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『はてしない物語』がいつまでも読み終わらない思い出

バトンが回ってきて書いたので、noteにも載せておこうと思います。

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1冊目:『はてしない物語』ミヒャエル・エンデ

子供のときに親戚にもらったか何かで、気づけば家にあった本。人生で初めて読んだ長編(だと思う)。「読んだ」と言えるか正直あやしい。というのも、読み始めた回数は10回を超えてる(たぶん)。ただ、完読したのは1~2回。そのためあらすじはうろ覚え。だからさっきWikipedia読んだ(おい)。それでようやく「そうだった、そんな感じだったね、確かに...?」という感じである。

たしか、小学校1年生のときに初チャレンジ。チャレンジしたのが早すぎた。そりゃそうよ、長いし、難しいし。しばらく頑張って読むものの、途中で何日か空いてしまい、しばらくしてまた再開しようとするも、内容を忘れているのでまた最初から読む。それでまた間が空いて、、、という繰り返し。なので、序盤だけやたら覚えている。

『はてしない物語』は二重構造になっている。主人公のバスチアンは『はてしない物語』という本を手に入れて読み始める(この時点で、『はてしない物語』の中に『はてしない物語』が登場することになる)。 バスチアンがいる現実世界と 、バスチアンが読んでいる本の世界と、二重構造になるのだ。バスチアンのいる世界の話はえんじ色の文字で、本の世界の話は深緑色の文字で語られ、読者は今どちらの世界線の話なのかを文字色で理解する。

子供時代の自分の記憶でいうと、ぱらぱら~っとめくったときに文字が二色になっているのも珍しいし、表紙はえんじ色で傾けると色が変わっておしゃれで触り心地もいいし、章ごとに挟まれる扉絵のミステリアス感がなんともいえず心惹かれて、体裁だけで引力強めだった。おまけに、今読んでいる本の中に、今手にしているこの本の話が出てくる。文中に描かれる「表紙の描写」が細かくて、思わず自分の手の中の本をまじまじと見てしまう。

序盤に、「虚無」という言葉が出てくる。「本の世界、ファンタージエンは崩壊の危機にあり、『虚無』が広がっている」、というのだ。小1のガキに「虚無」なんてわからず、母親に「『虚無』ってなに?」と聞いた。「何もないってことよ」みたいな返事をされた。とはいえ、「何もない」がイメージできない。文中でもキャラクターが「何もない」の説明をいろいろとしているが、7歳の短い人生に「何もない」のイメージなんて持ちようがない。そこで当時の自分は頭の中で「地面にこげ茶色のだだっぴろい丸ができて、だんだんそれが大きくなっている」というイメージをした。

なんで「こげ茶色の地面」なのか。書きながら思い返してみると、近所に砂地の空き地があった。畑でもなく、子供が遊ぶような空間でもなく、草も生えず、道の両側にだだっぴろい茶色い土地が広がっていた。 風が吹けば砂が舞った。 母親と近所のジャスコに自転車に乗って買い物に行くとき、よくそこを通った。子供心に、ここを見るたびに「何もないなあ」と思っていたから、「何もない」=「こげ茶色の地面」と考えていたんだろうな。

・・・と思い至ったら少しスッキリした。
ちなみに、その「何もない」土地は後に分譲され、一戸建てが立ち並ぶ立派な住宅地になっている。

完読したことよりも、「何度も読んで、また頭から読んで」という思い出の方が強い。空想しがちな子ども時代は、「バスチアンみたいに学校の片隅でこっそり本を読んだりしてェナァ」なんて思ったもんです。屋根裏部屋とか物置とか学校の倉庫とか、あの背徳感とワクワク感はなんだろうね。あと「自分も物語の中に入ったりしちゃわないかなぁ」なんて思ったり。あるよね。そういうのね。そう、バスチアンが本を読んでいる風景ばっかり思い出します、序盤ばっかり。

小学2年生くらいから自分の中で「図書館ブーム」が始まり、近所の図書館で児童書を借りまくる時期があったけど、そのときも確か読み終わってない。小6くらいだったかな、完読したのは。覚えてねぇや。達成感くらいありそうなものだけど、全然覚えてない。

大人になってから読み返そうと思って実家から持ってきたものの、やっぱり読めてないです。これを機に、と思ったけど、まだ『坂の上の雲』が途中なんだよね…(もじもじ

完読までが本当に、はてしないです。

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