NO.2の育て方㊼ナンバー2を選ぶポイントをズバリ解説
ナンバー2を育てた方がよいのかなと考えはじめて、先ず検討しないといけないことがあります。
ナンバー2として誰を選ぶかです。
当たり前のことに思われるかもしれませんが、ナンバー2選びを間違ってしまうと、その後にどう教育しても期待通りのナンバー2になってくれないのが現実ですから、とても重要なことです。
何となくで人選するとかえって問題が起きたりします。
社長によって求めたい人物像もさまざまかと思います。
欲を言えば、できれば売上でも貢献し、会社全体のマネジメントができて、社長である自分の考えに絶対に反対意見を出さないような人間がいいと思われるかもしれません。
そして実際に人選にあたって、このような条件の中から総合的な判断で選ぶことになるでしょう。
そもそも社員数が少ない中小企業では該当者がいない場合もあるかもしれませんから、その時は無理やりナンバー2候補を選ぶ必要はありません。
もしそういう段階でしたら、もうしばらくは社長自身が経営の先頭に立って売上を増やすことに注力し、社員に課題や試練を与えて成長を待つ方がいいです。
創業して5年~10年くらい、売上も堅調もしくは右肩上がり、社員数も30人を超えてきたくらいのステージになってくると社長の負担がより一層重たく感じられてくる時期ではないでしょうか。
営業、業務、経理/総務/人事、管理、企画、開発などの必要な部署も設置し、それぞれに有能な社員を配置していても、大小さまざまな承認、決裁を社長一人で引き受け、社員の数だけ問題が起き、その対応をし、全ての最終判断はもちろん社長である自分が行う。
売上だけは右肩上がりならまだ良いものの、業績不振となれば社長の負担と気苦労はさらに増えると思います。
そこでそろそろ頼りになるナンバー2が欲しくなるステージかもしれません。
求めたい人物像を描き、限られた社員の中から選ばないといけない訳ですが、何を優先して人選するかが問題となってきます。
過去の実績や能力などがもちろん選定基準の中心となるものの、ここで立ち止まって考えて頂きたいことがあります。
それはナンバー2というポジションに合う性質かどうかです。より具体的に言うと、社長に仕え続けることができる性質かどうかが重要です。
ナンバー2が求められる役割は多岐に渡りますが、重要なのは社長の考えや理念に共感し、フォロワーとして社長を支えたいという気持ちがあるかどうかです。
分かりやすい失敗例を言うと、社内でも売上トップの営業マンをナンバー2に選んだとします。
社長からすると売上を作ってくれる存在はありがたいでしょうから、目をかけてきたかもしれません。
ただし、その人物が売上を作ることに長けていても、社長に対してなんのリスペクトもなく、経営理念などにも興味がなく、会社全体のことよりも自分の売上をいかに増やし、自分の権力や存在感を強めることにしか意識がないような人物だとしたら社内はどうなるでしょうか。
・社長の負担は減るでしょうか?
・会社がより成長するでしょうか?
よくある話ですが、最悪なのはこうした人物を専務などのナンバー2に選び、最終的に社長と喧嘩別れし、顧客と社員を引き連れて独立されてしまうといったケースです。(そうした経験を持つ社長は二度とナンバー2など要らないと考える傾向にあります。)
創業メンバーなどの古参社員からナンバー2を選ぶ場合も注意が必要です。
創業時の苦労を分かち合ってきた分、創業メンバーにはある種の愛着のような気持ちがあるかもしれませんし、事業が軌道に乗るまで貢献もしてくれたでしょう。
ただ、現状で求められる役割に古参社員が相応しいのかどうかは冷静に考えないといけません。
そして今日まで勤め続けているのも、社長に惚れ込んでずっと在籍したいのではなく、ある程度立場が出来上がっている居心地のよい環境を捨てて転職するのも面倒だから辞めないという消極的な理由かもしれません。
単に、社歴が長いから自分のことを理解してくれているだろうと思ってナンバー2に選んでしまうと期待外れということもあります。
仕事の能力は知識や経験を積み重ねることで高まりますが、そもそも人に仕えることができるかどうかはその人物の性質であり、なかなかその思考は変えることはできません。
極端な事例かもしれませんが、能力や実績重視で人選をするとこうした事が起きてしまうことも留意して頂きたいと思います。
それならば能力的に物足りなくても、自分を慕い、仕えてくれる人材を時間をかけて育てた方がはるかに社長の悩みは減ります。
ただ、ここでも注意点があります。
人は変心してしまうことがあるということです。
能力が高く、社長に尽くし仕えていても、ナンバー2が慢心して驕った気持ちになってしまう場合や社長自身が利己的になり、人間的な魅力を失い、ナンバー2に見限られるような場合もあります。
そうした状況にならないために考えて頂きたいことはありますが、それはまた別の機会にお伝えしたいと思います。
ーまとめー
・ナンバー2の人選は能力よりも、性質で必ず選ぶ。
・創業メンバーなど古参社員の能力が現状で求められる役割に相応しいとは限らず、社長に忠誠心を持っているかどうかは別問題。
・人は変心してしまうことがあるので、そうならないようにすることも考えなければならない。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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