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「食パン」 けっち

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Photo by Graphy Co on Unsplash

日本人の主食は「米」であるけれども、もし仮に僕が生まれてから今まで食べた朝食メニューを数えることがあったとしたら、きっと一番食べているのは食パンであると断言できます。それくらい食パンを食べてきたわりに、パンにたいするこだわりはそんなにありません。

最近は「高級食パン」というジャンルもうまれているみたいで、1本(2斤)1000円前後のパンがたくさん売れているみたいです。都心部にいくとあちこち「高級食パン」の店を見かけるようになったけれども、僕の記憶のなかで1斤あたり500円の食パンを買ったことがないので、一体どんな味がするのか想像つかない。

この文章を書きだすまで、そもそも「高級食パン」を食べようとも思ったことがないことにも気がつきました。そして、実は「高級食パン」の値段すら知らなかった(店の中に入ったこともない)ので、今先ほどGoogleで検索して初めて1000円前後だと知りました。

それで思ったのは「1000円」というのは、食パンを買うのには高いな、と思うけれども「高級○○」と書いてあるわりに、なんとなく安い気がします。高級時計、高級ワイン、高級牛肉……思いつくままに挙げてみたけれども、とてもじゃないが1000円札1枚で買えるものは普通は高級とはいいません。

高級食パンの店の前を一度とおったとき、おばちゃんの軍団たちがそろってパンの紙袋を持ってでてきたことを覚えています。そのとき「財布の紐がかたいおばちゃんたちが、高級食パンを買うのかー」と思ったものでしたが、いま、これを書きながらその理由がわかったきがします。それはあきらかに「高級食パン」というネーミングが原因にちがいない。

これが「全粒粉食パンの店」だったとして、同じものが1000円だったらこんなに人気だったでしょうか? おばちゃんたちをキャッチしたのは、「高級」であり、高級なのに千円、というところではなかったか。

……まったく食べたことがないので、高級食パンの「高級」にばかり反応してしまいましたが、パンにたいするこだわりは「そんなに」ない、と書きました。でも「すこしは(こだわりも)」あります。それは今だったらスーパーでフジパンの「本仕込み」の4枚切を買うということ。これはかなり徹底していて、「超熟」だったり「ダブルソフト」だと、それはそれでおいしいことは知っているものの、「んー」と不満な顔つきになります。

フジパンの本仕込み4枚切りは本当においしい。このパンのバタートースト最高です(ここはけっしてマーガリンではなくバター)。カリッとしてますが、サクッと軽快におわらないところがいい。サクッのかわりにモッチリ、ムギューとした噛みごたえがあります。喫茶店のバタートーストは美味しい、というけれども、元純喫茶勤務者としては、フジパンの本仕込み4枚切を買ってすぐ冷凍して、それを食べるとき2枚で1分、レンジで解凍したところにパン切り包丁(のこぎりみたいな包丁)で「井」の切り込みをいれてバター5グラムのせてトーストし、焼きあがったところに追加で5グラムバターをのせる……一方は溶けきったバター、もう一方はこれから溶けてゆくバターで、このバタートーストをほおばる美味しさといったら!

ちなみにフジパン本仕込みを買うとき、基本は1斤100円の安売り店での購入です。一般的なスーパーの平均は145円前後で、高いところだと170円くらいするでしょうか。この100円の食パンで喫茶店クオリティーなバタートーストを食べているので、1斤500円の高級食パンがどんな味がするのか、なかなか想像がつかないでいます。今日もありがとうございます。

追記

そういえば、ここまで書いていて、よく20代半ばにドンクやアンデルセンで1斤350円くらいだった(あいまい)食パンを時々買ったことを思い出しました。そしてそれは当時60円くらいで買っていた某スーパーのパン(半額のときにまとめて買うので定価は120円くらい?)を食べていた僕には特別に美味しかったことを思い出しました。ほんとにここまで書くまでドンクのパンのおいしさのことを忘れていました。なんでだろう。そのころはフジパンの本仕込み4枚切りとも出会ってなかったし、喫茶店勤務になる前の僕にはバタートーストといっても使うのはマーガリンでした。それに切り込みをいれて焼くこともなかったし、パンはそもそも6枚切りを買っていました。そういう時代に食べたドンクの厚切りの350円トーストはスペシャルにうまかったのはあたりまえでしょう。さて、ドンクの食パンでさえ通常の3倍以上なのにはたして「高級食パン」を僕が買うことはあるでしょうか。


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