17/11/25 流星群END(鋼鉄魔嬢視点)

鋼鉄のボディにマスターの温かさを感じながら、夜空を切り裂いて私は進む。

流星群が見たい

その願いをかなえるため、私は飛び続ける。

まだ早いけど、もう時間はない。

多分これが最後のチャンス。

あらかじめ調べておいた、最も美しく星が見える場所へと私は急ぐ。

「マスター……少し早かったみたいね……マスター?」

小高い山の上に着陸しながら、マスターに声をかける。

体にぬくもりは残っている。だけど手遅れだった。

その体を抱きしめる。

私は機械……涙は流せない。だけど、マスターには涙よりもふさわしい言葉がある。

「そう……お疲れ様。頑張ったわね、マスター」

次の瞬間、体から力が抜ける感覚が私を襲う。

もう、活動限界時間は近い。

だけど――。

「一人は寂しいものね。もう少しだけ一緒にいてあげるわ」

体が光に包まれる。

いよいよお別れね。

私は空をふと空を見上げる。

「ああ、マスター……見える」

空からは無数の星が、きらめきながら雨のようにこぼれ落ちる。

「まだ時間じゃないのに、空から星が……」

~END~

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?