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旅の終わりもノビノビとサンライズ(part1)[2022.4-5 サンライズGR⑪]


駅前に海水池なるものがある高松は、夜でも飲み屋を中心に大変な賑わいを見せている。
ただ、なぜかその池の周りには人がいないため、私はいつもそこで立食をしたり、荷物の整理をしたりしている。

今回もその例に漏れず、同様のことをしている。もう帰京するということもあり、お土産をちょっとだけ買っているが、許容荷物量が少ないため、少しの量でもかなり圧迫してしまう。
池の前で荷物の整理をしている人を他の通行人が見たら、どのように思うのであろうか。答えは私でも察するところがあるが、それはそれで仕方ないと思うしかない。

さて、サンライズゴールデンルートと題した旅をおこなってきたが、高松から帰京するにあたり乗車するのはもちろんサンライズ瀬戸である。
21時26分の出発であるが、ホームに入ってくるのは20時55分で、その後すぐにドアが開くから、20時50分までには駅の構内に入っていたほうが良い。特に、シャワーを使いたい人はなおさらだ。
A寝台なら、シャワーカードがアメニティと一緒に置いてあるし、専用のシャワー室も用意されているから何も問題はない。
しかし、B寝台とノビノビ座席はシャワーカードにありつかなければ、使うことすら許されなくなってしまう。

先の時刻に改札を通過して、シャワーカードが買い求められる券売機に最も近いドアの待機列はすでに何組かの待ち人がいた。
”瀬戸の花嫁”のメロディとともに、サンライズ瀬戸は入ってきた。

ドアが開くとすぐに、シャワーカードを購入して、その勢いでシャワー室へと入り込む。もちろん一番風呂である。
シャワー室にはボディーソープとシャンプー、それにドライヤーが備え付けられているから、身体を拭くタオルさえ持っていれば事足りる。できれば、身体を洗うためのタオルもあれば安心だろう。

高松を発車する前にはシャワーを浴び終え、自席へ辿り着けた。我らノビノビ座席はちらほらと人が見られるだけである。やはり全区間乗り通す人は寝台を使用するのだろう。”寝台特急”というのだから、その考えが正しいのは間違いないことである。

21時26分、定時で四国・高松を発つ。
結局、高松での滞在時間はわずかに50分ほど。始発駅から乗りたいがために、このような行程になったのだから仕方ないと思いつつも、やはりもう少し観光しないといけないのは事実である。今度はそのようにしようと強く誓った。
しかし、誓ったのは今回だけではない。今後もこうなってしまうのは見え見えのことだ。反省したいが、鉄道に乗ることを好む私としては、そのほうが性に合っているのかもしれない。

坂出さかいでを過ぎ、列車は瀬戸大橋を渡って本州・岡山へと入る。
岡山からは、西からやってきた旅行客がノビノビ座席へとやってくる。まだ空席もあるから、神戸や大阪からも利用客があるというのを示唆している。

また、岡山では後からやってくるサンライズ出雲との連結作業がある。子ども連れを中心にいつもは人だかりができるとのことだが、果たして今回はどうであっただろうか。毎度、面倒で見に行かないから、何とも言えないのが大変残念だ。

作業を終えて再び東へと走り始めると、夜も深くなり、また、山がちのところを走るようになり、景色が楽しめなくなる。そうなると、もう寝ることしかやることがなくなってしまうが、”寝台特急”なのだから、寝ないともったいない気がする。

ちょうど眠気を催してきたから、ここで車窓を眺めるのはおしまいにする。
流石に疲れていることもあって、長く眠れるはずだ。
サンライズはその間にも、東京へ向かって快調に進んでいくのである。大変頼もしい限りだ。



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