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水戸黄門とヘアアイロン

「これが目に入らぬかぁぁ〜!」


(え、わかるよね(。-_-。)  ) 
(後で髪の話をするよ、ちょっと待ってね)

今放送はされてないのか?
こっちではその昔、
平日の4時から放送されていました

昔懐かし 「水戸黄門」

頃合い良く悪い奴らの前に、
助さん角さん率いる水戸黄門様 
ご登場。

「この紋所が目に入らぬかぁ〜」
と一喝、

無事 一件落着。


現代にそんなことあるかはわからないけど、

私、空想、妄想大好きですから

ヘアアイロンを無駄に使い、
手放せず、
ダメージに嘆く人々の心情を
思い出して頭の中で始まった。



独自の視点で髪の気持ちを代弁し、
ヘアケアの真実を語る美容師。

本日は
水戸黄門とヘアアイロンをかけて
語らせて頂きたく思います。


朝 
あ〜毛先跳ねてるなあ、
でもコレがあるからまぁ大丈夫か…」

と取り出すのは伝家の宝刀、

ストレートアイロン、

おもむろにスイッチオン。

頭の片隅によぎるのは
"傷むよなぁ…"って思いか。

でもわかっちゃいるけど、
やめられない。


その瞬間だけ 
ダメージのことに目をつぶり、

"ちょっとだけなら良いよね"

(きっとうん、大丈夫、なはず)←願望

と心の中でつぶやいて…


ブロッキングもせず
一発仕上げ、
気になるところ、
見えるところを、何度もアイロンを通す。

よし、できた。

(一件落着!!)と 

慌ただしい朝、
各々が"戦場"へ向かう。

しかし、
先程は収まった様に見えたその毛先
気がつくと
いつのまにかはねたりうねったり。

後頭部は恐らく うねったまま 
"アイロンで固定"してあるが故、

朝から変わらず 
実は不自然な形のまま。
(これ結構 多い)

"ダメージの加算された髪"は
夕方までには
パサつきや広がりが気になり始め
気分も下がる。

悪循環と知りながら、
抜け出せないから毎朝 
やむなく
同じことを繰り返す。



結局その行為って
本当に一件落着、ですかね?



"いつもの安心感"を求めるのは 

ニンゲンが生き延びる為、 

"生命の安全を求める"

脳の特徴らしい。

そりゃ毎日、

安全な方がいいに決まってる。


でも。


水戸黄門が 定刻に現れ
一件落着をみせてくれることで
得られる

安心感 安定感 わかりやすさ

は、日常の娯楽としては
あってもいいと思うのですよね。

それは

「さて、
そろそろ夕飯の支度しよかね」

的に平和な日常の

時計がわりの役目を果たすはずだろうから。


問題は
ヘアアイロンですよ 


安心感と定番感

便利で手軽

全然いいわよ
問題は、そこじゃない。

正しく使ってくれるなら。



よく皆んなが嫌がるハネって実は

毛先じゃ無くて
根本の方向を直さないと 
首肩の影響をモロに受け

絶対 数時間以内には
"元通り"のハネに戻ってしまう。


毛の原理原則から言えば
寝癖(など含む)は濡らして乾かした方が圧倒的に早くて綺麗になる。

※『寝癖直しスプレー』なるものは
アホ毛潰し系と共に
危険な製品であろうと確信を持つ私は、以下のやり方をおすすめしたい。


顔を洗ったついでに 
ぬるま湯で濡れた手で 
はねたりクセのついた部分を根本から手櫛で水分を与える程度に触る。
(びしょびしょにする必要は無い)

毛を望む方向に手櫛で整え、
他の朝のお支度をしている間に 
まあまあクセは取れてるだろう。

そのタイミングで 
仕上げに軽くハンドブローにて整える。

ヘアアイロンは
ベースを仕込んでから行う
メイクアップであるから

基礎、土台が整わない箇所に使っても 
望む効果を発揮しづらい。



聞くと、(読むと)
めんどくさそう!と思うかも知れない。


しかしアイロンで高熱処理して

傷まない髪は
残念ながら、
この世には存在しない。


低温とは言え、指で触れない温度で毎日 少しずつでも使用を繰り返せば

髪=タンパク質を加熱し続けることになる。


わかりやすいのが 卵。

加熱したら、
2度と"生"には戻れない。


目玉焼きでも 
ゆで卵でも 

加熱し続けたら 卵は醤油を弾くでしょう?
(これが水分保持力の無い髪)

マヨネーズなら、載るでしょう?
(バーム、オイルでツヤが出て、一見手触りも良くなる例)


今やほとんどの人がカラーをしている。
カラー剤や前後処理剤は、
私の経験年数たった20年余りで
素晴らしい変化を遂げた。

が、しかし。

髪には限界ってものも、
ある。


跳ねる悩みや、
パサつきとかをキチンとケアせず
体力を疑似的にでも増幅させずに

毎日 100度以上で加熱処理した場合、ダメージは避けられない。

(120度でも
 回数やれば髪だって大火傷だ)



ストレートアイロンは特に 
手軽で簡単な印象を持たれる
形を変えるためには必要不可欠な素晴らしい道具の一つだが、

原理原則を無視して

ただ闇雲に
"髪を引き伸ばして寝癖を取る道具"

として使う行為は気が付かない程に

"ハイダメージ製造機"にもなるアイテムだということを知って欲しい。


そうなると、

リスクを負うのは髪だけではない。



やりたいことが
出来にくく
自宅で再現しにくく
扱いづらい髪質と 
しばらく付き合うことになるという

地獄の日々が待っている。



残念だけど、

悪循環の中にいたら、
"綺麗" で"自然な"
オシャレ感は手に入らない。

道具は正しく使い、
守りは、攻めと組み合わせて使うのが 美容には良いのかなと。


コレが好きっ!!
コレならイケる!!の

"安心感" と "定番" は

道具とテクニックを正しく理解して

楽しみながら持つべき。

かと言って忙しい大人だもの、

「完璧でなくて良い」

真っ直ぐ跳ねて無いことだけが
ヘアスタイルでは無い。

そんな解釈も 持ったら楽。


日常という"勝負"は
待ったなしだと思うから


自分なりの合格点を用意する事で 
正しく逃げろ、

逃げ道 バンザイ。

って思います。


何を選んだって、いい。

誤魔化しよりも 
貴方の
"本当の美しい自分の髪"で
勝負してほしい。


本日も、ありがとうございました。





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