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#004 札幌北斗高校演劇部…スパカツを食べに行こう③

 令和元年の舞台『お母さんの彼』。おかげで生徒たちは楽しんで稽古をしてくれた。台本上、お母さんの元彼はアクションスター志望でショッピングセンターや遊園地などでヒーローショーをしていると言う設定であった。この辺りは私が懇意にさせていただいている知人の経験が盛り込まれており、実際のアクション指導もその知人にお願いしていた。うちの男子生徒はヒーローやアクションが楽しいみたいで、嬉々としてその稽古をしていたようだ。怪我しないように殺陣の指導をしてもらっているのだが、彼ら(時々彼女らも)普段やらないことを張り切ってやった結果、怪我人続出。あまりに縁起が悪いので稽古場の四隅に盛り塩をする始末。


 支部大会は上演当日、主役のお母さん役の部長の子の体調が悪化。コロナ禍の今なら即アウトですが、朝から鼻がぐすぐすし始め、上演前には明らかに発熱の状態。真っ赤な顔して舞台に立った。それでも大会結果は「最優秀賞」をいただき、念願だった釧路の全道大会行きを決めた。

お母さんと娘

 支部大会から全道大会に行くということは、もう一度作品を作ることができると言うことで、改めて観てみると気がつかなかった改善ポイントがあれこれと見えてきた。支部大会ではアクションするの空間が狭く設定し過ぎた(稽古場のスペースの関係上狭くせざるを得なかったのだが…)ため、舞台をさらに広くし大きく動けるようにする。ストーカー役の1年男子は支部大会の舞台でも相当気持ちの悪い演技(良い意味で)だったが、全道の舞台では更に気持ち悪さをアップさせた。(実際、本番中に観劇していた他校の女子高生から「やばいやばいやばい、無理!」と悲鳴が上がっていた)

観客から悲鳴を上げさせたストーカー役の一年男子
人は良いがどこか抜けているお父さん

 今回は台本を書く前から、「全道大会に出るぞ!」という願掛けもあって「釧路」をもう一つの舞台に設定しており、お母さんの元彼がヒーローショーに向かった釧路のイトーヨーカドー(現在は北洋銀行)は上演するホールの近くにある。

全道大会の舞台
舞台に登場するイトーヨーカドーの跡地

全道の舞台では本校の『お母さんの彼』は注目度の高い作品だったようで、上演でも多くの観客を笑わせ、多くの観客を泣かせた舞台となった。その点では我々はやり切った感は支部よりもあり、特に支部大会で体調不良だった部長はラストは涙ながらにしっかりとお母さんを演じ切った。
 結果は全道大会優良賞で、望んでいた全国大会には届いていないが、満足な舞台であったし、何よりも釧路に連れてくるという約束を果たせたことが一番ホッとしている。

上演後の楽屋にて
全道大会に向けて作った缶バッジ

ただ一つ後悔しているのは、宿泊先のホテルの晩御飯があまりにボリュームがありすぎ、誰一人「スパカツ」を食べに行く余力がなかったと言うことだ。

男4・女3人・男女多数
※著作権は作者に属します。

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