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膨大な調査が実現した、小説より奇妙な事実の小説『坂の上の雲』

かなり間が空いたけど、3つめ。タイムラインのbookcover challengeも、落ち着いてきた印象。
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#7days #7bookcovers
1冊目:『はてしない物語』ミヒャエル・エンデ

2冊目:『北極百貨店のコンシェルジュさん』西村ツチカ​

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3冊目:『坂の上の雲』司馬遼太郎

文庫版全8巻、サボりサボりで約4ヶ月、ようやく読み終わりました。大学時代にも読もうとしたけど、長くて飽きてサボってる間にフェードアウト。完読ならず。昨年末に「曾祖父軍人手帳発見事件」もあり、明治の軍隊が気になって読み始めました。

するとまぁ、驚くほどすらすら読める。昔読んだ時の記憶が全くないから(初回の興味の無さよ)、初見レベルでわくわくする。難しいところはググりながら、時にはWikipediaで脱線検索しながら、GoogleMap片手に、読んだ読んだ。

明治維新での学校制度改革。教員養成機関の師範学校は学費が無料で、優秀で貧しい学生がたくさん入学したこと。「父方の爺さんも師範学校出てたなぁ」なんて、自分とリンクする部分が見つかって楽しい。

近衛兵になった曾祖父さんがどうやってそんな高貴な兵隊になれたのか?何か情報があればいいなぁと思っていたけど、そこはわからなかった。

ただ、日清戦争で日本陸軍は「青銅製」の大砲を使っていたことがわかった。砲兵だった曾祖父さんは、たぶんその大砲使ってたんだろうな。青銅製って…青銅って「遺跡から発掘される銅鐸」とかのイメージなんですが、そんな素材を明治には武器にしてたの…強度とかさぁ…

そんな感じで、自分の4世代前、自分と繋がってる人々の姿を思い浮かべながら読んだら、「激動の時代」が比較的自分に近い出来事に感じられて、入り込んで読めたのでした。歴史年表の1行から、もっと肉薄したものになった(「肉薄」の使い方ちがうか、でもそう言いたい)。


「あとがき」と「解説」を読んで、司馬遼太郎先生の取材量の半端なさに驚く。
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この作品は、昭和四十三年四月二十二日から四十七年八月四日まで、足かけ五年にわたって「サンケイ新聞」の夕刊に掲載された。しかし、その前の準備の調査と読書と思索とに作者は五年余りの歳月をあてているから、かれは十年にわたる労苦をなめている。
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リンク先の文春文庫公式ページには、『坂の上の雲』および司馬遼太郎に関する記事がいくつかリンクが貼ってあるので、ぜひ。司馬先生ってこんな人だったのかと思った。「10分でわかる日露戦争」の記事は、短くまとまっているので日本史の復習におすすめです。


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