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2017年12月の記事一覧
17/12/25 サンタ魔嬢
彼女に消灯の合図をして準備に取りかかる。
サンタ服を着る邪魔になる翼を取り外す。アマゾネスドットコムから取り寄せたモコモコの上着を羽織る。クリスマスが冬で良かった。薄着の場合、装甲を脱げない以上珍妙な格好になっていただろう。
ズボンを履き、帽子を被る。鏡を見て完璧なサンタ姿、いやヒゲをつけ忘れていた。ヒゲとプレゼント袋を装備して改めて鏡を見る。完璧。
「カラーリング的にはプロトタイプの方がサンタら
17/12/24 メリークリスマス 作:どくどくウール氏
「『……今はただ備えよう。メリークリスマス。』…っと、ふぅ…やっと書けたわ」
久しぶりの執筆を終えて、私はほっと一息ついていた。最近読みたい本が多くて、中々こっちに手が回らなかったのだ。
時計を見るともう日付が変わりそうだ。そういえば今日はクリスマスイブだったか。
浮き足立つ世俗とは切り離された私だけど、それでも神聖で楽しい日だという認識はある。
…よりにもよってそんな日に書いているのが古
【連載中】よもぎ様から夜伽の手ほどきを受けるはちみつちゃん
【1】
白い。シンプルながら繊細に編まれたレース、それを贅沢にあしらった下着と、そこから、細くまっすぐに伸びる両足……よもぎの視線を恥じらって俯いた、その頬だけが紅い。
「……よもぎ様。あの、あまり……」
消え入るような声に、よもぎは慌てて目を逸らした。そしてすぐに頭を抱える。
見ないわけにはいかないのだ。むしろ、これからもっとあからさまなところを見ようとしている。
「ええと、はちみつちゃ
17/12/19 ハニーシュガーシリーズ② 作:どくどくウール氏
「マスター、また夜更かしして本を読んでいるのね」「うっ、Ⅱ号機…これはその…」
最近どうもマスターの体調が不安定だと思って見張っていたら、案の定だ。
マスターは面白い本を見つけると寝食を忘れて夢中で読み続けてしまうクセがある。
普通の人間ならまだしも、病弱な自分の体のことも考えてもらわないと。
「これはその?何だというのかしら。私は昨日も早く寝なさいと言ったでしょう?」
「うぅ…ごめんな
17/12/14 運には自信があるのよ?その後 作:ブルータス氏
「で、言い訳はあるかしら」
ベッドに腰かけているはちみつ子を見下ろす形で向き合う。叱るときには見下ろして威圧するのが領主としての嗜みだ。
「最初は調子良かったもの」
心なしか膨れっ面をしながら彼女はしぶしぶと弁明をした。その様はまるで子供のようで可愛らしかったが、それで有耶無耶にされては彼女のためにならない。
「ギャンブルに嵌まる典型例じゃない。わたしは引いちゃ駄目って言ってたわよね?」
今回減っ
17/12/07 運には自信があるのよ? 作:ブルータス氏
「こう見えて私、運には自信があるのよ?」
ふんすと鼻息をひとつ、特に意味のない腕捲りをしながら彼女は一歩も引かない姿勢をみせる。
こんなスイッチが入った時の彼女を説得するのは骨が折れるが、彼女の言葉に賛同できない私は腕を伸ばして彼女から端末を引き離す。
「どうして引かせてくれないのかしら」「ターゲットを引ける確率は1パーセント未満よ。あなたに当てられるわけないじゃない」「そんな事は引いてみないとわ
17/12/06 珍しい料理を食べてみたい 作:ブルータス氏
「珍しい料理を食べてみたいわ」というはちみつ子さんのワガママに応えて創作料理を試みてみるも普段と違ってエリザベートオリジナル気味の料理を作ってしまったⅡ号機。
棄てようとするも見つかってしまい、断りきれずに食卓に並ぶことに。「Ⅱ号機の料理だもの、美味しいに決まってるわ」と微笑むはちみつ子にオリジナルのテロい料理のデータを思い出して「もしもの時はすぐに吐き出しなさい。我慢しては駄目よ」とアドバイスす
17/12/03 全てお見通しなのでしょう
森に迷い込んだ途中に大怪我をした男が洋館に辿り着き2人に治療される回
[Aルート]
恐らく自分だけでなんとか出来るが、久々に人に会えて嬉しそうな主人の為、魔嬢は、はちみつ子と一緒に本とにらめっこしながら男の治療法を探した。
怪我で動けないせいか、男はよく喋った。
森の外の事、出会った人の話、令嬢が持つ本に登場する国に実際に行った時の思い出……。
少し離れた場所から笑顔で彼と会話する令嬢を、
17/12/02 ハニーシュガーシリーズ① 作:どくどくウール氏
書けたら送るのでお待ちくださいと言ったなあれはウソだ。書き終えてからあのお題投げたんだからなッ!
3ページほどになると思います。つたない文章ですが、お納めください
(1/3)
「あだ名?」「そう。明日一日はあだ名でお互いを呼んでみましょうよ」
寝る前にふと思いついたことをⅡ号機に告げると、彼女は怪訝な顔をした。
「またおかしなことを言い出すものね。そもそも、今の私の呼び名自体があだ名のよう
17/12/02 はちみつ子の質問
はちみつさん、こんばんは。いつもツイート楽しく拝見しております。質問させていただきたいのですが、
◆ ◆
「心が病むのと、身体が病むのと、どちらが辛いのかしら。自分も、周りも」
いつものように、遠く古代ローマの狂帝について楽しげに読み語っていた主が、ふとそんなことを口にした。
「お母さまたちも、私を見るのが苦しいのかしら?」
自分に問うているわけてはない、と、メイガス・エイジス・エ
17/11/26 流星群END(病弱令嬢視点)
私はぼんやりと外を見つめる。夜空には星々が輝いていた。
体が妙に重い。どうやらもう時間らしい。
少し残念だけど仕方ない。まだまだやりたいことはあるけど、悪くはない人生だったとは思う。
「マスター、いくわよ」
彼女が急に部屋に入ってくる。
そして、私にあるったけの洋服を着せていく。
「外は寒いわ。風邪をひかないようにしないとね」
彼女は窓を開け放つ。ひんやりとした夜の空気が部屋を満たす
17/11/25 流星群END(鋼鉄魔嬢視点)
鋼鉄のボディにマスターの温かさを感じながら、夜空を切り裂いて私は進む。
流星群が見たい
その願いをかなえるため、私は飛び続ける。
まだ早いけど、もう時間はない。
多分これが最後のチャンス。
あらかじめ調べておいた、最も美しく星が見える場所へと私は急ぐ。
「マスター……少し早かったみたいね……マスター?」
小高い山の上に着陸しながら、マスターに声をかける。
体にぬくもりは残っている。
17/11/17 はちみつ子の印象
はちみつ子さんは病弱のため読書を嗜み、妄想を楽しむ人の印象があります。そして、はちみつ子さんは自身の妄想を他者に語りたいというのもあって、歴史と創作が交じった物語を鋼鉄魔嬢に語ったりしてると微笑ましいななどと二人の関係を勝手に妄想したりしてます。
例えばですけど、体調のよい日に庭のテーブルに座り、はちみつ子さんは鋼鉄魔嬢に歴史物語を語ります。語っている最中に創作の部分が出ると「そこ伝記と違うわ」
17/12/08 魔嬢をメンテナンスするだけ 作:はちみつ
最後の皿を拭き終えるのと、マスターがにこやかな笑顔で台所に入ってくるのは同時だった。
今日もまた平穏な一日が終わろうとしている。私は食器を洗いつつマスターが午後に語った与太話を振り返っていた。
まさかあそこで第3代ローマ皇帝が大気圏へ突入するとは、この私でもシミュレート出来なかった。
この調子では明日はどの書物に自己を委ね、どんな作り話を持ち帰ってくるのやら。
そんなことを考えながら片づ