スチヒデオ

北海道の札幌北斗高校演劇部顧問。 演劇は素人ですが、必要に迫られ台本を書き、演出らしき…

スチヒデオ

北海道の札幌北斗高校演劇部顧問。 演劇は素人ですが、必要に迫られ台本を書き、演出らしきものもすることになり、日々悪戦苦闘しています。

最近の記事

#009 札幌北斗高校演劇部…キリンとの旅⑤

 この話も長くなったが、とにかく大会直前に待望の稽古場が完成した。  これまで、「稽古場がなくて困っている」と言うと、演劇の事情を知らない先生たちからは「演劇なんてどこでもできるでしょ?廊下とかで練習したらいいんじゃない?」とあっさり返されることが多い。まぁ日頃の稽古ならできなくはないが、大会への芝居づくりを考えると、それは少々厳しいのだ。大会での上演時間は60分以内という規定があり、支部の事情により、状況は多少異なるものの、この規定時間を超えると、何らかのペナルティがある

    • #008 札幌北斗高校演劇部…キリンとの旅④

      毎回、教室が使えるわけではなく、その日その日稽古場を探す放浪生活。映画『幕が上がる』では、黒木華演じる吉岡先生がももクロたち演劇部員に向かって「ノマド?」というセリフがあったが、まさにそれだった。8月の終わりには、何とか新校舎4Fの福祉実習室をお借りすることができ、稽古ができていた。普通の教室で稽古すると残って勉強する生徒や、講習があるので「うるさい」と苦情が入るのだ。ちなみに運動部が声を出して廊下を走ってもそんなことは一言も言われない。文化系の部活動は少なからずそういう立ち

      • #007 札幌北斗高校演劇部…キリンとの旅③

         二人芝居はむずかしい。  芝居では、幕開きの早い段階で、必要な情報は観客に伝えたいものだ。それをどのように伝えるかが腕の見せどころなのだが、本当にむずかしい。 登場人物の台詞、人物の動作、表情、距離感、音響や照明などの効果、舞台装置…色々手法はある。台詞での情報伝達を考える際に、近しい二人同士の会話では更にそれがむずかしいと感じてる。脚本を書いていて兄妹のシーンが破綻したのはここの問題だった。  そこで思いついたのが二人以外の登場人物を出せばいいということ。当たり前でシ

        • #006 札幌北斗高校演劇部…キリンとの旅②

           2017年の4月の活動は解体される旧校舎の片付けに終始していた。そんな中、新一年生が男女で10名近く入部した。春いきなり3人となった部活だったが、何とかまた頑張れそうな雰囲気になってきた。そんな中で支部大会に向けての脚本作りもスタートした。当時の自分のスタイル(現在もそんなに変わってはいないが)はというと、「お話がある日、降ってくる」というか大体そんな感じなのだ。  当初、ぼーっと考えた時、昨年(2016年)の作品『猫を飼う』はコンテスト的にはあまり結果が出なかったなぁ、

        #009 札幌北斗高校演劇部…キリンとの旅⑤

          #005 札幌北斗高校演劇部…キリンとの旅①

           2016年11月、我々は『猫を飼う』という芝居で旭川で行われた全道大会に出場していた。またその話は後日、書くことになるのでここでは詳しく書かないのが、今まで何作か書いてきた中でも好きなお話の一つだった。 ただ、コンテストの作品としては芳しい評価を受けられなかった。 いつか小さな小屋で再演したい作品である。    この芝居の稽古が始まる夏休み頃、校舎の建て替えでずっと使っていた稽古場であった講堂の使用ができなくなった。代りの稽古場として、取り壊される北校舎に遅れて取り壊さ

          #005 札幌北斗高校演劇部…キリンとの旅①

          #004 札幌北斗高校演劇部…スパカツを食べに行こう③

           令和元年の舞台『お母さんの彼』。おかげで生徒たちは楽しんで稽古をしてくれた。台本上、お母さんの元彼はアクションスター志望でショッピングセンターや遊園地などでヒーローショーをしていると言う設定であった。この辺りは私が懇意にさせていただいている知人の経験が盛り込まれており、実際のアクション指導もその知人にお願いしていた。うちの男子生徒はヒーローやアクションが楽しいみたいで、嬉々としてその稽古をしていたようだ。怪我しないように殺陣の指導をしてもらっているのだが、彼ら(時々彼女らも

          #004 札幌北斗高校演劇部…スパカツを食べに行こう③

          #003 札幌北斗高校演劇部…スパカツを食べに行こう②

           令和元年の話。次の舞台の台本のタイトルが決まった。『お母さんの彼』というタイトル。ちょっとスキャンダルな感じで、「え、どういう話?」と興味をひいてくれるタイトル。これ『お父さんの彼女』だと何だかなぁ、だが、「お母さん」と「彼」という言葉がどこかミスマッチでいいなぁと感じた。恋愛ものだということがタイトルからも伝わるだろう。ただラブコメディのつもりで書いていたので、もっと軽い印象を与えたくて『お母さんの彼』と書いて『ハハカレ』と読ませることにした。  いつも台本を書くと、2

          #003 札幌北斗高校演劇部…スパカツを食べに行こう②

          #002 札幌北斗高校演劇部…スパカツを食べに行こう!①

           あれは2018年のこと。胆振地震で北海道全域がブラックアウトとなった時のことだった。電力がなくなり、不安な夜を過ごした道民も多かったはずだ。演劇に携わる身としては、夜空を見上げると、いつもより星がきれいで、キャラメルボックスさんの『広くて素敵な宇宙じゃないか』のおばあちゃんの台詞を思い出さずにはいられなかった。    この震災の直後に支部大会があり、出場作品である『やさしく ふる 雨』は支部大会で優良賞に終わり、全道大会を逃しました。ちなみにこの時の全道大会は札幌で開催され

          #002 札幌北斗高校演劇部…スパカツを食べに行こう!①

          #001 札幌北斗高校演劇部…反骨心の物語

           3月14日(月)、北海道の空知にある砂川市という町で公演を行います。本来ならばこの公演は先月の4日に終わっているはずでした。しかし道のまん延防止等特別措置が発令され、会場である「砂川市地域交流センターゆう」が閉鎖せれたため延期となり、まん防は3月6日で解除されるだろう、と甘く考えていたら再延長となりました。当初3月14日を予定していましたが、これもきわどくなって来ました。ただ、観客席を1/5とする、感染対策を徹底するということと、各方面からご支援もあり、特別に閉館中の「ゆう

          #001 札幌北斗高校演劇部…反骨心の物語