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「ジャズピアノ」 はっち

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Photo by Geert on Unsplash 

ジャズを知って、楽器の持つイメージが一番変わったのがピアノだと思う。

ピアノと言われてイメージするのは、「わりと穏やかで優しくて聞いてると眠くなる音楽」、「優雅な習い事」、「ショパン」といったものだった。要するに、あらゆる楽器の中で一番メジャーであるにも関わらず、一番つまんない楽器だと思っていたのだ。

ところが、ジャズ界の中のピアノはまるで百面相。曲によっても、弾き手によっても、あるいはセッションメンバーによってもくるくると表情が変わり、時折「これは本当に同じ楽器の音なのか」と思う。ビル・エヴァンス、バド・パウエル、オスカー・ピーターソン、レッド・ガーランド、、、

挙げ始めるとキリがないが、どれもそれぞれに魅力があり、全然飽きない。

「ピアノ、いいじゃん」と思い始めた私に、生ピアノならではの迫力と感激を与えてくれたのが、ベニーグリーンのライブピアノだった。

当然ながらそれまでCDやレコード音源でしかジャズピアノを聞いたことがない私が、ベニーグリーンのピアノを生で聞いた時、ピアノと人が一体化するとはこういうことか、と思った。まるで自分の体の一部のようにピアノを操り、色とりどりの音を生み出す。楽しそうに弾いているのを見るとこちらもつられて楽しくなり、しっとりした音色だとこちらの気持ちもしっとりする。そしていつしか、自分の気持ちが上向いて心が晴れやかになっていることに気づく。

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