テニス部に入部してから(いじめ?)

こんにちは。弁護士の紙尾です。

6月まで一生懸命ボール拾いに明け暮れ、3年生は最後の大会を終えて引退し、いよいよ、テニスコートに立って練習を開始したAさん。

毎日毎日練習が楽しくてしかたなく、最初は空振りすらしていたのが、いまでは、かなりの確率で相手コートにボールをコントロールできるようになってきました。

そんなある日、部活が終わって帰ろうとすると、クラスメイトでもあり同じテニス部のBさんが何だか元気がありません。

「どうしたの?」

「ん?どうもしないよ?」

なんだかおかしいなぁと思いながらも、それ以上は聞けなかったAさん。次の日、他の部員にBさんの様子がおかしくないかと聞いてみたところ、どうやら、ウマが合わないC先輩に嫌がらせをされているようなのです。

具体的には、C先輩から、Bさんに対して、「お前はどうしてそんなにテニスが上達しないのか。前世で地獄に落ちるようなことをしたからじゃないか。」とか、「そんなくねくねしたフォームじゃ女子だよ女子。女子の練習に混じればいいじゃないの。」などとBさんが嫌な思いをするような言葉をLINEに送られていたようなのです。

さて、この件を聞いた弁護士はどんなことを考えるでしょうか?

1 学校に対応を求める

いじめ防止対策推進法という法律が平成25年に施行され、その法律に則れば次のような対応を行うこととなります。
 ① いじめを受けた人(保護者)が学校に通報
 ② 学校は責任者において事実関係調査
 ③ 調査結果でいじめが確認された場合、専門家の協力の元、加害児童 
  (保護者)に対し指導・助言
 ※ ただし、加害行為が刑事罰に該当する行為の可能性がある場合には、
   警察と連携することとされています。

2 本人同士で解決する

端的に、「そういうことをされるのは嫌だ」と本人に押し返せば、加害児童も嫌なことだったのかとわかって、いじめがやむケースも十分にあり得ます。特に、同じ部活動でこれからも一緒に活動していく先輩ですから、できれば、このような形で解決できると望ましいですよね。

弁護士に相談する方の中には、必ず誰か責任を追及するぞ!と強い信念を持って相談に来られる方もたまに見受けられますが、攻撃をすることでかえってまた争いを拡大するような場合や、当人にとって客観的な目線から見ればあまり望ましくない選択肢だと判断される場合、「争わない方が良いのでは」とアドバイスすることも往々にしてあります。

そんなときは、「この弁護士は弱腰だ!次に相談行くぞ!」とおっしゃりたい気持ちはとてもよくわかるのですが、弁護士がなぜそのように言っているかの理由くらいは、聞いてあげてもらえるととても助かります。

3 C先輩に責任を追及する

この方法も考えられはします。

その場合、よく、ごっちゃにする方が多いのですが、刑事事件として責任を追及したいのか、民事事件として責任を追及したいのかで大きく意味合いが異なります(この部分は、長くなってきたので次回に譲ります)。

以上、いじめの対応に関して大きな選択肢を説明しました。

つづく。。。




記事をお読みいただきありがとうございます。弁護士は縁遠い存在と思われないよう、今後も地道に活動をしようと思いますので、ご支援よろしくお願いします。