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テニス関係者の法律相談室~弁護士の視点~

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テニス関係者に損をして欲しくない!そんな思いから、テニスバカな法律関係者が、テニス関係者が遭遇する様々な場面を法律的な面から解説します!
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2020年8月の記事一覧

うまい話には裏がある?

うまい話には裏がある?

こんにちは。名古屋の元テニスコーチ弁護士の柳川豊です。

前回はテニススクールの選び方についてお話ししました。

https://note.com/yanaytk0311/n/n6c1cf6ed0c01

まだ読んでないという方がいらっしゃったら、読んでいただければ幸いです。
テニス法プロジェクトチームメンバーの紙尾先生からは、
「法律がテニスの解説に呑み込まれていく感じがとても好感あり」
と本の

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テニスコーチは労働者?

弁護士の田中宏和です。本日は、テニスコーチに関わる法律問題のうち、テニスコーチは労働者なのかという点を中心にお話いたします。

・なぜ労働者に該当するかどうかが重要なのか

テニスコーチが労働者に該当するとすれば、契約書に明記されていないとしても、スクール側はコーチに残業代や深夜労働に対する報酬を支払わなければならず、またコーチはそのような権利が法律上認められることになります。他方で、労働者に該当

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テニス部に入部してから(いじめ?刑事事件と民事事件の違い)

こんにちは。弁護士の紙尾です。

前回、BさんがC先輩からいじめにあっていたケースを解説しました。その時に宿題として持ち越した、刑事事件と民事事件の違いを解説します。

1 刑事事件

なぜかはわかりませんが、弁護士のところに相談に来る方は、トラブルが起きると、「警察に相談したい、警察に訴えたい」と言う方が一定数いるように感じます。

しかし、警察が捜査を行うのは、あなたの被害感情を回復するためで

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テニス部に入部してから(いじめ?)

こんにちは。弁護士の紙尾です。

6月まで一生懸命ボール拾いに明け暮れ、3年生は最後の大会を終えて引退し、いよいよ、テニスコートに立って練習を開始したAさん。

毎日毎日練習が楽しくてしかたなく、最初は空振りすらしていたのが、いまでは、かなりの確率で相手コートにボールをコントロールできるようになってきました。

そんなある日、部活が終わって帰ろうとすると、クラスメイトでもあり同じテニス部のBさんが

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テニスを始めてみようかな

テニスを始めてみようかな

こんにちは。名古屋の元テニスコーチ弁護士の柳川豊です。

テニス法プロジェクトの一環として、これからテニスと身近な法律問題についての記事を書いていきたいと思います。テニスや法律に関心のある方にはもちろん、そうでない方にもここから興味を持ってもらえるように続けていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

私は、司法試験に合格するまで約10年ほどテニススクールのコーチをさせていただいていました。

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はじめまして。弁護士の柳川です。

はじめまして。弁護士の柳川です。

はじめまして。名古屋の元テニスコーチ弁護士の柳川豊です。

この度、東京の弁護士の山本衛先生、紙尾浩道先生からテニス法プロジェクトチームにお誘いをいただきました。

先生方に出会えたのもテニスでした。私が司法修習生の頃、友人であるプロテニス選手の西岡良仁選手に山本衛先生を紹介してもらい、1週間の間、スポーツ法務の修習をさせていただいたのがきっかけでした。それ以来、テニスバカ弁護士という共通点から仲

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テニス部に入部してから(練習内容が不合理?!)

こんにちは。弁護士の紙尾です。

さて、ラケットの購入ではひと悶着ありましたが、無事テニス部に入部できたAさん。
いよいよ、ボールを打って練習だ!と意気込んでいたその矢先でした。

「1年は、6月までボール拾いだ!」

顧問の先生から、こんなことを宣告されてしまいます。
なんでも、1年生が6月までボール拾いのみというのは、創部以来30年間の伝統だそうで、2年生も同じように経験して来たことなのだそう

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テニス部に入部するには…(その3 錯誤)

こんにちは。弁護士の紙尾浩道です。

前回まで、新入生のラケット購入の場面を通じて法律のことをお伝えしましたが、今回も、同じ事例で考えてみます。

新入生のあなたは、高校1年生。お店でラケット1本を3万円で購入するべく、母親から現金3万円をもらって、さっそくお店へ行きました。

あなたが行きついた大型量販店には、スポーツ用品がずらーっと。店員さんに声をかけるのは恥ずかしかったので、自分で気に入った

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