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アイルランド:3月の祝祭日を彩るギネス

3月17日は、アイルランドの祝日で聖パトリックの日(セントパトリックスデー)という。この日アイルランドの首都ダブリンでは華やかな山車とパレードで街が祝祭の雰囲気一色となる楽しいお祝いの日だ。


大分前の事だが、ちょうど聖パトリックの祝日にダブリンに滞在したことがある。この日はダブリンの目抜き通りを華やかな山車が通り、音楽と色彩にあふれた楽しいイベントだったことが印象に残っている。


聖パトリックとは、3世紀頃にアイルランドにキリスト教を広めた聖人で、3月17日は聖パトリックの命日にあたる。聖パトリックはキリスト教以前にアイルランドにあったドルイド教という信仰を否定せず、キリスト教と融合させる形で布教していった。そのためだろうか、聖パトリックはアイルランドでも愛される聖人の一人とされる。

聖パトリック。シャムロックを掲げている。


この聖人のお祭りの日は世界的に祝われている祝日の一つで、世界中に移民したアイルランド人が広めたとされる。日本でも各地で祝われており、様々な自治体がパレードを催したり、アイリッシュ・ミュージックのコンサートを開催したり、代表的な建物をアイルランドの象徴の一つであるシャムロックというクローバーの様な草の緑色にライトアップさせるなど楽しい企画を毎年行っている。場所は、札幌や東京、横浜、松江など、その他多くの自治体が催し物を企画している。


このイベントを盛り上げるために毎年一役買っているのが、アイルランドの定番のビールの一つであるギネスだ。アイルランドの製品として世界で認知されているこのビールは、スタウトという黒ビールだ。

スタウトとは上面発酵のビールの事で、アルコール度数の比較的高い黒ビールの事を指す。 スタウトにも色々な種類があるそうだが、世界でも恐らく一番有名なのはこのアイルランドのギネスだろう。お酒飲みの人なら、飲んだことはなくとも一度は見たり聞いたりしたことがあるのではないだろうか。アルコールの強い、焦がした大麦の味がしっかりとあるビールで、クリーミーな泡が特徴的なビールである


聖パトリックの日は、聖人がキリスト教の三位一体を伝えるために用いたシャムロックという小さな三つ葉の草の色である緑の服を着たり、緑色に染めたビールを楽しむなど、色の面でも楽しみがあるお祭りだ。(ビールを緑に染めるのは、着色料が健康的で無いとして近年ではやっていないようだ)

シャムロック

今年はコロナのため、日本国内ではパレードなどは残念ながら中止となっているようだが、この日は少しお祭り気分で、日本で一番手軽に手に入るアイリッシュ・ビールのギネスを楽しんでみたい。そしてコロナ渦が収まったら、あらためてかの地へ足を運んでみたいと思う。



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