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ダニに噛まれて肉が食えなくなったって!

タイトルの通りです。

北米にいた頃は、「ダニに噛まれると、ライム病になる恐れがある」という話をよく聞いていたので、それなりに注意していました。

ただ、ダニなんて、相当山の中に入らないと見れないという印象でした。

5年前にイギリスに引っ越してきて、イギリスだけでなく、スペイン、フランス、イタリアなどで山登りやクライミングをするようになりましたが、ダニの危険に関する話も、それほど聞かなかったし、実際に見たこともなかったので、油断していたのかもしれません。

3年前、フランスのピレネー山脈で、あまり人が来ないであろう森の中を歩いていた時に、ダニに噛まれました。記憶する限り、初めてでした。ピンセットで注意深く引っこ抜いたのをよく覚えてます。その後も、スペイン、イタリアの山で数回噛まれました。

一番酷く噛まれたのは、昨年、ウェールズでクライミングをした時でした。北ウェールズのスリン半島にある海沿いの岸壁でした。ここも人が訪れることはほとんどないようなところで、周りにいるのは放牧されてる羊ばかり。岸壁といっても結構草ぼうぼうで、岩を握るのと同じくらい草を握ってました。ともかく、英国らしいトラディショナルなクライミングというやつを1日楽しみました。で、クタクタになって山小屋に戻り、そのままの格好で寝袋へ。これが大きな間違えで、どうやら衣類に複数のダニがついていたようで、翌日腕に二匹のダニが噛み付いているのを発見しました。こいつらはピンセットで綺麗に取りましたが、さらに翌日、腕と足に無数の水膨れが出始めたのです。結構、酷い状態だったので、とにかく町医者へ行きました。ちょうど、猿痘が話題になっていた時期だったので、いろいろな血液検査をしました。幸い、ライム病や猿痘に関しては反応なしでしたが、医者の話だと、あまりにたくさん噛まれたので、体がアレルギー反応を起こしているのでは?ということでした。

その後、水膨れも、少しずつ治ってきたのですが、ある日、妙なことが起こりました。晩御飯を食べに、中華屋に行って牛肉麺みたいなのを食べました。そしたら、時間後、急激に気持ちが悪くなり、蕁麻疹が出始めました。そのときは、食中毒かな?と思いました。ただしばらくすると状態も良くなり、蕁麻疹も引きました。

それから数週間後、友人と飲み屋に行ってソーセージピザを食べました。そしたら、また数時間後に蕁麻疹。その後も、豚肉を生姜焼き食べたら蕁麻疹、豚のリブ食べたら蕁麻疹、子羊のロースト食べたら蕁麻疹、と、どうやら肉を食べると蕁麻疹が出るというパターンが出来上がってきました。

そこでインターネットで「肉を食べたら蕁麻疹」と調べてみると、まさか、「肉アレルギー」なるフレーズが出てきました。しかも説明を読んでみると「ダニを介して肉アレルギーが発症する」なんて話まで!医学的にな話は端折りますが、ダニの唾液にアルファガルというのが含まれてて、ダニに噛まれると、コレに対する抗体が作られるんですが、実はこのアルファガル、赤肉にも含まれていて、肉を食べると体が「ダニに噛まれた!えらいこっちゃ!えらいこっちゃ!」と過剰反応するからだそうです。本当か????と目を疑いましたがどうやら本当らしいです。

ただ、そのあと日本に帰国した時に、人間ドックで食物アレルギー反応のテストもやってもらったんですが、肉アレルギーとは言われませんでした。そんなわけで、イギリスに帰ってきて、アレルギー診療にかかるための長い順番待ちをしてます。

そんなわけで、ダニのせいで半ベジタリアンになってしまったわけです。半ベジタリアンというのは、鶏肉は食べられるからです。周りの人は「食生活が健康になってよかったじゃん」と言ってます。まぁ、ポジティブに受け止めていきます。

外遊びが好きで、血の滴るようなお肉が大好きなひとはダニに気をつけてくださいね。日本でも症例はあるようなので。



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