最高のナンバー2になる方法 vol.1 ナンバー2とは何ですか?
「最高のナンバー2になる方法」の第1回目の記事になりますが、何から書き始めるかを思案した結果、まずはじめに、シンプルにナンバー2の定義づけをすることにしました。
※本稿はナンバー2ってどんな存在?という素朴な疑問を抱く、主に中小企業に勤める若手のビジネスパーソンの方を対象とした内容です。
■ナンバー2とは?
ナンバー2とは社長に次ぐ2番手の存在です。なんだそんな当たり前のことと思われる方もいるかもしれません。
単に序列の話であればそうかもしれませんが、社長とは異なる職能を持った存在がナンバー2であるという認識を持っている人は多くはありません。
ご自身が勤める会社には、専務、COO、執行役員、本部長などさまざまな肩書を持った上司がいらっしゃるかと思います。
けれども、その多くの上司の方々は本当の意味でのナンバー2ではないことが多いのが現実です。
序列が設けられ、立派な肩書があるのにナンバー2ではない?
ではその人たちは何なのか?
その人たちの多くは社長が物理的に対応できない仕事を一定レベルで業務遂行できる担当者として任されている方々です。
誤解がないように言うと、社長からの指示で業務を担当している人たちが無能であるのではありません。
そういう仕組み、運用となっているだけのことなのです。
ナンバー2らしき立派な肩書を持っているのに、ナンバー2がいない会社というのは、社長が一人で考え、決めて、現場に指示を出す。いわゆるワンマン経営の会社であることを示しています。
では、本当のナンバー2とは一体どんな存在なのか?
これが本稿のテーマです。
結論から言うと、本当のナンバー2とは、経営の意思決定に関わり、社長の構想を具現化する人のことを言います。
ここで社長が関わっている仕事を大まかに俯瞰してみます。
・資金繰り
・事業計画立案
・業績管理
・商品企画/商品開発
・仕入れ/在庫管理
・販売活動/マーケティング
・人材採用/人材育成
・労務全般
・経理/会計
・総務/庶務
・業務管理
・リスクマネジメント
・各種契約締結
・法改正対応
・会議/部下からの報連相対応
・社外との付き合い
・クレーム対応
会社の規模や業種にもよりますが、社長を中心に会社で行うことは多岐に渡るものの、会社の中にどんな仕事があるのか知らない、関心のない方も多いかもしれません。
会社で行っている仕事をざっと見て、どんな感想をお持ちでしょうか?
こんなに多くの事柄を社長といえども全てを把握し、精通し、全てに対応することなんてできるのでしょうか?
答えは無理です。
だからこそ業務ごとに知識や経験のある社員を雇い入れて、運営している訳ですが、本当のところは、よく知らない、よくわかってないことに対しても何かしらの判断をし、社員に指示をを出しているのが社長の現実なのです。
もし仮にあらゆることに一定の知識や経験を持っていたとしても、多忙を極める立場でじっくりと一つひとつに対して時間を割くこともできないでしょうし、決断力がないと課題を先送りにすることもあるでしょう。
では、このような社長は無能なのかというと決してそうではありません。
そういう仕組み、運用となっているだけのことなのです。
社長が全てを把握し、決断し、全責任を負う覚悟を持つというのは立派なことです。
けれども、現実問題として苦手なことやよくわからないことを考えたり、判断していると必ず弊害も生まれてしまいます。
高い報酬を支払って外部のコンサルを利用していても結果はあまり変わりません。
コンサルが指導することに納得、理解しても、会社で運用するための落とし込み方がわからない場合もありますし、他社の成功事例が自社でも上手くいくとは限らないからです。
もしくは、誤った判断ばかりして、社員の士気を下げ、業績まで悪化させている原因を作っているのは社長の自分であるのにそうとは気づかず、社員に問題があると思い込んでいる社長もいます。
いずれにせよ、社長が苦手なことに時間を取られていては、事業戦略を練ったり、社長自身が最も得意なことに専念することも、社員を牽引することもできなくなってしまいます。
ワンマン経営の弊害と言われる点です。
誰しも得手不得手があります。
社長も苦手なことは社内の誰かに任せてしまった方が良さそうですが、社長は逡巡するものです。
自分の苦手なことでも手放せないのは、自分の意図するものから外れたことを勝手に進めて欲しくない、なぜなら会社は自分のものだからという思いが強いからです。
創業社長であればなおさらでしょう。
けれども、社内には問題が山積しています。
ジレンマですね。
社長がその問題を解決できないのであれば誰かが対応しないといけません。しかも社長の意図に沿ったやり方で、かつ、結果を伴わないといけません。
会社には多岐に渡る仕事があると先ほどお伝えしました。
問題解決のために何かひとつ変える、何か新しいことを始めるとなると、社内にいる人たちの仕事、内容によっては顧客や取引先にも影響を及ぼす可能性もあります。
問題解決のための取組みがまた新たな問題を生んでしまうのです。
社長の苦手なことを社長の意図を汲みながら、かつ想定範囲を広げ、そつなく対応し、全体最適の結果を出す役割、そういう存在が必要になってきます。
「経営の意思決定に関わり、社長の構想を具現化する」とは、問題を多角的に捉え、経営にどう影響するのかを考え、社長の意図に添い、適切な解決方法を提示し、社長の命を受けて、責任を持って実行するという意味です。
言い換えれば、社長の不足する部分を補う補佐役です。
これが、本当のナンバー2と呼ばれる人の仕事です。
ところで、社長が抱え込んでいるものを引き受けて、会社のために成果を出すためには、その大前提として、社長からの信頼を勝ち得ることが必要となります。
いきなり社長が「君に任せる」とは言いません。
どうやって社長からの信頼を勝ち取るのかは別の機会に譲りますが、指示を受けて個々の業務や案件をこなす仕事ではありませんから自分の頭で考えて実行するという大変な面があります。
会社経営に必要な知識を豊富に蓄え、日々情報収集も怠らず、未知の問題に対しても臆することなく対応する必要もあるでしょうし、社内の抵抗に遭い、批判を浴びることもあるでしょう。
かなりの胆力を求められます。
それゆえ誰でもできる役割、仕事ではありません。
望まれてもできない仕事、望まれてもやりたくない仕事、ロールモデルの少ない仕事。
ナンバー2の仕事はこういう側面もあります。
けれども、だからこそやりがいもある仕事であると思います。
ナンバー2とは何か?
輪郭だけでもイメージを掴めて頂けたら幸いです。
また、本稿を読んで、ナンバー2になってみたいと思う人が一人でも増えてくれたら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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