

熱いカップから湯気が立ち
まるで雲のように広がる

注いだばかりのコーヒーは
夜空のように真っ黒い

輝く月の表面と
君の笑顔はよく見えて

遠い月の裏側と
君の心は謎を残したまま

口に含んだコーヒーは
いつもより少し苦かった

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