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【別府でお家を巡る旅】 - 2024年4月

移住先探しの旅として奈良では暮らしを感じながら巡り、熊本では人に出会う旅になった前回に引き続き。今回は連れ添いのさば(人)の学校がある別府を訪れることにした。
これは生き方を探して仙人修行に励む人間の話…。


~すすすハウス~

さばと友達のあゆみちゃんは別府でシェアハウスをして暮らしている。その名もすすすハウス。路地の家の隙間を潜るようにすすす~っと進んでいくと辿り着く。楽しそうなシェアハウス生活をしているようでなによりだ。ごはんの持ち寄り会をしていたり、ここはみんなが素であれる巣なのだと。別府を訪れるのなら、声を掛けてみるといいだろう。きっとなにかごはんでも持ち寄れば歓迎してもらえるだろうと思う。

すすすハウス
素であれる場所
巣である場所
酢は体に良い
水がすすすと流れていくように
たくさん歩く大酒飲みあゆみとさばとみんなの巣

Instagramより


~温泉♨~

別府はいい。温泉がある。そんなに銭湯とかお風呂とか好きなタイプでもないけど、せっかく別府に来たのだからしっかり堪能していこうと思う。泊まった宿には温泉がついているし、混む季節もあるのかもしれないけど、今回は貸切で入れることも多く、ゆったり湯を満喫できた。

街の中に荘厳な佇まいでそびえる竹瓦温泉。別府の温泉にやってきたという感じがしていい。男湯ののれんをくぐると脱衣所の扉もなく、もう目の前に浴槽が広がっていたのには衝撃を受けた。ぼくは普段温泉に入らないから、なにか温泉マナーに触れてないか半ばおびえながら入る。横にいる外国人も同じ気持ちだろうかとか思いつつ、湯の方を見ると、そんなことはどこ吹く風というようにおじちゃんたちは温泉の悦に浸るような表情だった。


~ぶらりおさんぽ~

特に予定もなく、街の中をさんぽしていると、遠くに仏塔が見えた。ので、向かってみることにした。調べてみると、実相寺公園の丘の上の妙法寺にある仏舎利塔らしい。道中の公園内はちょうど桜が見頃を迎えていた。雨の日ではあったけど、この景色をひとり占めできたのもいい。仏塔まで辿り着くとお寺の前に甘茶がご自由にどうぞと置いてあった。喫茶去。そういえば、この日は四月八日。ブッダの誕生日だった。そのために今日は甘茶を置いてくれていたのか、いつも置いているのかは分からないけど、いいとこに来たなぁと思った。

天上天下唯我独尊


海門寺公園でぼぉ~っとしていると、おじぃちゃんおばぁちゃんが楽しそうに何時間もベンチで談笑している。それを何時間も眺めているぼくもぼくだけど、この公園の風景に街の居心地の良さが滲み出ているような気がした。

別府の街はさんぽが楽しい。路地を歩けば素敵なお店に出会える。たくさんお気に入りのお店ができた。

冷麺胡月

別府名物の冷麺を食べに。混んでることも多いらしい。ぼくの次で冷麺が切れていたから、品切れ必至のお店。


喫茶ムムム

落ち着いた雰囲気のいい感じのカフェ。今回はモーニングを食べたけど、ランチにナポリタンもいいなぁ。


青い鳥∞黄い蜂

陰陽バランスを整える重ね煮カレー屋さん。ウェルカムドリンク(なんだったか忘れちゃったけど美味しかった)をくれたのが嬉しかった。居心地のいいお店。蜜蝋バームとかも試させてくれる。


西野食堂

カウンターのみの店主の個性強めの定食屋さん。別府名物のとり天を食べれて満足。


一休み

おばあちゃんが作ってくれている情緒あふれるご飯屋さん。600円でごはん味噌汁おかず食べ放題。カウンターの前の大皿にその日のタイミングで色々なおかずが並んでいる。揚げたてをもらえることも。おなかをいっぱいに満たしてくれる街のご飯屋さん。とても素敵なお店。


ルアンマイ

タイ料理屋さん。ちゃんと辛いし美味しい。毎回一品に人参の飾り切りが添えられるのが素敵。辛いの食べる時には甘いシェイクが必須だ。


味の高麗坊

にんにく料理のお店。すべての料理ににんにくを使っているらしい。マスターとママのキャラが強め。半ば押し付けられるように一押しの料理を頼んだけど、蒸し豚、ホルモンミックス炒め、ソルロンタン、どれもめちゃくちゃ美味しかった。おすすめのお店。


北高架商店街

高架下にアートな雰囲気の漂う商店街があった。別府の地域を感じられる穴場のスポットかも。


~暮らす実験~

別府の街から足を延ばし、竹田市へ訪れてみた。というのも、暮らす実験室IKIというシェアハウスに来てみたかったのだ。さばとあゆみちゃんと3人でおじゃまさせてもらった。ふらりとやってきたのだが、ごはん会をやっていて、なんだかすごい賑わい。そして、食卓に並んでいるおかずがお店で出てくる位に美味しそう。暮らしを実験するというコンセプトに添うように素敵な暮らしがあるなぁと感じた。子育て世帯が共同で暮らしているようで、一緒に子育てできる環境がシェアハウスにあるっていいなと思う。聞きたいことがあるわけでも、伝えたいことがあるわけでもなく、ほんとにおじゃましましたという感じだったが、やっぱりシェアハウスはいいなと思えるいい時間を過ごさせてもらった。


そして、途中から響き渡るような声でやってきたのはヒロシネスさん。さばは三角のエコビレッジサイハテを訪れた時に出会って話をしていたらしかったが、今はIKIの姉妹シェアハウスSIKAに住んでいるとのことでまた会ってお話しする機会を得た。終始にぎやかなヒロシネスさんとさばはどうやら波長が合うようで意気投合しているのがよかった。ダンサーであり、循気・練気・行気、気功の達人であり、愛を語る人であり、ネスパスというパスタを作る人だった。すごい人だぁと思ったし、変な人だぁと思った。


~原西さんの家~

すすすハウスでは生ごみをコンポストにして土を作っている。旅から帰って数週間ぶりに開けるとハエの巣窟となっていたが、栄養満点の土が出来てきたので、これを肥料に何か植えたい、と食べれそうな草などを買ってくる。でも、土が足りない。この地球に住んでいて、土が足りないと感じるのか。街に住んでいると自由にできる土がない。なにかしら地球の声が聞こえてくるような気がする。。(ぼくの住んでいる屋久島サウスビレッジのコンポストも生ごみの腐敗が進みまくってどうしようもないくらいなのだけれど、その辺を見渡せば腐葉土が手に入る環境に改めて感謝する。)

だれか土をくれる人はいないかということで、さばとあゆみちゃんが師匠と仰いでいる原西さんに連絡してみる。すると、二つ返事でどうぞ取りに来てということで、衣装ケース2かごを車に積んで伺わせてもらうことに。原西さんは別府から一山越える辺りに暮らしている。数十分車を走らせると自然豊かでのどかな景色になる。原西さんの家の玄関にはなぞな物が積まれていて、なんだか面白い空気が漂っている。どうやら物を修理するのが得意らしく、色んなものを受け取ってきては修理して復活させるのだそう。住んでいるお家も自分で暮らせる状態にまでもっていったそうで、生きる力というか逞しさをびんびんに感じる。キッチンカーもやっていて、マンガ肉とか肉巻きおにぎりを販売しているらしい。家の裏の畑の土を持って行っていいよということで裏庭へ向かう。ちょうどたけのこが生えてきているということで掘らせてもらうことに。ぼくがせっせと掘っていたら、原西さんは慣れた手つきで一突きで掘り起こす。ふかふかの土に立派なたけのこ達をありがたくいただいた。お家にあがらせてもらい珈琲までいただいた。玄関先から異様な雰囲気がしていたが、家の中まで物が溢れている。多趣味という段階を超えるくらいに色んなジャンルの物が所狭しと並んでいる。憧れの暮らしぶりだった。これから師匠と仰がせてもらおう。


~別府での旅を終えて~

この一ヶ月程の間に奈良と熊本を巡り、今回は別府を訪れた。春先の3月から4月にかけての時期で季節も良かったと思う。自然が芽吹く季節で気温も朗らか、人も場所も温かく感じることができたように思う。そして、この別府での旅はお家を巡る旅になったように思う。シェアハウスやお家に伺わせてもらって、そこには憧れの暮らしを見れたように思う。自分の暮らしをこれから何を目指して作っていくのか、その指標になるようなものが得られた気がするのも個人的には大きな経験。住んでいる街に自分なりの暮らしをこつこつ作っていければ、自分の居場所を感じることができて、街に居心地の良さを覚えるだろうし、お家に心地よさも感じられるのだろうと思った。

移住先探しの旅と銘打って、奈良、熊本、別府と巡ってきたのだが、やっぱり屋久島もいいなと1年住んで育まれた愛着を感じることもできた。やっぱり外に出ることで中が見えることがあるもんだ。これから屋久島に帰って自分なりの暮らしを作っていこうと思う。

どうやらぼくの旅はまだ終わりそうにない。

続く。


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