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【エッセイ】 「人間の設計図」が気になる。

 もしも、「人間」の設計図があったとしたら「完璧な人間」の設計はどのような作りをしているのだろう。


 信号待ちをしてるときに、右足に重心がかかっている事に気付く。
お風呂上がりに、体を満遍なく拭くけどおへその中だけ拭き忘れる。
こうしたら面白そうという探究心が生まれても、行動に移さない。

 考え事をしているときに、ペン回しをしている。
電話で話すときは「あっ」と最初に言ってしまう。
周りに流されやすい。
心で否定しても、声では肯定してしまう。
断れない。
人の顔色に合わせた意見しか言えない。
ネット上では自分の意見が言える。
だけど、否定されたら凹む。

 人間なんて知能や言語があるだけでただの猿だし、完璧なんてものは存在しない。
感情に流されやすいし、トラブルが起こると普段の動きが出来なくなる。

 誰かに己を否定されたら「自分のことは自分にしかわからない」とか言うくせに、
自分の身に何か起こった時は「自分のことが一番わからない」とか言う。

 何かあれば、常に誰かのせいにしたがる。
自分は特別とか思っちゃう。
「良いこと」しか信じない。
「これが嫌い」と思ったら受け入れない。
"一人だけ"を好きでいられない。


 人間として生まれたくせに、「人間が嫌い」とか言っちゃう。


 ニンゲンという生き物は良くも悪くも、
普段の生活の中で、より良い方へ(=自分の気持ちが良い方へ)流れるように無意識の中で選択している。

 手に持ったゴミを捨てられる場所が無ければ、道端に投げてしまうのはそのせいだろう。

 結局、自分が気持ちの良いものであれば何だって良いんだと思う。
自己満足と利己主義。こんなの誰だって当てはまる。
「私は人を救いたい」と言うならば、すぐにでも発展途上国へ行く器量はあるのか。
人の話を聞くだけで、世界は救えるのか。
ただの自己陶酔で終わっていないか。

・・・

 人生で最大の難題「自分とは何か」に答えられる人間は何人いるのだろうか。

『キャンプが好きで、漫画とアニメが好きで、物語を書くのが好きで、動物が好きな男です』

 こんなの世の中にたくさんいる。
ただの自己紹介では、自分とは何かの答えにはならない。

 人間の設計は、曖昧。矛盾だらけ。欠点だらけ。
そんなズブズブな設計でも、持ち合わせたもので生きていくしかないし、
足りない脳みそで難しく考えて、結果死にたくなってんじゃ仕方ない。

 理想はあっていい。
だけど、完璧は求めすぎない。
肩の力を抜いて生きて良い。

 人間って、そもそも適当な作りしてるんだから、
自分にも他人にもフィフティーフィフティーで迷惑かけるくらいが丁度いい。

 完璧な人間の設計図なんて初めから無いんだから。


我が家のにゃんこへ献上いたします。